感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第50話(シーズン2 第22話)「心霊現象で追いつめろ!」

スパイ大作戦 シーズン2<トク選BOX> [DVD]

スパイ大作戦BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 
シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ
perry-r.hatenablog.com
 

第50話 心霊現象で追いつめろ! The Killing (シーズン2・第22話)

 

あらすじ

殺人請負集団を組織する男の犯罪を立証するため、シナモン(バーバラ・ベイン)とローラン(マーティン・ランドー)が被害者の1人を幽霊として蘇らせる。


殺人請負人を組織するゴードンは、決して自らは手を汚さず、死体も処分させ証拠も残さないため、殺人を立件することも出来ない…。IMFは彼の犯罪を立証するため、シナモン(バーバラ・ベイン)とフェルプス(ピーター・グレイブス)が夫婦となり、ゴードンに夫殺しを持ちかける。断ったゴードンを殺害に巻き込むと、大勢の協力者の力を借り心霊現象を演出、ゴードンを追い込んでいく…。

※DVD版のタイトルは「スリラー作戦」。


【今回の指令】
 バート・ゴードンという男は、殺人請負組織のボスであり、金のためであればどんな相手でも殺害させている。しかしゴードンが直接手を下すわけではないので、司法がゴードンに手を出すことができないでいる。IMFはゴードンが殺人に関与していることを立証し、組織の活動を封じなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー
 ゲスト:名前なしの男性一名(送風機の操作担当)


【作戦の舞台】
 アメリカ国内


【作戦】
 IMFは、フェルプスとシナモンが夫婦、ローランがフェルプスの兄、という設定で、ゴードン宅の近所に引っ越し、パーティーにゴードンを招待する。その間に、バーニーとウィリーはゴードン宅に侵入し、様々な仕掛けを仕込む。

 フェルプスはゴードンの前で、アル中気味で夫婦仲が破たんしている夫の演技をする。食事の最中、食器が突然揺れだし、ローランはゴードンに、自分たちには幼いころに死んだ弟がいて、その霊が時々騒ぎを起こす、と説明する。フェルプスとローランが退席した後、シナモンはゴードンに対して、あなたの正体を知っているので、邪魔な夫を殺してくれと頼むが、ゴードンは邪険に突き放す。

 翌日、シナモンはゴードン宅に駆け込み、昨晩の様子を夫に見られていたと訴える。さらにそこにフェルプスが現れ、ゴードンに浮気の相手だと言って掴みかかるが、ゴードンの部下カーニーにナイフで刺される。実はフェルプスの服は防弾防刃で血のりが出る特別仕様だが、ゴードンたちはフェルプスが死んだと思い込む。カーニーは焼却炉にフェルプスの「死体」を放り込み火をつけるが、フェルプスは別の扉からすぐに脱出する。

 夜。シナモンが取り乱してゴードン宅に現れ、死んだはずの夫が戻ってきたという。さらにローランも現れ、この家に弟(フェルプス)がいるのを感じる、とダメ押しする。IMFチームは停電を起こしたり、送風機で嵐を演出したり、あらかじめ屋敷に仕込んでいた仕掛けでポルターガイストを演出したりして、ゴードンたちに心霊現象を信じ込ませる。さらにカーニーが一人になったところを襲って気絶させ、フェルプスの服を着せる。

 フェルプスは隠しマイクで、ゴードンに、自分を殺した人間に復讐してやる、と呼びかける。直後、ゴードンの前にフェルプスの服を着た男が見えたので、ゴードンはライフルで発砲する。しかししばらくすると、「フェルプス」の顔が溶け、その下からカーニーの顔が現れる。フェルプスは警察を呼び、自分たちは設備を持って車で撤収するシーンで〆。


監督: リー・H・カッツィン
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルター


感想

 評価は〇。

 IMFチームが心霊現象を演出してターゲットを追い詰めるという愉快系のエピソード。途中まではかなり退屈だったが、オチが面白かったので、評価としてはまずまずというところだった。


 本作の脚本担当のウッドフィールド&バルターのコンビは、過去にも「ニセの大地震」や「ニセの核戦争」でターゲットを騙す話を書いており、この手の突拍子もない系の作戦は十八番という感じだが、今回は途中まではあまり盛り上がらない。

 IMFチームが巨大送風機を家の近くに運び込み、強風を吹かせると同時に稲光を演出する発光装置と録音を組み合わせて大嵐が来ているように見せかけたり、家のあちこちに仕掛けた装置でポルターガイストや空中に浮かぶフェルプスの顔など恐怖現象を起こしてみせるなど、シチュエーションとしては面白いのだが、話は淡々としており、ストーリー自体の面白さにはつながっていない。そしてゴードンたちは、IMFチームが一生懸命起こしているオカルト現象に遭遇しても不審がるだけで、そのような状況が延々と続くだけなので、今一つ展開にのめり込めないままラス前まで行ってしまう。

 しかし、最後の最後、ゴードンが目の前に現れたフェルプスに向けてライフルを乱射すると、しばらくしてからその「フェルプス」の顔が溶けて、部下のカーニーの顔になってしまい、唖然とする。さらに、それを見計らってフェルプスが流れるように警察を呼び、次の瞬間いつものテーマソングが鳴り響きIMFが撤退を開始するとパトカーのサイレンが近づいてくる、という展開になった時点で、今回の作戦でのIMFの最終的な狙いが判明してつい笑ってしまった。

 つまり、IMFはゴードンの殺人の証拠が無いなら強引に殺人犯に仕立て上げてしまう、という方針だったわけで、IMFのやり口は結構えげつないが、ゴードンは殺人組織のボスだからこのくらいの事を仕掛けても特に後ろめたさは感じない結末であった。どうせ逮捕されれば、今回の一件はともかく、過去の殺人教唆などで余罪がいくらでも出て来るであろうから、IMFはそれを見越しての作戦だったのかもしれない。

 ところで、終盤にIMFチームが送風機を操作している場面で、全く見知らぬ男が一人現れて送風機の首振りを操作していた。あれはいったい誰だったのか、臨時の助っ人に応援に来てもらっていたのか、とか、ちょっと気になる場面ではあった。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが車で建物に乗り付け、建物そばのタバコの自動販売機にコインを入れ、「EMPTY(売り切れ)」と書いてあるボタンを押すと、取り出し口にタバコの箱サイズの黒い四角い箱が落ちてくる。その箱は小型のオープンリール式テープレコーダーで、さらにそれに写真入り封筒が貼り付けてある。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。最後「なおこの録音は直ちに処分すること」といい、フェルプスがそばのドラム缶にレコーダーを放り込むと、ドラム缶の中から白煙が立ち上る。(※第36話(シーズン2の第8話)「ニセ札製造マシン」のシーンの使いまわし)


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。最近強力に実施している対暗黒社会政策に関連してわかったことであるが、その男バート・ゴードンは、かつての殺人請負業とまったく同じ組織を持っている。ゴードンは、金のためとあれば何者であろうと正確無比にこれを抹殺し、犠牲者は常に行方不明ということになって、証拠も残らず死体も残らない。この殺人組織を操るのがゴードンであることは明瞭であるが、彼が直接手を下すわけではないので、我々はこれを押さえることができない。

 そこで君の使命だが、ゴードンが殺人者であることを立証し、殺しを封じることにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音は直ちに処分すること。成功を祈る。


シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ

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感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第44話(シーズン2 第16話)「女スパイを出し抜け!」

スパイ大作戦 シーズン2<トク選BOX> [DVD]

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スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
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【※以下ネタバレ】
 
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第44話 女スパイを出し抜け! The Spy (シーズン2・第16話)

 

あらすじ

敵側の女スパイの計画を阻止するため、IMFチームはNATOミサイル防衛配置図を盗み、偽の配置図を作成する。


NATOミサイル防衛配置図の1枚が敵側女スパイの手に渡った!幸いなことにその図面は1枚では役に立たず、2枚揃って初めて図面として役に立つのだが、もう1枚についてもその女スパイは国防省の大尉を抱き込み、盗み出す計画を進めているという。IMFチームは先んじてもう1枚の防衛配置図を盗み出し、この図面をエサに女スパイと接触、彼女にしっぽを出させる計画を進める。

※DVD版のタイトルは「第2の防衛配置図」。


【今回の指令】
 ヨーロッパのとある国で行われるNATOの会議のため、重要機密である「ミサイル防衛配置図」が二枚に分けられて送り出された。そして一枚はその国に無事に到着したが、もう一枚は敵国の女スパイ・フェリーシア・バーバラに奪われてしまった。配置図は二枚一組でなければ用をなさないので、フェリーシアはもう一枚を手に入れようと、その国の軍人チアノー大尉を買収した。IMFはフェリーシアの企みを阻止し、防衛配置図を守らねばならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 ヨーロッパのどこかの国


【作戦】
 IMFはフェリーシアたちが国防省に潜入して配置図を盗み出す日時まで突き止めており、その直前にフェルプスが兵士に変装して国防省ビルに入り込み、金庫を破って配置図の写真を撮影する。そして建物の外で待ち構えていたローランにフィルムを渡すのに成功するが、フェルプス自身はチアノー大尉たちに捕まってしまう。

 ローランは逃走時のアクシデントのふりをして、フェリーシアの車に押し入り、逃亡の手助けをさせる。フェリーシアはローランが国防省から配置図の半分を撮影してきたと察し、フィルムを買い取りたいと申し出る。その一方で部下たちにローランを殺させようとするが、ローランはことごとく切り抜け、フェリーシアに俺を甘く見るなと警告した後、取引場所としてある工場を指定する。

 一方、チアノー大尉は、本来はフェリーシアたちが国防省から配置図を盗み出すのをサポートするだけの役割だったが、フェルプスから配置図の写真を手に入れ、それをフェリーシアに売りつけることができれば大金が手に入ると皮算用する。そしてフェルプスを締め上げ、仲間(ローラン)がいる工場の場所を聞き出す。

 またシナモンは、アメリカの諜報員と名乗ってチアノー大尉の上司の大佐に接触し、配置図の手掛かりがあったと言って工場に案内する。そして大佐たちの目の前で、ローラン、チアノー、フェリーシアが勢ぞろいするが、フェリシアはチアノーを射殺し、直後フェリーシア自身は大佐に撃ち殺される。

 一件落着となり、一行は工場を立ち去るが、最後にローランがフェリーシアの死に顔を見て悲しげな表情を浮かべて〆。


監督: ポール・スタンレイ
脚本: バーニー・スレイター


感想

 評価は△。

 IMFチームが西側の軍事上の重要機密を守るというエピソードだが、ストーリー展開に必然性が感じられず、また痛快と思えるシーンも皆無で、辛い評価となってしまった。


 そもそも今回の一件は、声だけの上司が、敵のスパイの名前(フェリーシア・バーバラ)、チアノー大尉が買収されていること、いつ国防省が襲撃されるか、等々を事細かく把握しているのだから、IMFチームが活躍しなくても、その国の官憲に情報を伝えてやれば勝手に解決してくれるものと思われる。フェルプスたちがわざわざその国に赴いてミッションを行う必然性はほぼゼロとしか感じられない。

 そのことを無視するとしても、フェルプスがチアノーに尋問されるあたりが実にかったるいし、またローランとフェリーシアのやり取りも特に緊迫感も面白みも無く、要するにミッションそのものが退屈極まりなかった。今回のエピソードは正直外れとしか言いようがなかった。


 ちなみに、重要機密である「ミサイル防衛配置図」は、実にところ、おおざっぱなヨーロッパの地図の上に、無造作に何本かの線が引いてあるだけの代物でした。この「配置図」を見ていると、地理のテストで出題される「この山脈の名前を答えよ」といった問いが頭にちらついて仕方なかったです。こんな子供だましの代物を大の大人がまじめに奪い合うというシチュエーションにはちょっと笑ってしまいました。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスがビルの屋上にやってきて、壁にある金属製の扉に長さ20センチほどの金属棒を差し込んでひねると扉が開き、中にはオープンリール式テープレコーダーと大きめの封筒が入っている。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なおこの録音は自動的に消滅する」といい、テープから煙が吹き上がる。(※第31話(シーズン2の第3話)「地下室からの脱出」のシーンの使いまわし)


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。NATOのトップシークレット、ミサイル防衛配置図が二枚ではじめて完全なものになるように二つに分けられ、極秘のうちに二人の男によって近くNATOの会議が開かれるヨーロッパのある国へ送られた。ところがその一人が、フェリーシア・バーバラという敵側スパイの罠に落ち、途中で配置図を奪われてしまったのだ。一方、フェリーシア・バーバラは、もう一枚を手に入れるべく会議が開かれる国の国防省付将校チアノー大尉を抱き込んだ。

 そこで君の使命だが、第二の防衛配置図が敵側スパイ・バーバラの手に入らぬようにすることにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音は自動的に消滅する。成功を祈る。


シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ

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感想:アニメ「AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-」第12話「電マがバラバラじゃねーか!」


AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION- ヒロインB2タペストリー

AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-アキバズトリップ・ジ・アニメーション) 公式サイト http://akibastrip-anime.com/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)(全13話)

【※以下ネタバレ】
 

第12話 『TRIP12 電マがバラバラじゃねーか!』 (2017年3月22日(水)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 意識不明だったタモツはようやく目覚めるものの、バグリモノの力を失い、ただの人間に戻っていた。まとめによれば、ニセ者まとめに力を与えられたせいで、マイナス×マイナスで力が相殺し合ってしまったらしい。タモツはただの人間になっても戦うと息巻くが、まとめからはもう足手まといだと突き放される。さらに有紗も、恩義のあるアメリカ財界の大物から後継者になってくれと要請され、日本を離れることになり、電気マヨネーズは消滅してしまった。やる気をなくしたタモツは自宅に帰り、引きこもりになってしまう。

 一方、アキバの街は「アキバ禁止法」により、あらゆるオタク関連の商売・商品が禁止となり、メイド喫茶もフィギュアも同人誌も全てが一掃され、反対するものは取り締まられていた。

 寂れてしまったアキバで、まとめはニセ者こと妹のうらめと対決していた。それを知ったタモツはアキバに駆け付け、強引にまとめにキスしてバグリモノの力を取り戻し、うらめを倒した。さらに有紗も色々あった末にアメリカから速攻で日本に戻り、電気マヨネーズが復活した。


脚本/兵頭一歩  絵コンテ/博史池畠、北井嘉樹  演出/高橋正典  総作画監督佐々木貴宏 作画監督/野崎麗子


感想

 ラス前だからかちょっとシリアスな雰囲気になりまして、タモツとまとめのキスシーンとかわりと真面目な感じでドキドキしちゃいましたよ(笑)


 さ~て、アキバ禁止法を打ち出した大臣が討論会で「犯罪者が子供の頃アニメ・漫画・ゲームなどにふれた確率 99.9%」という資料を持ち出してきているのには笑ったなぁ。この手は

「犯罪者が犯行前一週間以内にコメを食べた確率 9割以上」
麻薬中毒者が子供の頃に牛乳を飲んだ確率 ほぼ100パーセント」

とかと一緒でほぼ意味が無いのですが、悪質な論じ手はそれを承知で持ち出してきますからねぇ。注意しなきゃね。


 今回、アキバ側の会議のメンバーでやたら顔が濃い「天川太陽」「月山星乃」というキャラがいましたが、こいつら誰かと思ったら、漫画「大東京トイボックス」のキャラらしいです。なんで唐突に出てきたのかは知らないけど。


一件落着ゴ用心【AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-盤】

感想:アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!2」第10話(最終回)「この素晴らしい仲間たちに祝福を!」


TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を! 2』オープニング・テーマ 「TOMORROW」【通常盤】

アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!2』公式サイト http://konosuba.com/
スニーカー文庫公式サイト http://sneakerbunko.jp/series/konosuba/
放送 BS11

【※以下ネタバレ】
 

第10話(最終回) この素晴らしい仲間たちに祝福を!

 

あらすじ

 カズマたちの宿には、女神アクアの名をかたる不届き者に制裁を加えようと、アクシズ教徒の集団が押し寄せてきた。そのためカズマたちは慌てて宿を逃げ出し、とりあえずアクアの主張に従い温泉の源泉へと向かった。すると、なんと本当に見知らぬ男が源泉を毒で汚染しているところに出くわす。

 実はその男「ハンス」は、魔王軍の幹部の「デッドリーポイズンスライム」で、アクアの想像通り、アクシズ教徒に打撃を与えるために温泉を汚染しに来ていたのだった。カズマは相手がスライムだと知り、雑魚モンスターだと侮って余裕綽々で見得を切るが、ダクネスたちから、この世界ではスライムは最凶クラスのモンスターだと聞かされ、慌てて詫びをいれて逃げ出す。

 ところが逃げ出した先には暴徒化したアクシズ教徒たちが待ち構えていたため、カズマは仕方なくハンスの元に引き返すことに。しかしハンスが非戦闘員の温泉管理人を殺したことを知ったウィズは激怒し、中立の立場を捨ててカズマたちに加勢する。それでもハンスは幹部だけにすさまじい戦闘力で暴れまわるが、カズマが死を覚悟で穴ぼこにハンスを引きずり込んだところに、めぐみんの爆裂魔法、ウィズの冷凍魔法、そしてとどめでアクアの「ゴッドブロー」が炸裂し、ついにハンスは爆散した。

 そして戦いは終わるが、アクアは感謝されるどころか、毒を浄化しようとして温泉をただのお湯にしてしまったため、疫病神として街を追われることになってしまった。そしてカズマたちは湯治の目的も果たせぬままアルカンレティアを後にして、懐かしいアクセルの町に帰ってきたところでおしまい。


脚本/上江洲誠  絵コンテ/金崎貴臣、斉藤哲人  演出/吉田俊司 総作画監督菊田幸一  美術監督/三宅昌和


感想

 ついにやってきた最終回は、魔王軍のガチ強い幹部相手に(覚悟も無いままいきなり)最終決戦という回でしたが、絵も話も盛り上がりまくりでサイコーでしたよ。


 今回の作画は文句なしに第二期最高のクオリティ。番組の顔であるオープニングアニメは、絵がヘロヘロで、見るたびに気分が落ち込んでいたのですが、そこで手を抜いて節約した(?)リソースを、傾斜配分で今回に注ぎ込んだらしく、すんごい手間暇かかっている感じでしたよ。特にアクアの必殺「ゴッドブロー」(笑)の炸裂シーンなんか、ここまで凝る必要あるのか? と思うくらいの密度で堪能させていただきました。

 また第二期はウィズにラス前まで出番・台詞が殆ど無く、「堀江由衣の無駄遣い」としか思えなかったのですが、最終回でウィズが魔王軍に怒りの反逆宣言をぶちかまして大活躍で、この回のためだけに堀江由衣を確保していたと言っても過言ではないようなお話でした。最後に堀江御大に出番があって良かった良かった。

 最後はいつも通りの流れで「(;´д`)トホホ~」となりましたが、面白く終わらせてくれたので文句なしでしたね。


総括

 評価は○。

 異世界に転生した主人公が、見た目だけは美少女だけど人格的にはアレな三人に囲まれて、一見ハーレム、実は苦労のしっぱなし、という、お気楽ご気楽コメディアニメ。今期は序盤はイマイチでしたが、終盤は結構笑わせていただきました。


 第一期のラストで、カズマは「機動要塞デストロイヤー」の脅威からアクセルの街を救い英雄扱いをされるものの、転送した要塞の動力源が領主の屋敷を直撃してしたことがわかり、一転国家転覆を目論む犯罪者として裁かれることになり……


 第一期は「酒の飲み過ぎでゲ●を吐きまくるヒロイン」とか「巨大カエルに食われまくるヒロインズ」とか「通行人のパンツをはぎ取る主人公」とか「サキュバス祭り」とか、とにかくあちこちで笑わせてもらったため、満を持して登場の第二期はめちゃくちゃ期待していたのですが……、

 しかし、さすがに9か月かけて心の中のハードルを上げすぎてしまったのか、第1話を見て「あれぇ……? こんなもんだっけ?」と期待との落差に愕然。2話以降も、話がイマイチ盛り上がらない上に作画も怪しく、心の中のボルテージは下がるばっかりになりました。

 しかし、まあ、折り返し点を過ぎた6話くらいでようやく話のクオリティは上向きになってきて、終盤の温泉の街アルカンレティアでは、「ア●ウェ●のパロディ」とか「信者から偽物呼ばわりされるアクア」とかで笑わせまくってもらった挙句、盛り上がりの大バトルも展開され、最終的には帳尻が有った、という感じでしたので、終わりよければすべて良しというところです。


 このアニメは雨宮天がアホ演技という新境地を開拓したという面でも見どころがあったし(清楚系ヒロインよりバカキャラの方がよほど似合っているとは思わなかったぞ(笑))、カズマのゲスいキャラクターとか、ダメヒロインズの活躍ぶりとか、いろいろ楽しくて、最終的には結構高い評価でした。あとは一期のサキュバスの時みたいにお色気話があれば文句無しだったんだけどなぁ~。


不慮の事故により異世界に転生した、ゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ! めざせ勇者!」という夢はイマイチかなわないものの、なんとかそれなりに、異世界での日々を送っていた。


転生特典として道連れにしてきた女神・アクア。一日一発しか魔法を撃てないアークウィザード・めぐみん。攻撃が当たらないクルセイダー・ダクネス。能力は高いのにとんでもなく残念な3人のパーティメンバーたちともなんとかそれなりに、クエストをこなしていた。


―――そんなある日。機動要塞デストロイヤーの脅威からアクセルの街を救ったカズマたちに、王都からやって来た使者は言い放った。


「冒険者、サトウカズマ。貴様には現在、国家転覆罪の容疑がかけられている!」
……平凡な冒険者・カズマが過ごす異世界ライフの明日はどっち!?



制作会社
スタジオディーン


スタッフ情報
【原作】暁なつめ
【原作イラスト】三嶋くろね(角川スニーカー文庫刊)
【監督】金崎貴臣
【シリーズ構成】上江洲誠
【キャラクターデザイン】菊田幸一
美術監督】三宅昌和
色彩設計吉田沙織
【撮影監督】米澤寿
【編集】木村佳史子
【音響監督】岩浪美和
【音響効果】小山恭正
【録音】山口貴之
【音響制作】HALF H・PSTUDIO
【音楽】甲田雅人
【音楽制作】日本コロムビア



音楽
【OP】Machico「TOMORROW」
【ED】アクア(CV:雨宮天)、めぐみん(CV:高橋李依)、ダクネス(CV:茅野愛衣)「お家に帰りたい」


キャスト
カズマ:福島潤
アクア:雨宮天
めぐみん高橋李依
ダクネス茅野愛衣
ルナ:原紗友里
荒くれ者:稲田徹
ウィズ:堀江由衣
ゆんゆん:豊崎愛生
クリス:諏訪彩花
ミツルギ:江口拓也
セナ:生天目仁美
バニル:西田雅一

TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を! 2』エンディング・テーマ 「おうちに帰りたい」

感想:アニメ「タイガーマスクW」第20話「地獄の門番」

300ピース ジグソーパズル タイガーマスクW 二頭の虎(26x38cm)

テレビアニメ「タイガーマスクW 」公式サイト http://www.toei-anim.co.jp/tv/tigermask_w/

【※以下ネタバレ】
 

第20話 地獄の門

 

あらすじ

 タクマ・ケビン組とオーディン・ビリーザキッドマン組の戦いの最中、レッドデスマスクが現れ、三つ巴の様相となったが、結局タクマとケビンの二人が勝ち残り、山頂のゲストハウス前で待ち構えていた「門番」と対峙する。

 門番の巨漢レスラー「ブラックアウト」は、実は兵器として開発中の人間型ロボットの試作品だった。ブラックアウトにはあらゆる攻撃が通用せず、二人は絶望的な状況に追い込まれる。しかし、息を吹き返してやってきたオーディンが、苦し紛れにブラックアウトの顔面に火炎攻撃を仕掛けたところ、ブラックアウトは暴走してゲストハウスになだれ込み、その隙にタクマたち三人は門を突破する。虎のマスクマン「ザ・サード」は、タクマ達が三人がかりでも倒せなかったブラックアウトをジャーマン一発で葬ってみせる。

 ヘル・イン・ザ・ホールを勝ち残った三人のうち、タクマとケビンはMSGでの試合へと向かい、オーディンは引退して(?)故郷へと帰っていった。


脚本:千葉克彦  演出(絵コンテ):角銅博之  作画監督:小泉昇  美術:杦浦正一郎/斉藤信二


感想

 オーディンの故郷の幼馴染(?)からの手紙って死亡フラグかと思ってたら、ホントに故郷に帰れちゃいましたよ。びっくりだね。

 「ブラックアウト」は、やはり外人レスラーのランス・アーチャーがモデルと思われます。アーチャーの決め技の名前がまさに「ブラックアウト」だし。

【映画】感想:映画「ユージュアル・サスペクツ」(1995年:アメリカ)

ユージュアル・サスペクツ [Blu-ray]

映画|NHK BSオンライン http://www.nhk.or.jp/bs/t_cinema/
放送 NHK BSプレミアム。2017年2月24日(金)。

【※以下ネタバレ】
 

カリフォルニア州のふ頭で大爆発が起こり、27人が死亡。9100万ドル分の麻薬が消えた。捜査官はこの事件でただ一人無傷で生き残ったヴァーバルを尋問する。ヴァーバルは、6週間前に銃器強盗事件の容疑者として集められた5人の男たちに起きた奇妙な出来事を語り始めた。「X-MEN」シリーズのB・シンガー監督の出世作となった傑作犯罪サスペンス。K・スペイシーがアカデミー助演男優賞を受賞したほか、脚本賞を受賞。

 

あらすじ

 カリフォルニアの埠頭で船が大爆発を起こし、20人以上が死に、積まれていた9100万ドル分のコカインが消え失せた。この事件で、ヴァーバル・キントという男だけが無事に生き延びていた。キントは何故か微罪で釈放されることになっていたが、捜査官クイヤンはキントを脅し、事件の真相を無理やり聞き出す。


 六週間前。キントを含む五人の男たちがある事件の容疑者として警察に拘束されるが、結局釈放される。その後、五人は元警官のキートンをリーダー格にグループを作り宝石強盗を始める。やがて五人に伝説的な犯罪者「カイザー・ソゼ」の代理人であるコバヤシが接触してきて、ある仕事を依頼する。コバヤシの持ってきた資料には五人の過去や恋人・親類縁者などの情報が細大漏らさず記されていて五人は震え上がる。実は五人が集まるきっかけを作ったのもソゼだと言う。

 ソゼは麻薬ビジネスで儲けていたが、競争相手であるアルゼンチンの組織との抗争が激化していた。そして、近々カリフォルニアに入港する船にライバル組織のコカインが積んであるので、それを始末するように命じてきたのだった。

 五人のうち一人は逃亡するがすぐに殺された。キートンはソゼの存在を信じず、ソゼ=コバヤシだと考え殺そうとするものの、恋人を人質に取られ、他の三人も身内に危害を加えると脅され、仕方なくソゼに従う羽目になる。

 襲撃直前になって、キートンは手足が不自由なキントには逃げるように言い、残りの三人で船を襲撃する。しかし船内にコカインは無く、混乱しているところに謎の男が現れ、三人とも撃ち殺される。さらにその男は船を爆破して立ち去った。


 現在。クイヤン捜査官はキートンこそカイザー・ソゼだと断定する。実は船内にいたのはソゼを裏切ろうとしていた腹心で、ソゼはその男の口をふさぐ必要があったのだった。キートン=ソゼは、何も知らない犯罪者たちを上手くだまして船を襲撃させた。キントが生き残っているのは、「キートンは死んだ」と証言させるために違いなかった。真相を知ったキントはショックを受けるものの、そのまま釈放される。

 その後、クイヤンはふとキントが話したキーワード(コバヤシ、グアテマラ、その他)が全て部屋の中の何かに書かれている文字だったことに気が付き、キントの話は全てウソだったと悟って慌てて追いかけるが見つけられない。爆発した船のもう一人の生き残りの証言をもとに作られたカイザー・ソゼの似顔絵こそキントその人だった。最後、手足が不自由なはずのキントがさっそうと歩きだし、出迎えの車に乗って立ち去っていくシーンで〆。


感想

 評価は◎。

 さえない詐欺師が途方もない犯罪に巻き込まれていく様を、過去と現在を交錯させながら描く映画で、実にテンポが良く、引き込まれるような面白さだった。

 しかも、最後に「キートン=ソゼ」説が提示され、そういうオチだったのか、驚いた! と思っていたら、さらにもう一回どんでん返しがあって、やられた!という感じでした。しかし、よく考えたら、船の中で何が起こったとかそんなことは外から眺めているキントにわかるわけが無かったので、オチについてのヒントは出ていたというべきなのかな。

 監督のブライアン・シンガーは、X-メンとかスーパーマンとか軽い(そして中身のない)映画ばっかり撮っている監督のようなイメージが強いのですが、こういう凄い映画も撮っていたんですね。驚いた。

ユージュアル・サスペクツ

BSプレミアム2月24日(金)午後1:00~2:47


【製作・監督】
ブライアン・シンガー
【製作】
マイケル・マクドネル
【脚本】
クリストファー・マッカリー
【撮影】
ニュートントーマス・シーゲル
【音楽】
ジョン・オットマン
【出演】
ガブリエル・バーンケビン・スペイシー、スティーブン・ボールドウィン ほか

製作国:
アメリカ
製作年:
1995
原題:
THE USUAL SUSPECTS
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ


ディーン・キートン ガブリエル・バーン
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ジェフ・ラビン巡査部長 ダン・ヘダヤ
レッドフット ピーター・グリーン
ハンガリー語の通訳 ケン・ダリー
カイザー・ソゼ スコット・B・モーガン

 
 

2017年視聴映画のあらすじ・感想の一覧はこち

2017年視聴映画あらすじ・感想一覧
 
 

【アニメ】今(2010年)明かされるアニメ「キャプテンフューチャー」の秘密の数々

コロムビア・サウンド・アーカイブス キャプテンフューチャー オリジナル・サウント・トラック-完全盤-

 3月20日からCSの東映チャンネルで懐かしのNHKアニメ「キャプテンフューチャー」の再放送が始まったため、気分が高揚してしまい、ついうっかりネットで「アニメ キャプテンフューチャー」などというキーワードで検索をかけたところ、驚くべきページを見つけてしまいました。


キャプテンフューチャーの成人祝い

 キャプテンフューチャーことカーティス・ニュートンは、原作では1990年生まれ。ということで、今から7年前の2010年に、日本の有志がカーティスの成人をお祝いして「キャプテンフューチャーコン2010」というイベントを開いていたのです。

キャプテンフューチャーコン2010/星涯(ほしのはて)の会2010
http://www.space-force.org/INDEX2.HTM


今年2010年は成人となったカーティス・ニュートンキャプテンフューチャーを名乗り、生きている脳サイモン・ライト、ロボットのグラッグ、アンドロイドのオットーという仲間とともにフューチャーメンとして宇宙の平和を守るために活動を開始する年なのです。そこで宇宙軍では、カーティス・ニュートンの成人を祝い、フューチャーメンの活動を応援するために、関係者によるトークショー、展示、上映等による「キャプテンフューチャーコン2010」を、2010年12月に開催致します。


■企画・出演予定者(敬称略・12.9現在)
「C.F.のアニメーション」辻真先(脚本)・田宮武(企画)・池田憲章・他
「イラストで語るC.F.」水野良太郎鶴田謙二・イトウ☆タケヒコ・他
「C.F.の歴史」森優・小浜徹也・伊藤民雄・木下信一・他

 キャプテンフューチャーのアニメ版の関係者、早川版のイラスト担当水野良太郎氏、創元版のイラスト担当鶴田謙二氏、等が一堂に会した凄いイベントだった模様です。くぉぉ、知っていれば駆け付けたのにぃぃぃ。



イベントの様子

 そのイベント内容を詳細に期してくださっているのがこちらのページ。

キャプテン・フューチャー コン2010 Captain Future Convention【 追記2016.9/26 】』 [新宿]のブログ・旅行記 by captainfutureさん
http://4travel.jp/travelogue/10531074

4travel.jp


 今後このページが消えてしまうことを恐れ、以下、引用多めで行きます。ご了承ください。


 まずアニメ版の裏話。

第一部「アニメにおけるキャプテンフューチャー

右席は、メインシナリオライターだった辻真先氏と番組企画者(当時の東映動画のプロデューサー)だった田宮武氏で、当時の面白い裏話なども披露してくれた。


・海外、特にドイツ、フランスでは今でも非常に人気があり、今でも凝ったHPを作る人がいる。ドイツからはヘビーマニアから4、5年前、大量の質問状があり、それに答えたところ、その人がCFをイメージしてシンセサイザーで作曲したという曲を送ってくれた(この後、その曲が会場で披露された)。


・平均視聴率8%、最高12%、最低3.9%で、裏番組には人気番組も多い中、なかなか健闘した数字だった。


・NHKからは戦前の科学で書かれたスペースオペラなのに、現代の科学で検証しながら作れとの方針があり、辛かった。そうするとシナリオがどんどん面白くなくなってしまった。5、6話それで書いたら、さすがに元に戻しましょうとの話があり、分かってくれたようだった。


・キャラクターの色指定について:民放番組だと玩具会社とタイアップして後日キャラクターグッズを売り出すため、予め色指定がされているが、NHKなのでその恐れもなく、本来の色指定が出来た。


・CFの髪型は原作の「赤い縮れ毛」だとイメージが沸かないのでロバート・レッドフォードをイメージした。服も平面だと飽きがくるので、立体的になるようにした。グラッグは線が多すぎると、後でアニメーターには大変だったらしい。サイモン・ライトははっきりしたキャラなので一番書き易かった。ジョオン・ランドールは唯一の女性キャラだったので小説より出番を多くし、実際に人気もあった。


・4話で一回の話しが終わるパターンなので、他のアニメのように同じ設定を使い回すことができず大変だった。


・小説の面白さがあったので現場の人も色々なアレンジが出来た。
・例えば小説の「宇宙帝王」等のイメージは思いつけないので、皆手探りでイメージを掴むのに苦労した。


・主題歌について:当時のSFは勇ましい歌が主流だったが、絶対にあり得ない形でやりたいと思い、音楽はルパン三世の大野雄二氏、作詞は山川啓介氏に、SFを意識しないで作って欲しいと頼んだ。


・オープニングは最初はタケカワユキヒデ氏を予定していたが、先方事務所の契約不備がありヒデ夕樹(ひでゆうき)氏(日立の「この木なんの木気になる木」の人)に頼んだ。
ワンクール後にようやくタケカワ氏でできるようになり、タケカワ氏に戻したらファンから抗議の手紙が殺到し、田宮氏は全員にこういう事情があったと手紙を書いた。

 
 そして小説版のイラストについて。
 

第二部「イラストで語るキャプテンフューチャー
ハヤカワ文庫で刊行(1966年~)されたCFの表紙・口絵・挿絵のイラストを描いた水野良太郎氏(写真中央)、創元SF文庫版(2004年~)のイラストを描いた鶴田謙二氏(写真左)、ハヤカワ文庫当時の担当者森優氏(写真右)、創元SF文庫版の担当者小浜徹也氏(写真なし)を交えたトーク


・(水野氏)グラッグの絵は当時TVでやっていた「てなもんや三度笠」の影響もあった。

・CFへの想い
 ・(水野氏)僕の人生はCFと共にあった。我が青春そのもの。今回の記念本の表紙を描いた。
 ・(鶴田氏)自分もCFの大ファンでとても遣り甲斐があったが、自分の頭の中のファンの部分が自分の絵を拒否しているという状態で、読む人もきっとそうなんだろうなと考えながら描いたので、非常にツライ仕事でもあった。



・(水野氏)ハヤカワでやったいきさつ:当時は漫画ブームで様々なものを描いていたが、アメコメ風のものを日本に紹介し定着させたいと思っていて、この話しが来た時、とても嬉しかった。
全然つまらない場面がイラストを描くよう指定されていて、がっかりした経験もあった。CFは宇宙活劇で他にいくらでも面白い場面は沢山あるのに。
しかも原稿料は高くなく、あまりやる気は無くなってきていたところ、結構シリーズが売れているとのことだった。しかしアメコミ風のイラストをこのCFで続けさせてもらっていることはとても勉強になり、有り難いと思っていた。
今日のこの会の盛況を見て、やはりこの仕事をして本当に良かったと思う。

 
 最後は翻訳について。
 

第三部「キャプテンフューチャーの歴史と野田さんが果たした役割」


・(木下氏)原文タイトルをそのまま訳しただけでは、なかなか日本ではこの本を手に取る人はいなかったろう。野田節によるタイトル訳は秀でており、日本でCFを広めた功績は大きい。


・(木下氏)サイモンがカーティスを呼ぶ際の「lad」は野田節では悩み悩んで「坊や」「君」と訳しているが、本来は「若い衆」位の意味合いなので、もしサイモンが関西弁を話したら「ぼん」と呼ぶだろう。(←歓声とともに会場が沸いた。)


・(木下氏)オットーがCFを呼ぶ際の原文「chief」は、感覚としては時代劇の鬼平犯科帳の「お頭(おかしら)」に近い。

 
 

最後に

 うぉぉぉぉ、ホントこのイベントについて知っていれば行きたかったよなぁ。こうして臨場感あふれるレポートを残しておいてくださっている筆者氏に大感謝です。


恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! <キャプテン・フューチャー全集1> (創元SF文庫)

感想:アニメ「幼女戦記」第10話「前進準備」


幼女戦記 (1) Deus lo vult

TVアニメ「幼女戦記」公式サイト http://youjo-senki.jp/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)。全12話+総集編1話。

【※以下ネタバレ】
 

第10話 『第拾話 前進準備』 (2017年3月17日(金)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 ターニャたち魔導大隊は敵戦線の後方に潜入すると、ライン方面司令部と弾薬庫を破壊して無事脱出した。それを知った帝国軍上層部は、ライン戦線で密かに準備していた大攻勢を開始する。それは戦線右翼を後退させて共和国軍を引き込んでおき、一方左翼の部隊が戦線を大突破して、共和国軍の背後から奇襲をかけて包囲殲滅するという物だった。

 帝国の作戦は完璧に成功し、共和国軍は壊滅的な打撃を受ける。ターニャの部隊は帰還の途に就いていたが、そこにアンソン大佐率いる王国の魔導部隊が襲撃してきた。


脚本:猪原健太 絵コンテ:上村泰 / 谷口宏美 演出:小野田雄亮 作画監督:後藤圭佑 / 重原克也 / 林あすか

感想

 「帝国軍の片翼は国境近くで敵を食い止めておいて、反対の翼がぐるっと回転してきて敵を後ろから攻撃して、挟み撃ち」って……、それ、シュリーフェン・プランやんけ。ちょっと笑った。そしてもう帝国には三号戦車っぽいものが配備されているのね。まあ超音速弾道弾を開発できるくらいだから戦車くらいあって当然か。


幼女戦記 2 Plus Ultra<幼女戦記>