雑談:記事:競争相手を生かさず殺さず・任天堂の収益性が高い理由


 今週ちょっと話題になった、要するに「何故任天堂は儲かって仕方ないか」テーマの元ネタ。有名な勝間和代氏の執筆記事。

●競争相手を生かさず殺さず・任天堂の収益性が高い理由
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMIT2n000006102008&cp=2

>とはいえ、任天堂の1人当たりの収益性が高い理由を、アウトソーシングと人件費に求めるだけではどうもまだしっくりこないので、なぜ任天堂がそのような高い収益性のビジネスモデルを維持できるのか、もう少し考えてみたい

(1)ほとんどの会社が真似できないほどの多額の研究開発費を使える
(2)オーバースペックを避けて、試行錯誤で改善を繰り返している
(3) 限られたメンバーの抑制された競争を演出している
 任天堂の最後のもうけの理由は、競争相手を完膚なきまでにたたきのめさず、生かさず殺さずにして、競争を演出していることだろう。

 この記事も、あとここから派生してプログで色々任天堂勝利の理由を書き連ねている人の文章も、全てしっくりこない。確かに今任天堂はこの世の春を謳歌していますが、1993〜2004年頃、つまり「スーパーファミコンがPS1に追い落とされ、DSで復活するまで」の期間あれほど低調だったか説明出来てない、もしくは無視している、と思う。

 この暗黒時代だって投資はしていたろうしライバルの数は数えられるほどだったし宮元氏が働いていたけど、任天堂がゲーム業界の中心プレイヤーだとか正義だとか思っていた人なんて居なかった筈だ。それどころか、普通のゲーマーの感覚からすると、ファミコンスーパーファミコン時代の任天堂はおごり高ぶった鼻持ちなら無い独占企業だったと記憶してます。

 かつての任天堂は業界に自分ルールを押し付けた独裁支配を行ったため怒り狂った民衆に打ち倒された。その後少人数の会社で、スクラップビルドはしていて、投資はしていて、宮元氏は働いていて、ゲーム業界を考える会社でしたが、「世の中に受け入れられる物を作っていなかったから」低調だった。でニンテンドーDSが「たまったま」当たったからその後上手く再離陸出来た、訳ですよね。

 ちなみに以前日経ビジネス誌の特集に書いていましたが、社長さんの告白によれば、DSとかWiiの路線は最初社内で猛反対を受け、脳トレとかがヒットして初めて「この路線でもいけるかも」という空気になったらしい。

 思うに任天堂が瓦礫の中から蘇ったのは、要するに「社長の目の付け所が良くて、たまたま成功した」からでしょう。この一行で済むじゃん。正義とか宮本氏とかは全部後付け理由ですよねぇ?