感想:アニメ「Mnemosyne-ムネモシュネの娘たち-」第1話「猫は笑わない」(2008年2月3日(日))

MNEMOSYNE -ムネモシュネの娘たち- 1 [DVD]

公式サイト http://www.rin-asougi.com/
AT?X番組紹介 http://www.at-x.com/program_detail/index.html/2208/new
放送 AT-X。2008年2月3日(日)

【※以下ネタバレ】
 
※他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「Mnemosyne-ムネモシュネの娘たち-」あらすじ・感想まとめ
 

概要

はじまりのおわりからおわりのはじまりへ
ハードボイルドなニューヒロインが新宿を駆けめぐる。


幾重にも交わる時間、繋がっている全ての時代。
それら全てに変わらぬ姿で存在する女。
天使に魅せられる女たち。
その者にだけ姿を現す世界を司る大樹。
それはやむことなく胞子を飛ばし続ける。
終わらない時の中で、女は、狂気と快楽と猟奇の狭間で生きる。
 
 
次々と起こる常軌を逸した事件に、新宿に事務所を構える燐(りん)とアシスタントのミミが挑む。
誰の依頼で動いているのかは不明だが、執拗に燐を狙う暗殺者(ハンター)のローラ。
少年のような外見とは裏腹に、倒錯した美意識を持ち年齢不詳の謎の人物エイポス。
青山製薬狭山研究所所長で、サディストの科学者の沙耶羅(さやら)などが、燐の前に立ちふさがる。

 
 AT-X開局10周年記念のオリジナル作品で、45分枠、毎月1話ずつ、計6回放送、というなかなか大作ぽいアニメです。実際かなり力の入った作品だと思いますね。
 

第1話 『#1 猫は笑わない』(2008年2月3日(日)放送)

 

あらすじ

 1990年。麻生祇 燐(あそうぎ・りん)は、新宿で助手のミミと共に何でも屋「麻生祇コンサルティング」を営んでいる。

 ある日燐は迷い猫探しの途中で、成り行きから黒服の男たちに襲われている青年・前埜光輝を助けることになる。光輝は襲われる覚えも無く、さらに奇妙なことに自分の記憶に実感が伴わないと言う。燐は光輝の記憶探しを手伝うことになった。

 光輝の僅かな記憶を頼りに、燐達は青山製薬狭山研究所にたどり着く。ここでは人間のクローンが研究されており、光輝はオリジナルから作られた複製だった。燐は拷問にかけられたあと殺されるがすぐに蘇り、光輝を連れて脱出した。光輝は自分がクローンと知り苦悩するが、それでも自分なりの人生を生きる道を選び、燐の元で働くことにした。


感想

 簡単に言えば「ハードボイルド探偵物+SF」です。主人公の燐は、男装の麗人風キャラで、警察にも裏の世界にも顔が効き、しかもやたらと腕の立つ何でも屋。その燐が奇妙な事件を追いかける内、とてつもない世界に足を踏み入れることになる、という、割とありがちといえばありがちなタイプの話ですが、燐のキャラがとにかく格好良く、また話のテンポも良いので、独創性はそれほど無いにも関わらず、かなり引き込まれます。

 あと、多少お色気要素も有り、ちょっとドキっとしますね(でも別に年齢制限をするほどではないとも思いますけど)。

 残念なのは作画。汚いとは言いませんが、正直あんまり綺麗だとも思えません。公式サイトのトップ絵の質を期待すると失望しちゃいますので念のため。

 あと燐の声は売れっ子能登麻美子さんがあてているのですが……、まんま「ウィッチブレイド」です。能登さん、ちょっとこの手の大人シリアスキャラは向いてないんじゃないかなぁ。普段の陽気なシーンはともかく、凄みを効かすシーンはあんまり……

 しかしまあ、燐の謎だらけの不死の設定、空中を飛ぶ光、地平線に見える雲みたいな物、電話の相手、暗殺者ローラ、等、気になる伏線を随所にばら撒きつつ、しかし基本的にはハードボイルド探偵物として変に複雑な話にしておらず、解りやすい展開には好感が持てました。ポイントを上手く掴んだ、素直に面白いと思えるアニメに仕上がっています(お色気が適度に入っているのも良し)。

 さて、総括ですが、「かなり面白い」と太鼓判を押します。1話だけでも十分楽しめますが、次回以降が気になる伏線が色々と仕込まれており、今後の展開も期待が持てます。この先半年間堪能できそうな作品が始まったと言えると思いますね。
 
 
※他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「Mnemosyne-ムネモシュネの娘たち-」あらすじ・感想まとめ
 

<スタッフ>
企画・原作:XEBECGENCO
キャラクター原案:中央東口
キャラクターデザイン:石原満
脚本:大野木寛
監督:うえだしげる
アニメーション制作:XEBEC


<キャスト>
麻生祇 燐(あそうぎ りん):能登麻美子
ミミ:釘宮理恵
ローラ:大原さやか
エイポス:石田 彰
山之辺沙耶羅(やまのべさやら):田中理恵
前埜光輝:檜山修之
柳沢保:松本保典

 
ムネモシュネの娘たち2008 (HJ文庫)