感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第154話(シーズン7 第5話)「細菌兵器漏出」

スパイ大作戦 シーズン7<トク選BOX> [DVD]

スパイ大作戦BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 
シーズン7(150~171話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン7」あらすじ・感想まとめ

 

第154話 細菌兵器漏出 TOD-5 (シーズン7 第5話)

 

あらすじ

世界制覇を目論み細菌兵器を作っている科学者テロ組織の本拠地を付き止めるために、IMFはある小さな町が汚染されていると偽装。大勢の死者が発生したと見せかけて、科学者を追い込む。

※DVD版のタイトルは「細菌兵器TOD-5」。
 
 
【今回の指令】
 国立細菌研究所の研究員ポール・モース(Paul Morse)は、TOD-5(ティー・オー・ディー・ファイブ)という極秘細菌兵器を盗み出しており、それをアルファグループ(Alpha Group)なるテロリストたちに売りつけようとしている。アルファグループは、フローリー博士(Dr. Victor Flory)をリーダーとして、毒ガス・細菌兵器を使ってアメリカ、さらに世界制覇を目論んでいるらしい。しかし、アルファグループの本拠への手掛かりは、モースに接触してきた元諜報員ゴードン・ホルト(Gordon Holt)のみである。IMFアルファグループの野望を粉砕しなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、バーニー、ウィリー、ミミ
 ゲスト:町の住民役多数


【作戦の舞台】
 アメリカ国内


【作戦】
 冒頭。モースにホルトが接触し、翌日TOD-5を30万ドルで買い取るということで合意する。その後、ホルトがその事を本拠のフローリー博士に報告するが、一味のメンバーのデイビスが話を盗み聞きしている。

 フェルプスがテープで指令を受け取る。

 IMFはモースを捕まえ、TOD-5を押収する。翌日ホルトがモースを訪ねてくるが、ホテルのフロントはモースなど知らないと言い、ホルトが調べても何の痕跡も残っていない。さらにホルトの車は突然故障して動かなくなり、町の外への電話も故障で出来なくなったと言われる。続いてホルトの目の前で全身がただれた男が倒れ、兵士(バーニー)たちが救急車で男を連れていく。

 ホルトは隠してあったモースの車を見つけ、車内にTOD-5のボンベを発見したので、車を盗んで町からを出ようとするが、唯一の街の出入り口の橋で保安官役のフェルプスが待ち構えており、道路工事で町から出られないと追い返される。ホルトはホテルのウェイトレス(ミミ)に、この町では伝染病が流行っていて軍隊が封鎖しているだろうと問い詰めると、ミミは肯定して病気で人がどんどん倒れていると答える。

 IMFはホテルに泊まっているホルトをこっそり眠らせ、偽の症状が出る薬を注射する。そのあと偽の基地におびき寄せ、バーニーはこの町に軍が研究していた細菌兵器が漏れてしまったが、治療薬は無いので助かるのは一万人に一人の免疫を持つ人間だけだろう、と脅す。

 ホルトは自分にも病気の症状が出たのでパニックになるが、ミミは何ともないと知り、彼女は免疫を持っていると信じ込む。やがてホルトを探しに来たフェルプスも目の前で病気で倒れて死んだため、フェルプスのパトカーを奪ってミミと二人で町を逃げ出し本拠に向かう。

 フェルプスたちはミミの持つ発信器の電波を追って尾行していたが、やがてTOD-5を横取りしようとするデイビスがホルトたちを襲い、ホルトはなんとか切り抜けるもののミミの発振器は壊れた上に流れ弾で負傷してしまう。フェルプスたちはデイビスを尋問して本拠地の場所を突き止める。

 ホルトは本拠地に帰り着き、フローリーたちにミミを調べて治療薬を作ってくれと頼む。そこにフェルプスたちが踏み込み、アルファグループを一網打尽にしてミミを救出する。最後は病院でミミとフェルプスたちが談笑しているシーンで〆。


監督: ルイス・アレン
脚本: ジェームズ・J・ブキャナン&ロナルド・オースチン


感想

 評価は(ぎりぎり)○。

 途中まではIMFが細菌兵器による伝染病パニックを演出して楽しませてくれるが、終盤は尻すぼみになってしまう、竜頭蛇尾となってしまった残念回。評価としては、最低ラインでのぎりぎりの合格点、というところだった。

 IMFの今回の作戦は、たった一人を騙すために、小さな町の住民を丸ごと入れ替えて細菌兵器による伝染病が蔓延していると信じ込ませる、というとてつもなく大掛かりな物。今までにもIMFは大規模な作戦を実施しているが、作戦に参加した人数では最高記録だと思われる。

 このエピソードは、作戦途中までは、IMF側の工作(車へ細工するところ、他)のシーンは描写せず、騙される側のホルトの視点のみで進むため、ホルトが町で様々な奇妙な体験をした挙句、伝染病の蔓延という『真実』にたどり着くさまが上手く描かれている。

 特に序盤に、ホルトがホテルのフロントに、モースなる人物は今まで宿泊したことが無い、と言われ困惑するシーンは、都市伝説で語られる「ホテルに体調の悪い母親とその娘が宿泊し、娘が医者を呼んでホテルに戻ってくると、母親など見たこともないと言われる」という話を連想させ、作戦の絶妙な幕開けとなっている。

 そのあとも、ホルトが突然自分の車が使えなくなったり、長距離電話が通じなくなったり、信頼できるはずの保安官の振る舞いがあからさまにおかしかったり、ウェイトレスが「軍隊に口止めされているけど……」とこっそり秘密を教えてくれたり、など、あたかもパニック物の一場面の様な展開が続き、この辺りは見ていて非常に楽しかった。

 そしてIMFがホルトに「ミミは免疫の持ち主なので基地に連れていくしかない」と信じ込ませる辺りまでは面白いのだが、そのあと町を出てからが突然話が雑になってしまうのはいただけない。アルファグループの中の裏切り者がホルトを襲撃してTOD-5のボンベを奪おうとして、ホルトとミミが危機に陥るだの、さらにミミが流れ弾で負傷した上に発信器が壊れてしまうだの、この辺りの展開は、正直危機感をあおるというより蛇足に思えて仕方が無かった。

 希望としては、IMFはラスト直前までホルトを町から出さず細菌兵器ネタで追い込んだ後、ホルトがまっすぐ基地に帰ったところでIMFと警官隊が踏み込んできて、テロリストは一網打尽になり、ホルトが呆然とした顔のまま捕まって〆、という展開の方がスパイ大作戦らしくて良かったと思う。作戦の発想が面白かっただけに、話を上手く畳めなかったのがとても残念である。


 本エピソードでもケイシー役のリンダ・デイ・ジョージは産休で不在だが、今回もメンバーがその辺りをフォローするシーンが有り、ウィリーが「ヨーロッパでもケイシーがアルファグループの動きを掴んだそうだけど」というと、フェルプスが「向こうにもグループの組織があるそうだよ。こっちで本部を叩き潰したら、それに呼応して向こうではケイシーが海外組織を一網打尽だ」と、ケイシー不在を自然に(?)説明している。


 今回のサブタイトルの原題「TOD-5」とは劇中に登場する細菌兵器の名前で、間違えようのない直球タイトルである。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが鍵のかかった家に入り、レコードプレイヤーの蓋を開け、中から大きめの封筒を取り出す。その後、フェルプスはレコードを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、このレコードは自動的に消滅する」と言い、レコードから煙が吹き上がる。


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。国立細菌研究所の研究員ポール・モースは、TOD-5(ティー・オー・ディー・ファイブ)という極秘細菌兵器を、アルファグループと称するテロリストの一味に売り渡そうとしている。アルファグループは、フローリー博士を首領と仰ぎ、毒ガス及び細菌兵器の威力を背景にテロをもってアメリカを、そしてやがては世界制覇を、企んでいるものと思われる。しかし今のところ、モースに接触してきた元諜報員ゴードン・ホルト以外に、アルファグループの本拠への手がかりは全く無い。

 そこで君の使命だが、このアルファグループの野望を粉砕することにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このレコードは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

シーズン7(150~171話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 

感想:ウォーゲーム同人誌「SLGamer vol.12」『特集:空戦ゲーム』(2018年4月1日発売)

零戦 (学研M文庫)


 『初心者向けSLG専門誌』を謳う同人誌「SLGamer」(発行元:さいたまオフライン)の新刊が発売になりました。Vol.11が2015年5月発売で、同号の予告ではVol.12は「2016年3月発売予定」だったのですが……、結局3年待たされてしまいました…… トホホ。
 

内容

internet - OnlineGameMarket / SLGamer Vol.12 Samurais of the Sky
http://www.boardwalk.co.jp/iogm/products/detail.php?product_id=24134
【メーカー】さいたまオフライン
【著 作 者】takoba39714(付録ゲーム)
【種別仕様】ゲーム付初心者SLG専門誌
【プレイ人数】2人
【プレイ時間】30分以上
【商品説明】初心者のプレイヤーにもシミュレーションゲームに親しんでもらうことを目的に製作された。ゲーム付、シミュレーションゲーム紹介&サポート誌です。


 今回の付録ゲームは、太平洋戦争初期から中期におけるゼロ戦と連合軍戦闘機の空中戦を再現します。
 機体の機動は、移動前に機動カードを移動力の範囲内で配置することで決めますから、空中戦らしい敵味方の機動の読み合いを楽しむことができます。


 本誌は零戦の生い立ちと性能、付録ゲーム「Samurais of the Sky」の作戦研究、今でも入手可能な空戦ボードゲーム紹介、航空作戦の各種ゲーム紹介、バトル・オブ・ブリテンを彩った航空機ユニット列伝、米国のゾンビ文化・ゾンビウォーゲーム考等、幅広いゲーム紹介は気軽に読んでもらうことを主眼に構成されています。


【Samurais of the Sky】
マップ:1枚、カウンター:50個、カード:32枚、シナリオ:5本、ルール:8p

 
◆付録ゲーム

Samurais of the Sky(takoba39714デザイン)
 
 ヘクスマップでの空戦シミュレーション。プレイヤーはそれぞれ数機ずつの機体を操る。ルールが増えがちな空戦シミュレーションを出来るだけシンプルに仕上げた物、の模様。とはいえ、ルールブックは8ページと過去最高。



◆特集 空戦ゲーム

ゼロ戦神話について
・付録ゲーム紹介
・空戦ゲーム色々紹介
[連載]世界のユニット列伝 … バトル・オブ・ブリテンに参加した英独の機体について紹介



◆その他

・米国のゾンビ文化・ゾンビウォーゲーム考(前編)

 アメリカではゾンビゲームが大はやりなばかりか、ゾンビが発生した時には生き残るためのサバイバルマニュアルだの、ゾンビと戦うための武器を大真面目で銃器メーカーが発売しているだの、ホームセンターにゾンビ対策グッズがマジで売られているだの、の現状を紹介。アメリカ人はどうかしている模様。


[連載]アニメの中の戦争

 大戦中のプロバガンダアニメについて。ドナルドが「ジ●ップを殺せ」とか言っていた時代もあったのです……、



◆次号予告

 付録ゲームは「シチリア上陸作戦」。発売日は未定。


感想

 相変わらず「ノウハウを取り戻す旅路」は続いているそうです……、まあ作り手にも色々あるのでしょうが、以前よりは読みごたえが無くなったよなあ、という失望感は否めません。以前が面白すぎたのかもしれませんけど。
 
 
零戦 その誕生と栄光の記録 (角川文庫)
 
 

感想:アニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」第6話「軌道秩序のエクリプス」

ファティマ

TVアニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」公式サイト http://steinsgate0-anime.com/
放送 BS11。全23話。

【※以下ネタバレ】
 

第6話 軌道秩序のエクリプス

 

あらすじ

 「かがり」は自分が何者で今まで何をしていたのか、一切の記憶を失っていた。先日千葉県境で倒れているところを住職に保護され、寺には女性は置いておけないという事で、るかの家が預かることになったのだという。とりあえず鈴羽の「かがりを探す」という目的は達成されたが、倫太郎はかがりを探しているという外国人の事が気になり萌郁に引き続きの調査を依頼する。

 やがて年が明け、倫太郎たちは真帆も含めて初詣に出かけたあと、ラボで改めて新年パーティを開く。真帆はそこでアマデウス紅莉栖と通信していたが、突然通信が切断されてしまう。さらにそこに仮面を付けた男たちが銃を持ってなだれ込んで来た。

感想

 既視感溢れるオチにクッソ笑った(笑) この展開シュタゲ本編で既に死ぬほど繰り返し見たやつだろ(笑) 新作でまた同じことやってどうするんだよ(笑) このアニメには大して期待していたとは言えないけど、この展開でもう「(笑)」と評価するしかなくなってしまったではないか(笑)
 
 
LAST GAME
 
 

【レトロゲーム】プレイ日記「ファミコン探偵倶楽部 PART II うしろに立つ少女」【8】

ファミコンディスクシステム ファミコン探偵倶楽部PartII うしろに立つ少女 前編 任天堂

ファミコン探偵倶楽部 PARTⅡ うしろに立つ少女(前後編) | ニンテンドー3DS | 任天堂
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000013891
学校の怪談が謎の事件を巻き起こす――
殺人事件の真相と「うしろの少女」の正体に迫る。


このソフトは、1989年に発売されたファミリーコンピュータディスクシステム用のアドベンチャーゲームです。 探偵助手として、女子高生殺人事件の調査に乗り出した主人公。学校の関係者に聞き込みをしたり、怪しい場所を調べたり……さまざまな方法で情報を集め、事件の真相に迫ります。学校で噂される怪談「うしろの少女」と殺人事件の繋がりとは?

【以下ネタバレ】
 
 

前回までの展開

プレイ日記「ファミコン探偵倶楽部 PART II うしろに立つ少女」【7】
http://perry-r.hatenablog.com/entry/2018/05/14/215849

perry-r.hatenablog.com

 
 

今回の展開

 今回のプレイ時間:1時間30分(累計8時間15分)

 学校では、生徒だけではなく教師までもが「うしろの少女」を話題にし始めていた。生徒が階段から転落して怪我をしたが、その際に近くにいたひびのの後ろにさらに謎の人影を見たという。「うしろの少女」は実在しているのだろうか……

 主人公はこまだ先生から、うらべ校長が自宅を手放した話を聞く。うらべは一人暮らしで、妻は30年前の出産のときに亡くなり、生まれた子供はどうなったかは知らないという。うらべは金に困っているのか?

 ひとみは、うらべ校長の知り合いの謎の男が捨てたマッチを拾ってくるが、それは隣町のスナック「サンボラ」の物だった。サンボラを訪ねた主人公は、かねだごろうがこの店の常連だと知る。ごろうは昔からの常連で、財産を使い果たしてからはツケで飲んでいたのに、最近になって金回りが良くなり、ツケを清算したという。しかも酔った弾みに「父親を殺した犯人を知っている」と漏らしたらしい。ごろうはその犯人を強請っていた可能性が高い。

 主人公はごろうに会うためマンションに向かうが、ごろうの部屋の窓ごしに、ごろうが何者かに刺される場面を目撃する。慌てて部屋に駆け込むとごろうは死んでおり、その顔はうらべ校長と頻繁に会っていた例の男だった。

 警察が調べると、死体は古い万年筆を握りしめており、万年筆には「T.U」のイニシャルが刻まれていたが、事件の関係者で合致するのは、自殺した「うちだ・てるひこ」と、校長の「うらべ・ただし」のみ。しかしうらべは出張で犯行が可能だったはずがない……


「続く」

コメント

 深い……、いくら調べても調べても次々と新しい事実が出て来るので、底無しというか……、しかしそれだけに飽きることなく楽しめます。

 「もう今度こそ怪談もネタが尽きただろう……」とか油断していたら、まさかの新展開! 「『うしろの少女』が階段から生徒を突き落とした」という新ネタが投入され、ますます面白くなってきた。なんとも私の好みにドストライクすぎる展開でたまりませんよ。「六番目の小夜子」とか「アナザー」(綾辻行人)とかを連想しますね。ちなみにアナザー大好きです。
 
 
アナザー【北米版】
 
 
 スナックサンボラのマスターから話を聞き出すのは、本当に骨が折れました。何を聞いても調べても「帰れ」と言われるだけで全く先に進めない……、これは詰んだのかと30分くらい悩みまくって、その際は一旦寝て、翌日すっきり気分で、何の気なしに店やマスターではなく同行者のひとみのかつらを「取る」してみたら話が進んだという……、このフラグ立てもどうかとは思いますが、やはり行き詰った時はへたに考えるより寝たほうがいい、という教訓を得ました。
 
 
ファミコンディスクシステム ファミコン探偵倶楽部PartII うしろに立つ少女 後編 任天堂
 

感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第152話(シーズン7 第3話)「駆け引き」

スパイ大作戦 シーズン7<トク選BOX> [DVD]

スパイ大作戦BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 
シーズン7(150~171話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン7」あらすじ・感想まとめ

 

第152話 駆け引き The Deal (シーズン7 第3話)

 

あらすじ

500万ドルを収めた貸金庫の鍵を求めて、フェルプス(ピーター・グレイブス)とバーニー(グレッグ・モリス)は敵の船内を隈なく捜索する。一方最初に船に潜入したウイリー(ピーター・ルーパス)は、見つかり逃げる途中で肩を撃たれ負傷し海をさまよっていた…。


500万ドルを収めた貸金庫の鍵を求めて、フェルプス(ピーター・グレイブス)とバーニー(グレッグ・モリス)は敵の船内を、くまなく捜索する。一方、最初に船に潜入したウィリー(ピーター・ルーパス)は無線連絡しているところを見つかり、逃げる途中で肩を撃たれ負傷し海上をさまよっていた…。

※DVD版のタイトルは「国境を突破せよ!」。
 
 
【今回の指令】
 カマグワ共和国(Republic of Camagua)のオリバー・ハモンド将軍(General Oliver Hammond)は政権乗っ取りを計画しており、そのためアメリカのシンジケートから資金提供を受ける予定である。シンジケートのボス・ラーソン(John Larson)と、その部下ローガン(Charles Rogan)は、資金提供の見返りに、同国のギャンブルと売春を仕切るつもりである。現在ローガンは、資金500万ドルを収めた私設金庫の鍵を持ってカマグワに向かっている。IMFはこの鍵を奪い、将軍とシンジケートの計画を粉砕しなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、バーニー、ウィリー、ミミ
 ゲスト:兵士役多数


【作戦の舞台】
 カマグワ共和国


【作戦】
 フェルプスがテープで指令を受け取る。

 ウィリーはラーソンの部下に化けてローガンの乗るボートに同行し、船内を捜索するものの鍵を見つけられない。さらに無線で連絡しているところを見つかってしまい、殺されそうになって海に飛び込むが撃たれてしまう。

 ウィリーの危機を知ったIMFは、まずバーニーが兵士に扮してローガンたちの船を拿捕し、用意していた基地へと連行する。IMFは船内をくまなく探すものの鍵が見つからないため、ローガンから鍵の在処を聞き出す他は無くなる。

 フェルプスは、ローガンたちにハモンド将軍はクーデターを計画していたことが発覚して既に逮捕されていると言い、お前たちも共犯だと認めろと脅す。そしてローガンの部下たちを次々と銃殺する芝居をして、ローガンを心理的に追いつめる。

 ミミは将軍の愛人という設定で牢に入れられているが、兵士(バーニー)の手引きで脱走するつもりというふりをする。それを知ったローガンはバーニーに話をして、脱走させてくれたら500万ドルから謝礼をすると言い、バーニーはそれを受け入れる。

 一方ハモンド将軍はいつまで経ってもローガンの船が来ないので、アメリカにいるラーソンに連絡し、ラーソンもカマグワにやってくる。ウィリーは海岸でハモンド将軍の部下に捕まり、ラーソンに対面させられて、正体不明の男という事がばれてしまう。ハモンド将軍は捜索隊を出し、船が近くの海岸に停泊していることを見つけて部下たちと出発する。

 バーニーはミミと一緒にローガンたちを脱走させた後、船に行き、ローガンに隠していた鍵を出させるが、それはプラスチック製の鍵のため金属探知機で発見できなかったと解る。バーニーはローガンを眠らせて鍵を奪う。最後IMFが脱出してきたウィリーと合流し、船で立ち去るシーンで〆。


監督: レスリー・H・マーティンソン
原案: ジョージ・F・スラビン
脚本: ジョージ・F・スラビン&ステファン・カンデル


感想

 評価は(ぎりぎり)○。

 レギュラーメンバー以外に多数の助っ人を動員した大掛かりな芝居を実行したり、ウィリーの危機が有ったり、と派手な割には淡白な内容で、ぎりぎり合格点というレベルの平凡なエピソードだった。

 今回はIMFの任務は珍しく海外が舞台となっている。かつて(1~5シーズン)のIMFは、海外に出向いてその国の機密を盗み出したり権力者を失脚させたりするのが主任務だったが、第6シーズンに入ってからは国内のシンジケートを相手にする司法のスペシャルチームみたいな存在に変化していたため、別の国が舞台になるというのはちょっと驚かされた。もっとも仕事の内容は、シンジケートの目論みを打ち砕くといういつもの物だったし、相手にしたのはアメリカ人ばかりだったので、今までの対シンジケート話の延長でしか無かったのも事実ではある。

 IMFの今回の作戦は、軍隊のふりをしてターゲットを捕まえて監禁し、軍事裁判にかけたという設定で相手を精神的に追い込み目的を達成する、という物。今までにも同工異曲のシチュエーションで何度もやって来たような作戦なのだが、今回はいくら上手く騙しても痛快さというものが感じられず、どうにも盛り上がらないシナリオだった。

 おかげで、最後にローガンから鍵を取り上げ、将軍やラーソンを海岸に置き去りにしたままIMFが悠々と立ち去る、という定番のシーンでもさっぱり満足感が無かった。過去の作品のシナリオと比較すると、視聴者を喜ばすツボとでもいうべきものを押さえ切れていなかったようである。

 今回面白いのは、助っ人メンバーのミミがフェルプスに「(不在の)ケイシーはいつヨーロッパから帰るの?」と質問し、フェルプスが「何時になるかな。かなり難しい任務だから相当かかるよ」云々と説明する会話が有る事である。実はケイシー役のリンダ・デイ・ジョージは、この話の撮影の頃は産休を取っていたのだが、「単身ヨーロッパで仕事中」という設定で不在を理由付けしている訳である。

 スパイ大作戦は、新メンバーの加入、作戦への参加・不参加、チームからの離脱、という「人事」については一切説明しないのが恒例だったのだが(例:IMFリーダーがブリッグスからフェルプスに変更した際ですら説明なし)、ケイシーに限ってはこのようにフォローが有るのは不思議である。

 今回の作戦で、矛盾という程でも無かったが、気になったのは、ローガンの部下二人を偽装銃殺する際、一人目はそっくりに変装した別人が引っ立てられて銃殺された演技をするが、二人目はそのまま問答無用で麻酔弾を撃ちこんでしまう、という様に扱いが違ったことである。

 IMFは偽装銃殺のためにわざわざ「麻酔と血のりをミックスした特殊弾」を用意しており、弾を撃ち込んだ瞬間本人はぐっすり眠ってしまい、はた目には血が噴き出たように見える、という仕掛けとなっている。だとすれば一人目も別に変装などしなくても、特殊弾を撃ち込めばそれで済んだと思うのだが……、単に制作側が変装マスクを使うシーンを見せたかった、という、身も蓋もない理由かもしれない…… ちなみに変装していたのは全く無名のキャラで、おかげでマスクを取って素顔を見せても何一つ面白さも無かった。

 今回は、IMFが貸金庫の鍵を探し回るものの見つからず、結局ローガンから種明かしをしてもらうことになるのだが、その答えが「プラスチックの鍵だから、金属探知機でも見つからなかった」というのは結構面白い。現実的に考えて貸金庫の鍵がプラスチック製などということが有りうるのかは解らないが、引っ張った末の謎解きがこれというのはちょっとひねっていて感心させられた。

 今回、ローガンたちが脱獄で出てくる脱出口は、シーズン6・第16話(第143話)「脱獄の果て」で脱獄シーンに使ったのとそっくり同じ場所である。脱獄ネタ繋がりで流用したのかもしれないが、いささか安直であろう。また、序盤にウィリーがローガンのボートから脱出して海を泳いでいるシーンで、一瞬画面の左端に物が写り込むのだが、これは明らかにこのシーンを撮影している船の一部である。こういうのは醒めるので、上手くカットしてほしかったところではある。

 今回のサブタイトルの原題「The Deal」とは「取引」といった意味。まあ、内容に沿っていなくもない単語ではある。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが車で駐車場の料金係(?)の前まで乗り付け、合言葉を言って紙袋を受け取ると、離れた場所まで車を移動させてから駐車する。そして紙袋の中からオープンリール式テープレコーダーと写真を取り出す。その後、フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」と言い、テープから煙が吹き上がる。


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。カマグワ共和国の高官オリバー・ハモンド将軍は、その地位を利用し、アメリカのシンジケートから資金を仰いで政権乗っ取りを企んでいる。一方シンジケートのボス・ラーソンとその腹心ローガンは、資金調達の見返りとして、カマグワにおけるギャンブルと売春を一手に仕切る腹である。目下ローガンが調達資金500万ドルを収めてある私設金庫の鍵を持って、ハモンド将軍の所へ向かおうとしているが、この鍵を奪えば、将軍とシンジケートの取引の証拠を掴み、彼らのカマグワ共和国乗っ取りの意図を粉砕することができる。

 そこで君の使命だが、その鍵を入手することにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

シーズン7(150~171話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 

感想:アニメ「ウマ娘 プリティーダービー」第8話「あなたの為に」

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』OP主題歌 ANIMATION DERBY 01 Make debut!

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』公式サイト http://anime-umamusume.jp/
放送 BS11

【※以下ネタバレ】
 

第8話 『第8R あなたの為に』 (2018年5月13日(日)深夜放送)

 

あらすじ

 スペシャルウィークはスズカの病院にお見舞いに日参し、スズカが退院しても何くれと世話を焼き続ける。夏になると、スズカの傷も癒え、スピカの仲間たちと一緒に練習できるまでに回復する。しかし、スペシャルウィークの同期のグラスワンダーは、スペシャルウィークが友人との付き合いよりスズカの世話を優先するのに複雑な想いである。

 やがて宝塚記念スペシャルウィークグラスワンダーが走ることになった。グラスワンダーは親友のスペシャルウィークとの対決に胸を躍らせていたが、スペシャルウィークは昨年スズカが勝ったレースで自分も勝ちたいと思うだけで、友人対決の事など頭にも無い。

 そして宝塚記念スペシャルウィークはスズカに勝利を見せたいと突っ走るが、グラスワンダーに完敗してしまう。レースの後、スペシャルウィークはトレーナーから、スズカのために走るだけではなく、日本一のウマ娘という目標を忘れるな、と叱咤される。

感想

 最悪の予想ではスズカ死亡説もあったのですが、さすがにそうはならなかった(笑) もうこれは史実とは異なる並行宇宙ですかね……、って、そもそも馬が女の子の時点で史実もクソもねーよ(笑)
 
 ところでゴールドシップって子がしょっちゅうおもちゃを弄り回しているのは、何の比喩なのかしらん。
 
 
TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』ED主題歌 ANIMATION DERBY 02 グロウアップ・シャイン!
 
 

感想:アニメ「ウマ娘 プリティーダービー」第7話「約束」

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』OP主題歌 ANIMATION DERBY 01 Make debut!

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』公式サイト http://anime-umamusume.jp/
放送 BS11

【※以下ネタバレ】
 

第7話 『第7R 約束』 (2018年5月6日(日)深夜放送)

 

あらすじ

 スズカは、次のレース「天皇賞」、さらにその次の「ジャパンカップ」、の後、アメリカに遠征に出かける予定だった。スペシャルウィークは、その前に是非スズカと一緒に走りたいと、トレーナーにジャパンカップ出場を直訴し了解を得る。

 天皇賞に参加したスズカは最初は独走するが、途中で足を故障しそのまま倒れてしまう。病院に担ぎ込まれたスズカは左足の骨折が判明するが、スペシャルウィークたちスピカの仲間は絶対完治すると元気づける。

感想

 何故風呂に入るというイベントが有りながら、裸のシーンが一秒も無いんだ! \(*`∧´)/ ムキー

 以前からスズカ負傷退場が噂されていましたが、大当たりになってしまいましたね。私としてはこのまま現役復帰せずに引退→トレーナーさんの右腕になる、みたいなルートを想定しておりますが。
 
 
TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』ED主題歌 ANIMATION DERBY 02 グロウアップ・シャイン!
 
 

感想:アニメ「カードキャプターさくら クリアカード編」第18話「さくらと炎と水の鳥」

カードキャプターさくら クリアカード編(1) (KCデラックス なかよし)

カードキャプターさくら公式サイト http://ccsakura-official.com/
NHK アニメワールド|カードキャプターさくら クリアカード編 http://www.nhk.or.jp/anime/ccsakura/
放送 NHK BSプレミアム。7:30~8:00。全22話。

【※以下ネタバレ】
 

第18話 さくらと炎と水の鳥 (2018年5月13日(日)放送)

 

あらすじ

 ロールケーキ事件の翌日、さくらは学校で意識を失いかけ、その時に例の不可思議な夢を見る。

 夜。カードの気配を感じたさくらは、知世・小狼と共に月峰神社にやってくる。さくらたちは、ここで最初のクロウカード「フライ」を捕まえた話で盛り上がるが、そこに巨大な炎の鳥が現れた。さくらは「アクア」で捕獲を試みるものの、強力な火炎の前にアクアは敗れてしまう。しかし小狼が魔法で相手の動きを止めたすきに、さくらはカードの封印に成功する。カードの正体は「火焔/BLAZE」だった。さくらはカード捕獲に安堵するが、何故か小狼は何か隠しているような態度に終始する。

 木之元家では桃矢が、さくらがケロとどこかに出かけていることを知りつつ、気が付かないふりをしていた。桃矢は月に、魔力が回復しつつあること、それを家族を守るために使うこと、を伝える。
 
 

感想

 アクア対プレイズは怪獣映画の決戦みたいだなぁと思っていたら、先回りしてケロちゃんに言われてしまいましたよ。

 それにしても、残り話数が減るたびに「これホントにまともにオチが付くのか」と不安が募って仕方ないです。
 
 

おまけ:クリアカード一覧

第1話 ゲール 疾風/GALE
第2話 シージ 包囲/SIEGE
第3話 アクア 水源/AQUA
同上 リフレクト 反射/REFLECT
第4話 アクション 行動/ACTION
第5話 グラビテーション 引力/GRAVITATION
第6話 レコード 記録/RECORD
第7話 フライト 飛翔/FLIGHT
第8話 ルシッド 透過/LICID
第9話 スパイラル 螺旋/SPIRAL
第10話 スヌーズ 転寝/SNOOZE
同上 ラビリンス 迷宮/LABYRINTH
第11話 リバーサル 逆転/REVERSAL
第12話 ヘイル 氷雹/HAIL
第14話 ミラージュ 幻影/MIRAGE
第16話 スイング 揺動/SWING
同上 ストラグル 争闘/STRUGGLE
第17話 アピアー 顕現/APPEAR
第18話 ブレイズ 火焔/BLAZE

 
 
カードキャプターさくら クリアカード編(2) (KCデラックス なかよし)
早見沙織/Jewelry(「カードキャプターさくら クリアカード編」EDテーマ) <通常盤>
カードキャプターさくら クリアカード編 クリアファイル 桜&小狼