感想:アニメ「エロマンガ先生」第6話「和泉マサムネと一千万部の宿敵」


『エロマンガ先生』クリアファイル

エロマンガ先生 | アニメ公式サイト http://eromanga-sensei.com/
放送 BS11

【※以下ネタバレ】
 

第6話 和泉マサムネと一千万部の宿敵 (2017年5月13日(土)深夜放送)

 

あらすじ

 智恵は愛するラノベを「キモオタ小説」呼ばわりしためぐみに仕返しをするため、あえて面白いライトノベルを選りすぐってめぐみに買わせるが、それらは全て「話が良い所で終わっていて、なおかつ続きが出ていない作品」ばかりだった。智恵の思惑通り、めぐみは面白い作品の続刊が読めない禁断症状でのたうち回ることに。

 とは言え、すっかりめぐみがラノベ好きになったため、政宗はめぐみを紗霧に会わせようとするが、紗霧は当然渋い顔をする。紗霧はめぐみと対面する条件として、目隠し+両手縛り状態にさせてしまう。そして紗霧は部屋に引っ張り込んだめぐみを、待望の「胸が大きい女の子」イラストのモデルとして、エロい目線で散々観察しまくる。

 と、色々有ったものの、ようやく小説の企画書が完成したため、政宗は担当編集の神楽坂に企画を提出する。ところが、企画自体にはOKが出たものの、出版枠は売れっ子作家「千寿ムラマサ」に取られてしまい、政宗の本が出せるのは早くて一年後だった。千寿ムラマサは政宗と同じような学生作家で、作風も似ていたが、向こうは累計発行部数が一千万部超えの、政宗など比較にならないほどの売れっ子だった。

 政宗は思い余って他社に企画を持ち込もうとするが、その前に神楽坂と話し合うことになり、何故か付いてきた山田エルフと、あとビルの表で出会った持ち込み志望らしい女の子と共に神楽坂に会う。神楽坂は「ラノベ天下一武闘会」という五人の作家による競作コンペ企画を提示し、これで一番になれば本を年内出版できると説明する。早速政宗はエントリーするが、一緒についてきた女の子が、いきなり政宗に敵意丸出しで、やはりエントリーすると言い出す。その女の子こそ千寿ムラマサだった。

感想

 めぐみって紗霧的には「胸が大きい子」枠に入っているんだ……、アニメの絵で見る限り「紗霧やエルフとどれだけ違うのか」って感想しかわかないけど。そして紗霧もエルフもめぐみもムラマサもみんな中学生だったのか……、幼女ばっかりやんけ。全員つい1~2年前までランドセルをしょっていたのか……

 政宗がめぐみに「マリみて」の特定の巻だけ抜いて貸そうとか言い出して、紗霧が非難するシーンがあったけど、あれ何ぞ。


ヒトリゴト(期間生産限定盤)
エロマンガ先生 和泉紗霧 A クリアポスター
エロマンガ先生 和泉紗霧 B クリアポスター
『エロマンガ先生』クリアファイル[2]

【コミック】「カメントツの漫画ならず道」さいとう・たかを先生インタビューが面白い(ゲッサン2017年6月号)

ゲッサン 2017年 06 月号 [雑誌]

ゲッサンWEB http://gekkansunday.net/
発売日:2017年5月12日(毎月12日発売)

 
 5月12日発売の小学館の漫画雑誌「ゲッサン2017年6月号」での、連載「カメントツの漫画ならず道」がめっちゃ面白くて、今月の一等賞でしたよ。
 

カメントツの漫画ならず道 | ゲッサンWEB
http://gekkansunday.net/series/kamentotu
WEB系仮面系ルポ漫画家カメントツが紙媒体に殴り込み!!
何が出来るかな?どこまでできるかな?
漫画界にすり切りいっぱい攻め込んじゃう噂のルポ漫画ニューウェーブ(?)!

 このマンガは「カメントツ」という漫画家が、有名漫画家にインタビューしたりとかをするルポ漫画で、今までにもあだち充とかコナンの青山剛昌とかに「おいおい、この大物にそんなこと聞くかぁ?」みたいな質問をぶつけてきたのですが、今回インタビューしたのは、漫画業界のレジェンドさいとう・たかを先生(81歳)。


 伝説の人を前にして、テンパってしまったのか、いきなり「仕事して楽しいですか?」とか凄い事を聞いているのですが(笑)、さいとう先生の色々の答えが面白い。


・描いていてつまらない漫画は「ゴルゴ13」。何故か代表作扱いされているけど。ゴルゴ13は青年誌を分析して当たるように計算して作っているからヒットするのは当然ではある。もう年なのでコンピューターが出て来るような話は辛い。


・SFは好き。1960年前半に宇宙SFを描いていた。しかし、宇宙をロケットが飛んでいるシーンでもリアルに徹すると「空気が無いから轟音とかは聞こえない」など、ちっとも早そうに見えない、とかがあり悩んだ。←※これ、1960年代の、人類月着陸より前の話です。


・(カメントツ:バロムワンが好きでした) 自分も思い入れがある。変身ヒーローものとして石ノ森より先だった。二人の少年が友情で一人に変身という内容は今でも通じると思う。新作が描きたくなってきた。


・若いころは連続60時間働き、4時間寝た後、また40時間働く、とかやっていた。今(81歳)は一日8時間寝ないとキツイ。


 とか、さすが伝説の人、みたいな話がバンバン出てきて面白かった~。

  
カメントツの漫画ならず道(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
 
 

【映画】感想:映画「隠し砦の三悪人」(1958年(昭和33年))

隠し砦の三悪人 [Blu-ray]

映画|NHK BSオンライン http://www.nhk.or.jp/bs/t_cinema/
放送 NHK BSプレミアム。2017年3月23日(木)

【※以下ネタバレ】
 

戦国時代、秋月家の武将・六郎太は、生き残った世継ぎの雪姫と共に隠し砦(とりで)にこもる。六郎太たちは、一獲千金をもくろみ、戦に参戦した農民の太平と又七に軍資金の黄金を背負わせ、敵陣を突破して友好国へ逃げ込もうとするが…。次々にふりかかる絶体絶命の危機を切り抜けていく大脱出劇。「スター・ウォーズ」のジョージ・ルーカス監督はじめ、多くの映画作家に影響を与えた、黒澤明監督の傑作娯楽時代劇。

 

あらすじ

 戦国時代。農民の太平と又七は、戦で手柄を立てようと村を出て来るが、戦場についた時には既に戦いは終わっており、しかも敗残兵と間違われて追い立てられるなど散々な目に会う。戦いに勝った山名家は、敗れた秋月家の姫・雪姫の行方と、財宝の金200貫を探していた。

 太平と又七は故郷の村がある隣国・早川家の領地に帰ろうとするが、国境(くにざかい)は山名の兵によって厳重に封鎖されており、どうにもならない。困り果てている二人の前に、真壁六郎太(まかべ・ろくろうた)と名乗る男が現れ、秋月家の金200貫を見つけたので、三人で隣国の早川領に持ち出そうと持ち掛けてくる。太平と又七は「真壁六郎太」とは秋月家の侍大将の名前だと知っており、からかわれていると憤慨するものの、六郎太と共に山中にある秋月家の隠し砦にやって来る。

 実は六郎太は本当に秋月家の侍大将であり、落城を落ちのびた雪姫や重臣たちと山中に潜んでいたのだった。そして同盟国である早川の国まで雪姫を送り届けようとしており、その際に太平と又七を利用してお家再興のための金200貫を運ばせようと考えていた。

 六郎太は、太平と又七の言葉をヒントに、直接秋月領から早川領を目指すのではなく、一旦敵国である山名領へ入り、敵中を突破して早川領へと出る、という奇策を思いつく。そして太平と又七には雪姫の正体を伏せて旅を始める。途中、六郎太は山名家の侍大将で好敵手である田所兵衛(たどころ・ひょうえ)と槍で一騎打ちを演じ勝利するが、兵衛を殺さずに立ち去る。

 以後も一行は様々な苦労をしながら旅を続けるが、ついに山名の兵に包囲され、太平と又七は命からがら逃げだすものの、六郎太と雪姫は捕らえられ、金も奪われてしまった。捕まった六郎太の前に田所兵衛が現れ、六郎太との一騎打ちで敗れたのに六郎太が自分を殺さなかったために、主から侮辱されたと恨み言を言う。しかし雪姫は人からの情けを生かすも殺すも自分次第だと言い放ち、また姫として潔く死にたいと口にする。

 翌日、雪姫の言葉に心を動かされていた田所兵衛は、金を積んだ馬を逃がし、さらに処刑場に送られようとする六郎太と雪姫を解放して、共に逃亡する。金を積んだ馬は、丁度太平と又七がいる前に現れ、二人は金を盗もうとするが、そこに駆け付けた早川の兵たちに捕まって投獄される。

 太平と又七は処刑を覚悟していたが、引き出された二人の前に、正装の雪姫・六郎太と兵衛が現れた。雪姫と六郎太は自分たちの正体を明かし、六郎太は金200貫は秋月家再興の資金で自由に使えないと謝ったうえで、二人に褒美として大判一枚を渡す。最後、太平と又七が互いに大判を譲りながら早川の城から出てくるシーンで〆。


感想

 評価は○。

 これは面白かった。50年以上前の映画だとか白黒だとかのハンデがあるのに、それでも見入ってしまう内容でした。波乱万丈な展開が楽しかったし、また序盤で金掘りに駆り出された男たちが暴動を起こす辺りなんかすごい迫力で、最初から飛ばすなぁとびっくりしましたね。

 途中の展開も、奇策での関所突破とか、敵に捕まってしまってこれからどうなる!?とか、ハラハラドキドキの連続で退屈しなかったです。まあ、六郎太と兵衛の槍の対決シーンだけは、ちょっと長すぎるんじゃね? とは思いましたけど。また、太平と又七が何かというとすぐ裏切ろうとしたり、仲よくしようと言った次の瞬間に喧嘩を始めたりとかの、どうしようもないキャラぶりが良いアクセントになってました。

 三船敏郎は歳を取った後の映画しか見たことが無かったので、老人のイメージしか無かったのですが、若いころ(ってこの映画の時点でもう30代後半ですが)はカッコよかったのね。そらスターになるわと思いました。あと、田所兵衛役の俳優が「藤田進」とあってええっと思ったのですが、あの東宝の特撮映画とかウルトラシリーズとかで偉い人をよく演じていたあの藤田進その人だったのですね。初めて知った。


 という事で1950年代の映画なのに2017年時点でも通用してしまう凄い映画でした。黒澤明って、実はスゴイ監督だったのじゃなかろうか、という気がしてきた。

隠し砦の三悪人」 BSプレミアム3月23日(木)午後2:55~5:15


【製作】
藤本真澄
【製作・監督・脚本】
黒澤明
【脚本】
菊島隆三小国英雄橋本忍
【撮影】
山崎市雄
【音楽】
佐藤勝
【出演】
三船敏郎千秋実藤原釜足、藤田進、志村喬上原美佐 ほか



製作国:
日本
製作年:
1958
備考:
白黒/レターボックス・サイズ

 
 
 

2017年視聴映画のあらすじ・感想の一覧はこち

2017年視聴映画あらすじ・感想一覧
 
 
 

感想:アニメ「タイガーマスクW」第27話「死闘!キングタイガー戦」

テレビ朝日系アニメ「タイガーマスクW」オリジナルサウンドトラック

テレビアニメ「タイガーマスクW」公式サイト http://www.toei-anim.co.jp/tv/tigermask_w/

【※以下ネタバレ】
 

第27話 死闘!キングタイガー戦

 

あらすじ

 新日マットでは、ミラクル1&2のタッグ「ミラクルズ」が反則暴走試合を繰り返し、新日勢をいら立たせていた。しかし、ミラクルズとの抗争がウケて観客動員は絶好調のため、ミラクルズを使わないわけにはいかない状況だった。さらに、シリーズ最終戦の興行は15時開催だったが、GWMは同日12時からの興行をぶつけてきて、興行戦争が勃発していた。新日は最終戦でオカダとミラクルズのタッグ対決をメインに決定した。実はミラクル2の中身はケビン・アンダーソンだった。

 GWMの興行のメインは、タイガーマスク総合格闘家「キングタイガー」の異種格闘技戦がマッチメイクされていた。タイガーマスクはキングタイガーの強烈な打撃に苦しめられるものの、プロレス技でKO勝利を飾る。試合後、ミスXはタイガーマスクに、ザ・サードとのタイトルマッチのための契約書を差し出してくる。

 新日本の興行では、メインのオカダ・YOSHI-HASHI組対ミラクルズの対決は、場外乱闘からの無効試合に終わってしまった。ミラクル1はミラクルズの新メンバーを呼び込むが、一人は同じコスチュームの「ミラクル3」、もう一人はなんとタイガーマスクだった。ミラクル1は新日とミラクルズの全面戦争をぶち上げた。


脚本:米村正二  演出(絵コンテ):畑野森生  作画監督:大西陽一/香川久  美術:中林由貴


感想

 最終戦のメインが「場外乱闘による無効試合」って……、おいおい、ブシロード新日だったら絶対有りえない結末だし、昭和新日だったら観客が怒って日本武道館に火をつけてるぞ(笑) 比喩とかじゃなくマジで(笑)

 今回のタイガーの相手のキングタイガーですが、総合格闘家なのに上半身がワンショルダータイツ……、先代「タイガーマスク」に出ていたキングタイガーと同じ格好というのに苦笑い状態です。


 それにしても、今後の展開が見えない……、このクールで終わりのはずなのに、今更ヒールターンしてマシン軍もどきのミラクル軍団の一員になってどーすんのよ、タイガー。また拳太郎に怒られそう。


300ピース ジグソーパズル タイガーマスクW 二頭の虎(26x38cm)
 
 

感想:アニメ「武装少女マキャヴェリズム」第6話「ある「スキャンダル」の覚え書き」

TVアニメ『武装少女マキャヴェリズム』エンディング・テーマ「DECIDE」

TVアニメ「武装少女マキャヴェリズム」公式サイト http://machiavellism-anime.jp/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)。

【※以下ネタバレ】
 

第6話 『第六節  ある「スキャンダル」の覚え書き』 (2017年5月10日(水)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 ワラビンピック以降、納村は「熊を倒した男」として、全校の女子生徒から熱い視線を送られるようになっていた。納村の空前のモテっぷりに、納村の事を意識する輪とメアリとしては面白くなく、つい納村に厳しく当たることに。

 そんなある朝、輪とメアリはいつものように登校前の納村の身体検査を行うが、納村の服から一枚の写真を見つけてしまう。それは、納村と眠目(たまば)さとりが裸で抱き合っている衝撃シーンを撮影したものだった。身に覚えのない納村は必死で弁解するが、聞く耳を持たない二人に追い回される。

 納村は花酒蕨から、これは眠目さとりの計略で、納村と輪・メアリの仲を引き裂くつもりだろうと指摘される。納村は、モザイクのかかっていないオリジナル画像なら、自分がさとりとXXXしていないことが証明できるはずと、さとりの持っているはずのデータを求め女子寮に潜入することにした。

 そして、わざと輪とメアリに捕まって女子寮に連行されたあと、蕨の助けを得てさとりの部屋に忍び込むものの、肝心のデータが見つからない。ならばと脱衣所で入浴中のさとりの服を物色するものの、やはり成果が無かったうえに、さとりの腹心「ミソギ」に見つかってしまう。さらにそこに風呂を出たさとりまで参戦してきた。

脚本 : ガクカワサキ 絵コンテ : 島津裕行 演出 : 小柴純弥

感想

 納村のモテっぷりに嫉妬して頬っぺた膨らませている輪とメアリがかわいいぞ。輪が食事しながら「あいつはまるでダメだな!」とか愚痴るシーンなんか、いじらしすぎて抱きしめたくなります。
 
 
TVアニメ『武装少女マキャヴェリズム』オープニング・テーマ 「Shocking Blue」【通常盤】
武装少女マキャヴェリズム B2タペストリーA
【電子版】武装少女マキャヴェリズム(1)<武装少女マキャヴェリズム> (角川コミックス・エース)
 
 

感想:科学番組「コズミックフロント☆NEXT」『旧ソ連・幻の宇宙船“ブラン” もうひとつのスペースシャトル計画』

NHK-DVD「コズミック フロント」DVD-BOX(DVD5枚+特典CD付)

コズミックフロント☆NEXT http://www4.nhk.or.jp/cosmic/
放送 NHK BSプレミアム(毎週木曜 22:00~23:00)。

【※以下ネタバレ】
 

旧ソ連・幻の宇宙船“ブラン” もうひとつのスペースシャトル計画 (2017年5月11日(木)放送)

 

今回の内容

http://www4.nhk.or.jp/cosmic/x/2017-05-11/10/2290/2120185/
旧ソ連幻の宇宙船ブラン スペースシャトル計画


約30年前の1988年に旧ソ連が一度だけ打ち上げた幻の宇宙船“ブラン”があった。東西冷戦の最中、アメリカに対抗して作られたもう一つのスペースシャトルだ。開発の指揮をとったのは、知られざる天才技術者ヴァレンティン・グルシュコ。彼はブランを宇宙に運ぶため史上最強のエンジンを開発するなど手腕を発揮するが、時代の波に翻弄される。幻の巨大宇宙船に託された秘密と開発の舞台裏に当時の貴重な映像で迫る。


【語り】永作博美,望月啓太,【声】宗矢樹頼植竹香菜,糸博,樫井笙人河本邦弘,酒巻光宏,徳石勝大

ソ連スペースシャトル「ブラン」

 かつてソ連はアメリカのスペースシャトルにそっくりの宇宙船「ブラン」を開発していた。しかしブランは一回しか宇宙を飛ぶことはなかった。何故だったのか。



●ブラン開発の経緯

 アメリカは1970年代に、20トンもの荷物を載せて宇宙へ飛ぶスペースシャトルを開発し始めた。当時のソ連は、スペースシャトルの飛行目的は宇宙空間に核兵器を運ぶことで、シャトルからソ連を攻撃するのではないかと疑い、それに対抗するため、1976年から、自国版スペースシャトル「ブラン」の開発を始めたのだった。



●難航する開発

 ブランは事実上スペースシャトルのコピーとして開発された。しかし、宇宙船のデザインは真似できても、様々な部分で苦労を強いられた。例えば、シャトルで使われている大気圏突入時の熱を遮る断熱材がソ連には無いので、それを一から開発する羽目になったり、ブランを輸送する巨大輸送機が無いのでそれも合わせて開発することになったり、と苦労の連続だった。

 そしてようやくブランは完成した。ただし全てがスペースシャトルのコビーではなく、スペースシャトルが機体にエンジンを搭載しており、巨大燃料タンクとセットで打ち上げる形式だったのに対し、ブランはエンジンを持たず、巨大ロケット「エネルギア」に搭載されて打ち上げる、一種のグライダーだった。この方式だと、エネルギアはブラン打ち上げ以外にも使用することができるので、優れたアイデアだった。



●天才技術者グルシュコ

 エネルキアを開発したのはロケット技術者ヴァレンティン・グルシュコだった。グルシュコは、ソ連の宇宙開発のリーダーだったセルゲイ・コロリョフの同僚で、コロリョフが存命の頃は、コロリョフがロケット打ち上げ計画全体を仕切り、グルシュコがロケットを開発する、という立場だった。

 グルシュコは少年時代から宇宙旅行に興味を持ち、あのツィオルコフスキーと熱心に文通したほどだった。やがて成長したグルシュコは黎明期からロケット開発に携わり、あのスプートニクガガーリンのボストークもグルシュコが開発したロケットで打ち上げられたのだった。

 しかし、やがてグルシュコはコロリョフと月ロケット打ち上げの事で意見が対立し、袂を分かった。そしてコロリョフが進める計画とは別に、独自の月ロケット計画を推進しようとしたりした(ただし途中で挫折)。

 コロリョフの死後、ソ連の宇宙開発のトップとなったグルシュコは、ブラン開発計画のリーダーとして史上最強のロケット・エネルギアの開発に成功した。



●冷戦の終わり

 そしてエネルギアは、1987年に、まず第一回目の打ち上げで、レーザー衛星「ポリウス」を打ち上げ、衛星の軌道投入自体は失敗したものの、ロケットとして完全に機能した。ところが当時は米ソの冷戦が終わりかけている時期で、ポリウス打ち上げを知った当時のゴルバチョフ書記長は、宇宙の軍事利用が緊張緩和の動きに反する、として、ブラン計画の予算を削減した。

 そのため、ブランは事実上最初で最後の飛行として、1988年11月に打ち上げられた。ブランは人の手を借りずに完全自動で操縦するようにプログラムされており、地球を二周した後、完璧な飛行で地球に帰還した。

 しかし、1991年にソ連は崩壊し、ブラン計画は消滅した。その後ブランは倉庫にしまい込まれたままだったが、2002年に建物の屋根が崩壊しブランは押しつぶされてしまった。その後、混乱の中で、飛行しなかった第二号機が国外に持ち出され、いまはドイツの博物館に展示されている。


感想

 以前に放送した、旧ソ連の月着陸計画とか、ミールが武装していた話とか、この手の懐かしの旧ソ連系の歴史秘話は毎回興味津々で見ているのですが、今回も面白かった。設計者や元大臣が生き生きと当時の事を語ってくれるのにも驚きましたが、まさかゴルビーからまでインタビューを取って来るとは。NHKやるなぁ。
 
スペースシャトル 30年のすべて (別冊宝島) (別冊宝島 1782 スタディー)
 
 

【映画】感想:映画「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(2014年:アメリカ)

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

BSジャパン シネマ・アディクト ~BSジャパン映画情報~ http://www.bs-j.co.jp/cinema/
放送 BSジャパン。2017年5月10日(水)

【※以下ネタバレ】
 

アベンジャーズ壊滅の危機!?なぜ彼らが狙われるのか?誰が味方で、誰が敵?そして彼らの前に最強の暗殺者が姿を現わす…アクション・サスペンス超巨編!(2014年/米)

 

あらすじ

 シールドは、テロリストなどに対処するため「インサイト計画」を進めていた。この計画は、巨大な空中空母「ヘリキャリアー」三隻を就航させ、この三隻が常に空中を巡回し、危険人物を探知すると即座に攻撃殲滅する、というものだった。

 シールド長官フューリーは、組織内で何か自分が知らない怪しげな動きがあることに気が付き、キャプテン・アメリカスティーブ・ロジャースに警告するが、直後に狙撃されて死亡する。さらにキャプテンも裏切り者としてシールドに指名手配され、攻撃される羽目になる。

 キャプテンは、エージェントのブラック・ウィドウと協力し、シールド内部に悪の組織「ヒドラ」(第二次大戦頃にキャプテンが戦った悪の組織、らしい)のメンバーがおり、もうヒドラによってシールドは乗っ取られていることを突き止める。ヒドラの計画は、ヘリキャリアーを使ってヒドラが危険とみなす人間を皆殺しにすることだった。

 ヒドラはキャプテンたちに暗殺者「ウィンター・ソルジャー」を差し向けるが、その正体は第二次世界大戦中にキャプテンと共に戦った親友のバッキーだったが、記憶をなくしていた。

 その後、死んだはずのフューリーが生きていたとか色々あった後に、ついにヘリキャリアーが出撃してしまうものの、キャプテンたちの活躍で三隻を同士討ちさせて共倒れさせ、シールド内部のヒドラも壊滅した。バッキーはキャプテンに勝つが、そのままどこかに立ち去った。最後、ヒドラの幹部みたいなキャラが、超能力戦士二人を眺めているシーンで〆。


感想

 評価は△。


 2時間16分もあるくせに、話にノレなかったため、もう退屈で仕方なかったです。全然快活ヒーローものではなく話が辛気臭くて……、この手のスーパーヒーロー物に、妙にリアル要素(世界のテロがどうのこうの、とか)を混ぜ込んでくる系統の話は好きくないんですよね。

 そもそもキャプテン・アメリカって、悪の宇宙人とか怪人とかと戦わないのね。テロリストと殴り合いをするくらいで。どうりで、盾を投げるしか能力が無いのに主人公をはれている訳だ、と納得しました。

 まあ、私には合わなかったなぁと。


アベンジャーズの戦いから2年。キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース(クリス・エバンス)は、ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)ともに国際平和維持組織SHILD(シールド)の一員としての活動を続けていた。ヒーローたちを集結させたシールドは、未知なる脅威から世界を守るため、新たな防衛システム開発を進めていた。キャプテン・アメリカは長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)から、シールドの突拍子もない防衛計画を聞かされる。そんな中、フューリーが何者かに命を狙われる。そしてその魔手はキャプテン・アメリカらのもとにも…。さらに暗殺者ウィンター・ソルジャーが現れ、アベンジャーズを追い詰める。なんと彼は第二次世界大戦中に死んだはずの親友バッキー・バーンズの姿にうり二つだった…。



キャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、ニック・フューリーは、ある日突然、ともに戦ってきた国際平和維持組織・シールドから命を狙われる!そしてシールドによる包囲網を逃れ、真相を突き止めようとするキャプテン・アメリカの前に、最強の暗殺者ウィンター・ソルジャーが現れる…。恐るべき陰謀、アベンジャーズ壊滅の危機描いたアクション・サスペンス!アベンジャーズでリーダー的存在として活躍したキャプテン・アメリカをクリス・エバンス、紅一点のブラック・ウィドウをスカーレット・ヨハンソン、そして彼らを一つのチームへと導いたニック・フューリーをサミュエル・L・ジャクソンが演じる。監督は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の兄弟監督であるアンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ。



タイトル キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
原題 CAPTAIN AMERICA: THE WINTER SOLDIER
監督 アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
脚本 クリストファー・マルクス、スティーブン・マクフィーリー
制作年 2014年
製作国 アメリカ


出演
クリス・エバンス (スティーブ・ロジャースキャプテン・アメリカ):【声】中村悠一
スカーレット・ヨハンソン(ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ):【声】米倉涼子
セバスチャン・スタン(バッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャー):【声】白石充
アンソニー・マッキー(サム・ウィルソン/ファルコン):【声】 溝端淳平
サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー):【声】竹中直人

 
 

2017年視聴映画のあらすじ・感想の一覧はこち

2017年視聴映画あらすじ・感想一覧
 
 
 

感想:劇場アニメ「planetarian(プラネタリアン)~星の人~」(2016年)

星の舟/Gentle Jena

配信・劇場アニメ「planetarianプラネタリアン)」公式サイト http://planetarian-project.com/
放送 AT-X 2017年5月7日(日)

【※以下ネタバレ】
 

http://planetarian-project.com/introduction/
語り継がれる【星の系譜】は、感動の終幕(フィナーレ)へ


人間の愚かな戦争は、世界を雪で覆い、確実に滅びへと向かわせていた。
隆盛を誇った文明も加速度的に荒廃していき、人口も10万人を切ろうとしていた。
星すら見えないこの世界では、人々は地上で暮らすことも難しく、地下の集落に身を寄せ合って暮らしていた。

かつて「屑屋」と名乗っていた男は、過去のある出来事がきっかけで「星屋」と名乗るようになり、“星の美しさ”を彼が訪れる集落の人々に伝えていた。
その知識の深さとたたずまいから、いつしか、人は彼のことを“星の人”と呼び、敬うようになった。
そして、世界を旅しながら、老いていく星の人には、ただ一つの心残りがあった……。
星の人は、旅の途中行き倒れた集落で、レビ、ヨブ、ルツの三人の少年少女と出会う。
星に興味を持つ彼らの姿を見ていると、かつて自身が若かりし頃に出会ったロボットの少女の面影が思い出されていく。
彼女と出会った場所、そこは封印都市と呼ばれるところだった―

 

あらすじ

 最終戦終結から数十年後の世界。空は雲に覆われ、雪が降り続き、世界の人口はおそらく10万人を切っていた。ある集落の子供たち、レビ、ヨブ、ルツの三人は、集落の近くで行き倒れている老人を見つけて助け、村長エズラは、老人が伝説的な人物「星の人」だと知り驚く。

 星の人は、この集落の近くに、長年探し求めていた物があるという噂を知り、病気の身を押して探しに来たのだった。レビたちは星の人が運んでいた幻灯機で初めて「星」という物の存在を知る。星の人は自分の過去を回想する。


 かつて、星の人が青年だった頃、彼は貴重な資源を回収し売りさばく「屑屋」だった。ある日屑屋は「封印都市」という街に入り込み、デパートの廃墟の中で少女型のロボット「ほしのゆめみ」と出会う。ゆめみはデパート内のプラネタリウムの案内係で、奇跡的に電源が確保されていたため、30年前の戦争を認識しないまま、ひたすら客を待ち続けていたのだった。しかしゆめみには、もう今後一週間分の電力しか残っていなかった。

 屑屋はゆめみのために幻灯機を修理し、ゆめみの説明と共にプラネタリウムを見る。やがて屑屋は街を離れることを決め、ゆめみと共に人々に星を説明して回る仕事も悪くないと夢想し、このままゆめみを連れて行こうと考える。しかし、ゆめみは突如襲撃してきた戦闘ロボットから屑屋を守ろうとして大破してしまった。ゆめみは機能停止の前に、自分のすべての記憶を保存したメモリーカードを屑屋に託した。


 星の人は、自分の命がほとんど残っていないと悟っており、レビたちに「星の人」を引き継いでほしいと考えていたが、それを切り出す前に子供たちの方から星の人になりたいと申し出てくる。星の人は、子供たちにメモリーカードや幻灯機を引き継ぐ。しかし、集落の大人たちは、もう余所者の星の人の面倒を見る余裕はないと、彼に早急な退去を求めてきた。

 星の人は、三人に別れの挨拶をしようとするが、その時この集落で崇められている「女神」の像を初めて目にする。それはめぐみと同じ少女の形をしたロボットだった。しかし、直後星の人は倒れてしまう。彼の体はもう病気でボロボロの状態だった。病床でもうろうとしている星の人の前に、「女神」が現れ、星の人は女神に看取られて世を去る。そして人とロボットが共に暮らす天国で、ようやくゆめみと再会するのだった。

 星の人の遺体は、空が見える大地に埋められた。レビたちは自分たちが星の人を継ぐと誓うのだった。


感想

 評価は△。


 去年2016年7月にWEB配信された「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~」(全5話)をベースにした劇場用アニメ。「ちいさなほしのゆめ」のエピソードを老人「星の人」の過去話として再利用(?)した長編アニメです。原作ノベル「ちいさな~」の内容に、その後日談小説の内容を組み合わせて映像化したものみたいですね。


 しかし、結論から言えば「長すぎ」でした。全部で115分も有り、そのわりにメリハリが無いので見ていて、退屈さが付いて回りましたね。まあ過去の話と現在の話を組み合わせれば、結構なボリュームになってしまうのは仕方ありませんが、それにしてももう少し内容を整理して90分くらいにまとめてほしかった。

 内容もまあありがちというかひねりが無いと言うか、「ラストは涙が止まりませんでした」とかいう事も無かったしね。KEY作品は京都アニメーションでなければ上手くアニメ化できないのかもしれません……


 それにしても、主人公「星の人」の声が大木民夫氏!! この方はいまだに現役の声優なんですね。1960年代から声優をやっているのに、声がそんなに老いた感じもしないし、仙人みたいな人だ。


その他

 「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~」(全5話)のあらすじと感想は以下でどうぞ。

第1話 第2話 第3話 第4話 第5話


http://planetarian-project.com/story/
男は世界中を旅していた。一つの探し物を求めて―


始まりは、どこかの国が放った遺伝子細菌兵器であった。やがて、その報復として核弾頭が使われ終わりのない世界大戦がはじまった。地上では星すら見えなくなり、雨が降り続く世界へと変わっていった。滅びゆく世界の中、空から降り続ける雨は、気が付けば雪へと変わり人々の暮らしは地下へと移っていった。
かつて貴重物資を回収することを生業とし“屑屋”と名乗っていた男は、若いころあることがきっかけで、多くの人々に星の素晴らしさを伝えるようになり、訪れる集落で星の世界を語り継いでいった。いつしか人々は彼のことを“星の人”と呼び、敬うようになった。そんな彼は、ただ一つの“心残り”を持ちながら、世界を旅していたが、志半ばにして行き倒れてしまう。
一方、地下集落に住むレビ、ヨブ、ルツは外の世界に興味津々。大人たちに隠れて、地下の集落から抜け出て外の世界を探索していた。降り積もる雪の世界の中で興奮冷めやらぬ中、三人は埋もれていた一人の老人を発見する。
彼は、三人に助けられて、無事一命をとりとめた。そして、村の長エズラと話をしていく中で、彼が星の人と分かり歓迎されることになる。


「あなたを歓迎します、星の人」


無邪気に話しかけてくる、レビ、ヨブ、ルツ。三人と話していくうちに、若いころ自身が訪れた【封印都市】のことを思いだしていった。そこは、世界大戦初期の遺伝子細菌兵器の影響で、人々から放棄された街。彼は、まだ見ぬお宝を求めて、探索していた最中、追跡していく戦闘機械(メンシェン・イェーガー)から逃れて、デパートのプラネタリウムに迷い込んだのだった。
そんな彼の前に、一人のロボットの少女が現れた―。


プラネタリウムはいかがでしょう? どんなときも決して消えることのない、美しい無窮のきらめき……。満天の星々が、みなさまをお待ちしています 」


星すら見えなくなった滅びゆく世界で、彼は何を見たのか。

一人の男が生涯を賭して旅する中で、出会ったものとは ― 。




<スタッフ>
原作:「planetarian~ちいさなほしのゆめ~」(Key)
監督:津田尚克
脚本:ヤスカワショウゴ、津田尚克
シリーズディレクター中山勝一、町谷俊輔
原作協力:Key ビジュアルアーツ
キャラクター原案:駒都えーじ
キャラクターデザイン:竹知仁美
メカニックデザイン海老川兼武
プロップデザイン:内田シンヤ
美術設定:泉寛
色彩設計:佐藤裕子
美術監督:竹田悠介、杉山祐子
3Dディレクター:長澤洋二
撮影監督:渡辺有正
編集:廣瀬清志
音響監督:山口貴之、津田尚克
音響効果:小山恭正
音楽:ビジュアルアーツ折戸伸治、どんまる、竹下智博
アニメーション制作:david production
製作:planetarian project



<キャスト>
星の人 大木民夫
ほしのゆめみ すずきけいこ
屑屋 小野大輔
三ケ島吾郎 櫛田泰道
館長 滝知史
倉橋里美 佐藤利奈
レビ 福沙奈恵
ヨブ 日笠陽子
ルツ 津田美波
エレミヤ 桑原由気
イザヤ 石上静香
エズラ 竹口安芸子

planetarian~星の人~Blu-ray通常版
planetarianドラマCD最終章 「星の人」

原作ゲーム
2006年版
planetarian ~ちいさなほしのゆめ~ 初回版

2010年版
planetarian ちいさなほしのゆめ メモリアルエディション

2016年版
planetarian~ちいさなほしのゆめ~ HDエディション
 
 
 
 

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