【ゲームブック】講談社のゲームブック「天才コンピュータAI32」の話題に興奮

天才コンピュータAI32 (アドベンチャーブックス (9))

冒険記録日誌 天才コンピュータAI32(エドワード・パッカード/講談社) その1
http://www.enpitu.ne.jp/usr7/bin/day?id=79672&pg=20161203


冒険記録日誌 天才コンピュータAI32(エドワード・パッカード/講談社) その2
http://www.enpitu.ne.jp/usr7/bin/day?id=79672&pg=20161204

 いつも面白いゲームブックネタを提供してくれる「冒険記録日誌」さんの最新の話題は、講談社が1985年に発売した子供向けゲームブックシリーズ「アドベンチャーブックス」の一つ「天才コンピュータAI32」のお話でした。


天才コンピュータAI32

天才コンピュータAI32 (アドベンチャーブックス (9))

天才コンピュータAI32 (アドベンチャーブックス (9))


 アドベンチャーブックスは、以前にも書きましたが、

perry-r.hatenablog.com

学研の有名ゲームブック「きみならどうする?」シリーズとイコールのシリーズ。一冊持っていますが、内容が小学生あたりをターゲットにしているので、かなり物足りないのに、中古価格は最低でも2,000円位するということで、コストパフォーマンスが悪すぎるので、以後、手を出していません。また、内容がヤワに過ぎるからか、ネットでもプレイレポートを今までに見たことがありません。それだけに、内容が初めてわかって、ちょっと興奮してしまいましたね。


 あとは、願わくば、タイトルが異様にそそる

UFO54‐40地球攻撃す (アドベンチャーブックス) 新書 1986/7
エドワード パッカード (著), 大出 健 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4061919865

ぼくはいま、ニューヨーク・パリ間をむすぶ超音速旅客機コンコルドに乗っている。90分ほどでパリに着くというとき、とつぜん窓の外に、ぎらぎら光る白い円筒形の物体を発見した。ぼくにむかって、まっすぐに進んでくる。あぶない!思わず目をつぶった…。気がつくと、いつのまにか、ぼくはUFOの中にいた。どこからともなく声のようなものが聞こえてきた。「われわれはU―TY星の支配者だ。きみは銀河系動物園の標本として選ばれた。協力をこばめば、ソモに送る。」ソモとはなんなのか、UFOのねらいはだれもしらない。刻々と、地球に危機がせまってくる。話題のゲームブック

 のリプレイもアップしてくださらないかと期待しちゃいます。

感想:アニメ「クラシカロイド」第9話「闇、その向こう」

クラシカロイド クリアファイル

アニメ「クラシカロイド」HP http://www.classicaloid.net/
放送 NHK Eテレ。土曜日17:30~18:00。

【※以下ネタバレ】
 

第9話 『♪09 闇、その向こう』 (2016年12月3日(土)放送)

 

あらすじ

 歌苗たちは二週間も部屋にこもりっきりのベトを心配して様子をうかがうが、ベトはギター作りに没頭していた。街で見かけたギターの演奏映像に触発されてギターを弾きたくなり、まず理想のギター作りに取り組んでいるのだという。しかしその割にはギターの弾き方を知らないというので、奏助がレクチャーすることに。

 やがて奏助は街でギターコンテストの張り紙を見つけ、ベトに参加を勧める。優勝者には商品として100万円以上の超高級ギターが贈られることになっており、ベトも大乗り気。しかしその間もベトは自分の心の中に、何か説明しようのない感覚が湧いてくるのを感じていた。

 実はギターコンテストはアルケー社が行っているもので、ベトの参加を知り、会場にはバッハ・チャイコフスキーバダジェフスカもやってきていた。ベトが登場した途端、バッハは会場の電源を落とさせるが、ベトはムジークを発動し「クロイツェル」のギターバージョンをかき鳴らす。そしてベトは自分の心の中のモヤモヤが、かつて耳の病で演奏家としての道をあきらめ、作曲家に専念した時の思いだったと気が付く。

 ベトは優勝しギターを手に入れるが、それをストリートミュージシャンの女の子に挙げてしまう。

感想

 なんかマジな回。バッハの思惑みたいなものがちらりと描かれましたが、今回は今後の伏線的な何かなんですかね?

 ところで、我らが(?)石上静香が、いつぞやの無名アナウンサー役に続き、今回も名もなきストリートミュージシャン役で登場していました。今期アニメで「ブブキ・ブランキ」のメインを張るようなクラスにまでなっているのに、それでもまだこんな雑魚的キャラの仕事も受けるものなのか……、

他のエピソードのあらすじ・感想はこちら

アニメ「クラシカロイド」あらすじ・感想まとめ


クラシカロイド MUSIK Collection Vol.1

感想:NHK番組「フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿」第8回『水爆 欲望と裏切りの核融合』

Judging Edward Teller

フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿 http://www4.nhk.or.jp/P3442/
放送 NHK BSプレミアム(毎月最終木曜日 21:00~22:00 放送)。

【※以下ネタバレ】
 
※他の回の内容・感想はこちら
perry-r.hatenablog.com
 

第8回 『Case08 水爆 欲望と裏切りの核融合』 (2016年11月24日(木)放送)

 

内容

フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿「水爆 欲望と裏切りの核融合


人類に功も罪ももたらす「科学」。その知られざる姿に迫る。今回は人類史上最悪兵器「水爆」の父、エドワード・テラー。原爆を生み出した「マンハッタン計画」の科学者たちの多くが後悔の念を抱いて晩年を送ったのに対し、ひとりテラーは水爆の「無限の破壊力を実現する」欲望に突き進む。邪魔する者には容赦なく、かつての仲間さえ裏切った。水爆完成後も更なる大量破壊兵器開発に生涯をささげた、狂気の天才物理学者の闇に迫る!

●水爆に憑りつかれた男

 今回は水爆開発に主導的な役割を果たし「水爆の父」と呼ばれた物理学者エドワード・テラーをとり上げる。テラーは1908年ハンガリー生まれ。ユダヤ系で、幼いころから数学の才能を発揮し、やがてドイツに留学した。しかしドイツのナチス政権がユダヤ人迫害を始めたためアメリカに亡命した。

 テラーの専門の物理学で当時ホットな話題は「核分裂」で、それを利用した「原子爆弾」の実用化の目途が立ちつつあった。しかしテラーは、一歩先の「核融合による水素爆弾」に注目していた。核融合とは、原子核が融合して別の原子核に変化する際に莫大なエネルギーを生み出す反応で、身近なところでは太陽が核融合で光り輝いている。しかし核融合を起こすには一億度の熱が必要で、人工的な核融合はとても起こせないと考えられていた。だが、テラーは、原爆を実用化し、その爆発時の熱を利用すれば、核融合が起こせるのではと考えた。

 やがてアメリカは原爆開発をスタートさせ、計画の中心人物ロバート・オッペンハイマーは、科学者たちを呼び集め予備的な議論を行った。その時テラーは話を強引に水爆に持っていき、原爆はもう理論的にできることはわかっているので、水爆を研究すべきだ、と主張したりした。

 そしてオッペンハイマーをリーダーとする原爆開発計画「マンハッタン計画」が開始され、テラーも一員として参加した。しかしテラーの期待とは異なり、計画は原爆開発に注力しており、水爆のことは後回しにされていた。不満を持ったテラーは仕事を放り出して趣味のピアノを弾きまくったため、オッペンハイマーは仕方なくテラーを中心とする小規模の水爆研究チームを作った。

 1945年、原爆が完成し、広島・長崎に投下された。テラーは「原爆が完成したから、次は水爆の開発だ」と期待したが、研究者たちは、オッペンハイマーも含めてロス・アラモスを去ってしまった。テラー自身も大学に戻り細々と水爆の研究を続けるしかなかった。



●水爆の開発

 戦後、オッペンハイマーは原爆の父として英雄となり、また政府に大きな影響力を持つようになった。テラーは共産主義を恐れ、オッペンハイマーに水爆開発を進言したが、オッペンハイマーは理論上無限の破壊力を持てる水爆の開発に批判的だった。そのためテラーはオッペンハイマーを自身の研究を邪魔する存在として憎むようになった。

 ところが1949年にソ連が原爆実験に成功すると、アメリカ政府はソ連に対抗するため、1950年にさらに強力な水爆の開発をスタートさせ、テラーはそのリーダーとなった。いざ開発のための研究に取り掛かると、原爆の爆発では一億度の熱を維持できないことがわかり、開発は頓挫しかけた。しかしテラーは核融合が始まりかけた中心部分でさらに原爆を爆発させることで、外と内から圧縮し、一億度を維持することを思いつく。これは天才的なひらめきで、水爆開発に批判的だったオッペンハイマーも称賛したほどだった。

 しかしテラーは1951年には開発リーダーから外される。テラーは人を率いるリーダーとしての資質を全く欠いており、研究者たちからまるで支持されていなかったのである。翌1952年に初の水爆実験が成功するが、その場にテラーは居なかった。



●裏切り

 1953年、ソ連が水爆実験に成功した。するとオッペンハイマーソ連のスパイで情報を流したと疑われ、聴聞会にかけられた。オッペンハイマーの知り合いの科学者たちが証人として召喚され、大半はオッペンハイマーを擁護したが、テラーだけはオッペンハイマーが怪しいと証言し、これがきっかけとなってオッペンハイマーは公職を追放された。

 しかし、テラーもまた、オッペンハイマーを「売った」ことで、親友ハンス・ベーテも含めた他の科学者から距離を置かれることになった。その代わりにテラーに近づいたのが政治家や軍人だった。彼らは「水爆の父」テラーを称賛し、テラーは政府の軍事顧問の地位につき、オッペンハイマーの後釜に座る形となった。

 やがて世界で核兵器に対する反発が強まると、テラーは水爆の平和利用計画「プラウシェア計画」をぶちあげた。これは水爆で運河を掘ったり、地中から鉱物を取り出したりする、という物だったが、水爆の爆発が放射性物質をまき散らすという事については完全に無視していた。

 テラーは歴代の大統領の顧問となり、レーガン大統領時代の「スターウォーズ計画」にもかかわった。そして2003年に95歳で没した。


感想

 第二回の「原爆誕生 科学者たちの“罪と罰”」 http://perry-r.hatenablog.com/entry/20160714/p5 に関連した内容でしたが、テラーの場合は水爆開発について何の罪の意識も感じていない、というのが印象的。というか、放射性物質をまき散らしながら運河を掘るって……

 番組では「オッペンハイマーを売った後のテラーは、科学者仲間からつまはじきにされて辛かっただろう」みたいな感じに持って行っていましたが、大統領の顧問としてあれこれアドバイスできる地位に上り詰めたのだから、政界のフィクサーみたいな感じでめっちゃ満足だったのでは? 日本の政治記者なんかみんなそこを目指しているくらいだし。



※他の回の内容・感想はこちら
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感想:科学番組「コズミックフロント☆NEXT」『天文学の革命児! エドウィン・ハッブル』

NHK-DVD「コズミック フロント」DVD-BOX(DVD5枚+特典CD付)

コズミックフロント☆NEXT http://www.nhk.or.jp/cosmic/
放送 NHK BSプレミアム(毎週木曜 22:00~23:00)。

【※以下ネタバレ】
 

天文学の革命児! エドウィン・ハッブル (2016年11月24日(木)放送)

 

今回の内容

http://www.nhk.or.jp/cosmic/broadcast/160908.html
天文学の革命児! エドウィン・ハッブル


美しく神秘的な宇宙の姿を次々と映し出す「ハッブル宇宙望遠鏡」。
その名は、あるアメリカ人天文学者からつけられた。
エドウィン・ハッブル(1889-1953)。天の川銀河が宇宙の全てと考えられていた時代、ウィルソン山天文台で「宇宙には無数の銀河が存在すること」さらに「宇宙が膨張していること」を発見。人々の宇宙観を根底から覆し、アインシュタインハッブルのもとを訪れるほど。
そして膨張宇宙の考え方は、「ビッグバン理論」へと発展し、現代宇宙論の礎となっていく。


しかしその人生は天文学の世界では異端児そのもの。ウォルト・ディズニーなどハリウッド社交界での華やかな交遊、逆に学会ではすぐ喧嘩を起こすトラブルメーカー。そもそも大学での専攻は天文ではなく法律。そんなハッブルはどのように「20世紀の最も偉大な天文学者」となったのか。ハッブルの遺品は死後、長く非公開とされ、その人物像や発見の舞台裏は謎とされてきた。


すばる望遠鏡」建設の立役者、国立天文台の家正則博士はハッブルに魅せられ20年近くかけて、その足跡を調査。見えてきたのは世紀の大発見の源泉となったハッブルの宇宙への熱い情熱。
人類の宇宙観を根底から覆した男、エドウィン・ハッブルの知られざる戦いの物語。


●20世紀最高の天文学者

 アメリカ人天文学者エドウィン・ハッブル(1889~1953)は、「20世紀最高の天文学者」「ガリレオ以降で最大の発見をした天文学者」と評価される人物である。彼の発見は人類の宇宙観を根底から覆した。



●生い立ち

 ハッブルは1889年生まれ。子供のころから星が好きで、大学では天文学を専攻していたが、在学中に父親が亡くなり、家族を養うため大学を辞めて働かざるを得なくなる。その後、生活が安定したため大学に入りなおすが、今度は第一次世界大戦が勃発し、兵士として欧州に出征することになった。しかし天文学の夢があきらめきれないハッブルは、戦地からウィルソン山天文台の台長に自分を雇ってくれるように頼み、台長はその心意気に「待ってます」と返事をした。そして戦地から帰ったハッブルはウィルソン山天文台で働くようになった。



●富豪たちの科学への投資

 19世紀末、アメリカは好景気に沸きかえり、富豪たちが次々と誕生した。そんな富豪たちはこぞって天文台に出資し、アメリカ各地に世界最高レベルの望遠鏡を備えた天文台が作られた。富豪たちは「アメリカは富で世界の一流国となった。次は科学で世界をリードしよう」という考えだった。ウィルソン山天文台もそういった背景で作られた天文台だった。



●渦巻き星雲問題

 望遠鏡の性能が向上すると、ある問題が浮上した。それまで「星雲」と呼ばれぼんやりした雲のように思われていたものが、実は渦を巻いていることが分かったのである。渦巻き星雲の正体をめぐって、二つの意見が対立した。一つは「ガスが回転しているもので、銀河系内にある」という一派。もう一つは「銀河系のような星の集まりであり、銀河系の外にある」という一派。渦巻き星雲の正体は、距離を測定しなければ解明できない。



●星雲までの距離を測る方法

 実はこの時代、既にある星までの距離を測る方法が確立されていた。それは「セファイド型変光星」を利用するもの。この星は文字通りある周期で明るさを変化させ、その周期は質量によって決まっていた。ということは、周期を測れば質量がわかり、質量がわかれば明るさがわかり、明るさがわかれば地球からどれくらい離れているかわかる。



ハッブルの大発見

 1923年10月、ハッブルはアンドロメダ星雲の中に変光星を見つけ出した。そしてその周期から、アンドロメダ星雲は90万光年離れていると割り出した。つまり星雲は銀河系の外にあるものだったのである。この発見は、「銀河系が宇宙のすべて」という当時の人たちの世界観を根底から覆した。



●宇宙は広がっている

 1929年、ハッブルはさらなる発見をした。様々な銀河までの距離と「赤方偏移」について調べたのである。赤方偏移とはドップラー効果により遠ざかる物体ほど赤く見える、という現象で、赤いほど早く遠ざかっている。そしてハッブルは遠い銀河ほど早く遠ざかっている、という事実を見出した。これを説明する理屈はただ一つ、「宇宙は広がっている」という事だった。これらの発見により、ハッブルは時の人となりアインシュタインのような学者から、ハリウッドスター、ウォルト・ディズニーまで、様々な人たちが周囲に群がることとなった。



●孤独な晩年

 しかしその後のハッブルはあまり幸せとは言えなかった。ウィルソン山天文台の同僚たちは「星雲=銀河系内のもの」説の信奉者たちだったのでハッブルとそりが合わなかったし、そもそもハッブルは社交的な性格ではなかったので、周囲と衝突を繰り返した。

 そして1949年に心臓発作で倒れ、仕事に戻れないまま1953年に63歳で亡くなった。夫人はハッブルの遺品の公開を20年以上拒み、またハッブル自身の生前の希望により、墓がどこにあるのかいまだに公開されていない。また同僚たちはハッブル銅像を建てるとか肖像画を飾るとか、まったくしようとしなかった。ハッブルがどれだけ周囲から嫌われていたかわかる。

 しかし1990年に打ち上げられた宇宙望遠鏡は、彼の名前を取り「ハッブル宇宙望遠鏡」と名付けられ、さまざまな重要な発見を行い、今も活躍している。


感想

 天文学の大偉人ハッブルの大特集。こういう伝記みたいな回は大好き。


ハッブル 宇宙を広げた男 (岩波ジュニア新書)
ハッブル宇宙望遠鏡 25年の軌跡 (小学館クリエイティブ単行本)

感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第20話(シーズン1 第20話)「ナチ復活を阻止しろ」

スパイ大作戦 シーズン1<トク選BOX> [DVD]

スパイ大作戦BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 

第20話 ナチ復活を阻止しろ The Legend

 

あらすじ

IMFチームは南アメリカで極秘に行われるナチの集会に潜入する。その集会の指導者は、なんと悪名高き戦争犯罪人マルチン・ボールマンだった。


ドイツを再び国家社会主義国にという号令のもと、ナチ信奉者たちの集会が南米で極秘裏に行われるという。その集会の指導者は、悪名高き戦争犯罪人マルチン・ボールマン。IMFチームは20年の刑期を終え出所となるレイノール博士にブリッグス(スティーブン・ヒル)、その娘フローランにシナモン(バーバラ・ベイン)が扮装、その集会に潜入し計画を阻止しようとするのだが…。

※DVD版のタイトルは「第四帝国を阻止せよ」。


【今回の指令】
 南米にいる謎の人物が旧ナチスの幹部たちを呼び集めており、その目的はナチスを復活させることにあるらしい。IMFはその企みを未然に防がねばならない。


【作戦参加メンバー】
 ブリッグス、ローラン、シナモン、バーニー。


【作戦】
 ブリッグスとシナモンは、旧ナチの幹部レイノールとその娘に変装して南米に向かうが、彼らを出迎えたのは旧ナチスの大物マルチン・ボールマンだった。しかしボールマンは飛行機事故で寝たきりになっており、回復するまでは秘書のルッドがすべてを取り仕切ることになっていた。ルッドは、ドイツの主要都市に幹部たちを派遣し、現地のファシスト組織と連携してドイツにナチスを再興するという計画を説明する。

 ブリッグスは隙を見てボールマンの部屋に忍び込むが、なんと「ボールマン」は人形で、彼の言葉は全てテープに録音されたものだった。ルッドは居もしないボールマンから命令されているふりをして、実質的に旧ナチの幹部たちを操ろうとしていた。

 IMFはそれを逆手に取り、ローランはボールマンに変装して幹部たちの前に現れる。ルッドはボールマンは偽者だと騒ぐが、ボールマン(ローラン)はルッドは過労で錯乱していると言って追い払ってしまう。ルッドとしては、ボールマンなど存在していない、という真実をばらせないので、従うほか無かった。

 そこにシナモンが現れ、ルッドを信じるふりをして銃を渡す。ルッドはボールマン(ローラン)を撃ち殺してしまい、レイノール(ブリッグス)とシナモンは死体を運び出すと言って屋敷を逃げ出す。ルッドは残った幹部たちに、ボールマンなど最初からいなかったが、総統になりたいので自分の計画に従ってくれと頼むが全く聞き入れられない。最後、屋敷からルッドの悲鳴が聞こえ、IMFメンバーが車で逃げ出す場面で〆。


監督: リチャード・ベネディクト
脚本: マン・ルービン


感想

 評価は◎。

 IMFが暴力を使わず、巧みな計画によってターゲットの目的を阻止する、という、「これこそスパイ大作戦」というノリのエピソードで大満足だった。

 今回はブリッグスがローランの助けを借りて老人に変装して敵地に乗り込む、という異例の展開で、指令を受領するシーン以外は全部老けメイクというのが斬新だった。吹き替えはいつもの通り若山弦蔵氏だったが、当然老人の声も問題なく演じてくれていた。

 前半は、老けメイクのブリッグスが銃を片手にボールマンの部屋に乗り込んでみると、なんと相手は人形でビックリ! といった、割と行き当たりばったり展開だが、後半はローランがボールマンに変装してナチ幹部たちの前に現れる展開が実に面白かった。ルッドにしてみれば、ボールマンは自分が作り出した架空の人物なので居るわけがないのだが、旧ナチ幹部や屋敷の兵士たちの前でそのことを告白する訳にはいかないので、あいまいに「こいつは偽者だ」と言うほかは無い。と、当人にとっては悪夢的だが、視聴者にとっては愉快すぎる展開で、楽しくて楽しくて仕方なかった。

 最後はシナモンがさりげなくルッドに銃(当然弾は空砲だろう)を渡し、ボールマンを撃つように追い込んで、ルッドの信用を失わせ、計画をご破算にする、という話が巧みに進められる。ルッドはもうどうなろうと計画を進めることはできず、その間にIMFは悠々と逃げ去る、という、のちのシリーズで何度も見られたパターンがここに現れている。きっと今回のエピソードの展開が視聴者に大ウケだったので、それがのちのシーズンに活かされたのに違いない。

 ところで今回登場したマルチン・ボールマンという人物は、架空の存在ではなく、実在の人物である。「マルチン・ボルマン」の方が通りが良いが、最終的にヒトラーの個人秘書にまで上り詰めた挙句に色々やった人物で、1945年のベルリン陥落の混乱の中で行方不明となり、その後は今回のエピソードのように「南米に潜んでナチス再興を目論んでいる」とか都市伝説的に語られていた。しかし1970年代になって遺骨が発見され、結局1945年に自殺していた、という事で決着している。今回のエピソードは1967年放送という事で、まだその「都市伝説」が有効だったころの話ということになる。大戦終結から(たったの)22年後という事で、ナチスの残党云々という設定が、今よりはるかにリアリティが有ったのだろう、と思わされる。


参考:今回の指令の入手方法

 ブリックスが点検中の札がかかったエレベーターに入り、階のボタンを3つ押すと操作盤が開きテープレコーダーと資料が現れる。テープを再生して指令を確認すると、テープは最後に「このテープは10秒後に消滅する」といって白煙が立ち昇る。


参考:指令内容

 おはようブリッグス君。写真の老人は、ヘルベルト・レイノール博士といって、ヒトラー国家社会主義政党の熱烈な党員だった人物だ。そのため彼は戦後20年間ベルリン郊外の刑務所に入っていたが、近く刑期を終えて出獄の運びとなった。そして出獄と同時に、博士は匿名のスポンサーから送られた往復切符により、娘といっしょに南米のポルタウベラに飛ぶことになっている。情報によれば、ポルタウベラにはレイノール博士のほか数名の旧ナチの幹部たちが向かっており、その匿名のスポンサーは、彼らを一堂に集めて、再びナチの芽を世界に植えつけようとしているらしい。

 そこでブリッグス君。君の使命は、これらナチの亡霊どもの企みを未然に粉砕することにある。例によって、君または君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音テープはあと10秒で自動的に消滅する。成功を祈る。

他のエピソードのあらすじ・感想

perry-r.hatenablog.com

感想:アニメ「レガリア The Three Sacred Stars」第13話(最終回)「家族 / FAMILY」

【Amazon.co.jp限定】 TVアニメ『レガリア The Three Sacred Stars』ED主題歌「Patria」(通常盤) (L判ブロマイド(Minamiアーティスト写真)付)

TVアニメ「レガリア The Three Sacred Stars」公式サイト http://regalia-anime.com/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)。全13話。

【※以下ネタバレ】
 

第13話(最終回) 家族 / FAMILY (2016年11月24日(木)放送)

 

あらすじ

 レガリア・アレクトはヨハンのレガリア・オフルマズドに吹き飛ばされる。ユイとレナは今まで幻の様に現れていたレナそっくりの少女が、レガリアの力の根源・光の力「ルクス」の顕現だと気が付く。復活したアレクトはティシスとメガエラと合体し、エルニウスの力を完全に発揮する真の姿となる。合体したレガリアはヨハンのオフルマズドを破壊するが、何故かルクスはヨハンのもとに飛んでいき、二人で別世界に消えた。最後、ルクス・エクスマキナは崩壊し、レガリアが地上に帰還するところでおしまい。

脚本:小柳啓伍 / 絵コンテ:登坂 晋 鈴木勘太 佐野隆史 / 演出:登坂 晋 キャラクター作画監督西尾公伯 / メカニック作画監督:鈴木勘太


感想

 うん、最後までダメだった。一応「ラスボスを倒して世界は救われた」という体はとっていますが、細かいことを説明せずにただ強大な敵と戦って勝った、というシチュエーションしか無いので、何の感慨もない。

 ユイは「これからなんとかなるよ」とか明るくいっていましたが、不老不死の人間以外の存在になっちゃったのに、そんなに簡単に流していいのか。


総括

 軍事兵器ではない巨大ロボが活躍する(?)アニメ。放送前の特番で監督とシリーズ構成の人が「昔風の巨大ロボアニメを作る」(意訳)、と言っていたので期待したのですが、結論から言えば大外れでした……


 何処か別の世界。12年前、リムガルド王国で国民全員が一瞬に消え去るという怪事件「リムガルド・フォール」が発生した。そして現在。エナストリア皇国に謎の巨大ロボ「レガリア・ギア」が出現し、若き女皇ユインシエルは争いに巻き込まれていく……


 最初のうちは説明がないまま巨大ロボット同士が戦っているだけで、ロボのデザインは昭和の東映アニメ風でそれなりには懐かしかったのですが、背景の解説が無いのであまりのめりこめず。そして6話でようやく説明らしきものが行われるのですが、これが実に中途半端で、結局完全な解説はないまま、なんとなく「ヨハンという見た目子供がラスボスで倒すべき相手なのだな」と漠然とした了解のままラストまで突っ走ってそれで〆……

 いや、ダメじゃん!? レガリアって何? ルクス・エクスマキナって? ヨハンの正体は? ルクスちゃんは何故レナの周りをうろうろしていたの? 最後にルクスとヨハンはどこに消えたの? と、重要そうなことについてほとんど何の説明も無し。まあ多分、この世界には古代超文明があり、その種族が作った遺産がレガリアであり、その発展型がルクス・エクスマキナであり、その端末的な存在がヨハンである、等々という事だと思うのですが、そのあたりの説明を完全に放棄している…… 説明がないからストーリーが理解できず、理解できないから当然盛り上がるはずもなかった……

 このアニメは、7月スタートでしたが、4話まで放送したところで、スタッフがクオリティに納得できず、一旦中止して、9月から作り直しバージョンを放送した、という異例の放送を行った作品でした。しかし作り直してこの程度かい、としか言いようがありませんでしたな。


 女の子のデザインはかわいかったし、オープニング曲「Divine Spell」TRUE はそこそこよかったのですが、それだけだったなぁ。

www.youtube.com


12年前、リムガルド王国で起こった事件は大きな謎を残したまま、人々の記憶から忘れ去られようとしていた。時は流れ、主人公ユイとレナの二人姉妹はエナストリア皇国で平穏な日常をおくっていた。ある日、1体の巨大メカがエナストリアを襲う。この日を境に少女達は運命の渦へと巻き込まれていくのだった。



スタッフ情報
【原作】Delegation of Enastoria
【キャラクター原案】QP:flapper
【監督】登坂晋
【シリーズ構成】小柳啓伍
【キャラクターデザイン・総作画監督西尾公伯
【メカデザイン】鈴木勘太
【サブキャラクターデザイン】常盤健太郎
美術監督】片平真司
色彩設計】原田幸子
【撮影監督】田中恒嗣
【音響監督】岩浪美和
【音響効果】小山恭正
【録音調整】山口貴之
【音楽】高橋諒
【音楽制作】ランティス
【プロデュース】インフィニット
【アニメーション制作】アクタス



音楽
【OP】TRUE「Divine Spell」
【ED】Minami「Patria」



キャスト
ユイ:本渡楓
レナ:佐倉綾音
サラ:久保ユリカ
ティア:小倉唯
イングリッド瀬戸麻沙美
ケイ:東山奈央
レツ:金元寿子
ヨハン:緒方恵美
アオイ:浅倉杏美
ナル:井口裕香
マーガレット:勝生真沙子
マーシャル:家中宏
テオドア:宇垣秀成

きゃらスリーブコレクション マットシリーズ レガリア The Three Sacred Stars 「ユイ&レナ」 (MT285)
きゃらスリーブコレクション マットシリーズ レガリア The Three Sacred Stars 「サラ&ティア」 (MT286)
きゃらスリーブコレクション マットシリーズ レガリア The Three Sacred Stars 「イングリッド&ケイ」 (MT287)
きゃらスリーブコレクション マットシリーズ レガリア The Three Sacred Stars 「レガリア The Three Sacred Stars」 (MT288)

感想:アニメ「タイガーマスクW」第6話「アイドル×ヒール」

300ピース ジグソーパズル タイガーマスクW 二頭の虎(26x38cm)

テレビアニメ「タイガーマスクW 」公式サイト http://www.toei-anim.co.jp/tv/tigermask_w/

【※以下ネタバレ】
 

第6話 アイドル×(たい)ヒール

 

あらすじ

 タイガーマスク新日本プロレスのシリーズに帯同して沖縄にやってきた。またリングで歌を歌うため、二人組アイドルユニット「生ハムと焼うどん」も沖縄に来ていた。興行の途中に二人はリングに上がるが、観客のプロレス女子からは、プロレスに興味がないようなアイドルを上げるなと大ブーイングが発生し収拾がつかなくなる。そこに悪役レスラー「ゴリラージェットシン」が登場し二人に襲い掛かる。そこにさらにシンの対戦相手のタイガーマスクが登場し、シンを倒したため、「生ハムと焼うどん」の二人はタイガーありがとうとか感謝していいムードに。最後に春奈が完成したばかりのタイガーマスクグッズの見本を持って沖縄にやってくる。


脚本:浦沢義雄  演出(絵コンテ):勝間田具治  作画監督:井上栄作  美術:中林由貴


感想

 ……、なにこれ。実在アイドルユニットをアニメに出して本人たちにアフレコしてもらった、という、ただそれだけの回。見て損した。まあゴリラージェットシンなんていう昭和テイストあふれるレスラー(こんなの今居ないよ!)にはちょっと笑ったけど。

【テレビ番組】テレビ番組評価(2016年秋クール分)[11月末時点]

 最新のテレビ番組(アニメ、ドラマ、他)の評価です。

 「※」印はこのクール以前から継続放送している番組。無印は今季スタートの番組。
 

ランキング

 
◆すごく面白い(評価:◎)
(該当なし)



◆まずまず面白い(評価:〇)
アニメ「クラシカロイド
海外ドラマ「スパイ大作戦
海外ドラマ「X-ファイル 2016」(11/23~)
NHKフランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿」(2016年4月~ 月一放送)※



◆なんとなく見ている(だけ)(評価:△)
アニメ「うどんの国の金色毛鞠
アニメ「灼熱の卓球娘
アニメ「終末のイゼッタ
アニメ「タイガーマスクW
アニメ「ナゾトキネ
アニメ「舟を編む
アニメ「ブレイブウィッチーズ
アニメ「レガリア The Three Sacred Stars」※(終了 11/24)
アニメ「私がモテてどうすんだ
特撮「仮面ライダーエグゼイド」(2016年10月~)
特撮「動物戦隊ジュウオウジャー」(2016年2月~)※
NHKコズミックフロント NEXT」(2015年4月~)※
NHKグレーテルのかまど」※



◆視聴中止(評価:×)
アニメ「アイドルメモリーズ
アニメ「Occultic;Nine オカルティック・ナイン
アニメ「おくさまが生徒会長!+!
アニメ「ガーリッシュナンバー
アニメ「学園ハンサム
アニメ「3月のライオン
アニメ「SHOW BY ROCK!! #」
アニメ「ステラのまほう
アニメ「装神少女まとい
アニメ「タイムボカン24
アニメ「TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-
アニメ「ナンバカ
アニメ「バーナード嬢曰く。
アニメ「ブブキ・ブランキ 星の巨人」
アニメ「フリップフラッパーズ
アニメ「魔法少女育成計画
アニメ「ろんぐらいだぁす!


コメント

 今期のアニメで頑張っているのは「クラシカロイド」くらい。「タイガーマスクW」は、スタート当初はわりと面白いと思っていましたが、出オチというか、すごかったのは1・2話だけであとはひたすら品質が低下していくので「だまされた!」という感じ。「私がモテてどうすんだ」も、面白いときは面白いけど、はずれの時はすごい空振りぶりなので、ランクを下げました…… 「おくさまが生徒会長!+!」は、だんだん飽きてきて、もうどうでもよくなったので視聴中止。

 「X-ファイル 2016」が11月下旬からFOXでスタート。前ふりで期待したほど凄くはなくて、正直がっかりしたところもありますが、見れない訳でもない、というくらいには楽しんでいます。ちょうど見るものが少ない時期に始まって、助かった、みたいな。