雑談:ビジネス書(?)の「もしドラ」を軽く読む


 「もしドラ」の愛称で知られる、ダイヤモンド社ドラッカー解説本「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海)のお話です。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (単行本)
岩崎 夏海 (著)
価格: ¥ 1,680
http://www.amazon.co.jp/dp/4478012032/
出版社: ダイヤモンド社 (2009/12/4)

 発売当初は「ドラッカーの解説本の表紙がアニメイラスト(笑)」という事で、キワモノ扱いで話題となっていた本ですが、何時の間にか本気で売れ始め、今じゃお堅いビジネス系のサイトも「こういう本が売れていて」とかテーマで取り上げるようになっています。という事で、今更ながら軽くパラパラ読んでみました。


 「表紙イラストはアニメ絵だけど、中身はそれなりにビジネス物だろう」と思っていたら・・・、中身までライノベ風味でした〜(おいおい)。

 主人公は表紙に出ているアニメ顔女子高生ヒロイン。この娘が野球部のマネージャーになったので、勉強のために本屋で「マネージャー」云々と書いてある本を適当に買ってきたら、中身は全く野球とは関係の無い”経営の神様”ドラッカーの本。しかしヒロインは何故か本を捨てず、「組織をマネジメントする」→「野球部も組織だから応用できる」と考え、ドラッカーの金言を一々野球部に当てはめていくのでした。

 ビジネス書の合い間にお話が有る、とかではなく、内容は本気でライノベ風味の「物語」で、ヒロインがマネージャーとして進化する過程でドラッカーの本の引用が出てくる程度なので、ビジネス書とか思って買ったら当てが外れます。何せヒロインは、何かというと泣くし、最後のほうは組織の建て直しを越えて試合でガシガシ有力高に勝っていくし、どこの(くさい)スポ根物かという感じでした。

 という事で、アニメ好き漫画好き&昔ダイヤモンド社が出していたドラッカー解説本も読んでました、という私にはそれなりに興味が持てる内容でしたが、私以外に買っている90万人の内訳が全く見当がつかないんですけど?

 もし今までに本気でドラッカー本を買っていたようなビジネスマン層がこんな本を買うわけがありません。また、あくまで「ライトノベル風味」であってライトノベルではないのですから、ライノベオタクたちが買うわけも無い・・・、ということで・・・、ええっと、じゃあ誰が買ってんの? 謎過ぎるよ、読者たち。


 しかしながら、「野球部の売り物は感動」とか「野球部の顧客とは親とか野球部を支えてくれる人全て」とか、ビジネス用語を野球部に当てはめていく過程での、一種の謎解きというかそういう要素もあったりして、面白い事は面白いです。興味を引かれた方は読んでみるもよいと思います。1680円というのはちと痛いですけど。