感想:ゲーム雑誌「Game Journal(ゲームジャーナル) No.36」:特集「真田軍記〜決戦!大坂の陣〜」

ゲームジャーナル36号 真田軍記~決戦大坂の陣~

 発売日:2010年9月1日(入手は8月27日)

ゲームジャーナル公式サイト
http://www.gamejournal.net/

□付録ゲーム

・真田軍記(中澤考継デザイン)

 「株式会社天下布武」発売のゲーム(1992年)の復刻。1615年大阪夏の陣を舞台にIFのシチュエーションを扱う仮想物。

『慶長十九年、大坂城に入城した真田幸村は、関東方との開戦に際し、宇治・瀬田に出陣し、関東と西国の連絡を絶って、京・大和を抑えて関東方を各個撃破すべきだと主張した。史実では保守的な豊臣家首脳は大坂城籠城策を選択したが、大坂方がもしも幸村の作戦を採用していたら、どうなっただろうか。』

□特集「真田軍記〜決戦!大坂の陣〜」

 実際の歴史の解説と、リプレイ風仮想戦記、プレイの指針など。自社のゲームでは無いから(?)か、人物紹介とかは一切無く、特集としてはややあっさり気味。


□その他

・ゲームの鉄人

 「戦国戦役級ゲーム対決」。座談会。戦国群雄伝シリーズ、徳川家康バンダイ)、信長最大の危機、などがネタ。このテーマの歴史はGJが作ってきたのだなぁ、と思わせるラインナップでした。


・ウォーゲームデザイン討論

 「嘘のデザインは如何なものかと。」。座談会。ゲームデザインのデフォルメとか、「パシフィックフリート」(HJ)の有名な攻勢限界線とか、ああいうのはどうよ?という事を語り合います。


・[連載]ウォーゲーム英雄伝説

 第6回。お題は「Here I Stand(GMT Games/2005年)」。
16世紀の宗教改革がテーマのマルチゲーム、という、どう考えても超マニア向けゲームですが、ゲーム説明の前に歴史的背景として、宗教改革の頃の歴史を親切丁寧にレクチャーしてくれます。ゲームのことはあんまり興味ないけど、この歴史ネタのところが面白くて仕方ないです。この連載が無かったら「第N次ウィーン包囲」なんてイベント一生知らなかったと思う。

(ちなみに、筆者によれば、日本で「ローマ”教皇”」と呼ばずに「ローマ”法王”」と呼ぶのは、外務省がバチカンを見下した「バチカンみたいな小国のトップなんぞ、「皇」なんぞ使わなくてもその下の「王」で十分だよ、ぺぺぺっ」という意志の現われだそーです。本当かどうかは知りませんが、そういえば二通りの呼び方が有りますね。初めて気がついた)。


・[連載]データで見る日米海戦史

 第12回。「太平洋戦争までの日米建艦史(1)」。日露戦争直後からの日米の軍艦の建艦状況の分析。昔の戦艦は、金剛とかみんなブリッジが低いですね。太平洋戦争頃の戦艦はみんな塔みたいですが、いつ頃から伸びていったのですかね。


★次回予告

 「ソロモン海空戦」。付録ゲーム「Iron Bottom and Sunset Sky」は、同人時代のGJが得意だった(?)カードゲーム。


 前号はテーマが(手垢のつきまくった)バルバロッサ物だったのでイマイチ面白くなかったのですが、今度の号は特集も座談会も面白くて嬉しい。