感想:推理ドラマ「ミステリースペシャル 探偵Xからの挑戦状! Season3」第3話(最終回)「怪盗Xからの挑戦状」(作者:米澤穂信)

探偵Xからの挑戦状! 公式サイト
http://www.nhk.or.jp/tanteix/

>「探偵Xからの挑戦状!」。これは、ケータイ小説とテレビ番組を連動させた全く新しいスタイルのミステリー番組です。

>待望のseason3、ついに放送決定! 北村薫貫井徳郎米澤穂信…。
>時代を代表する3人のミステリー作家が、アナタの頭脳に挑戦する!

 NHK総合での視聴です(22:00-22:48)。

第3話(最終回) 怪盗Xからの挑戦状(作者:米澤穂信


■あらすじ

>毎回ミステリー問題の出題者として、OL江戸川蘭子(長澤まさみ)をからかってきた探偵X(竹中直人)。今回、その探偵Xのもとに、よりによって世紀の大泥棒・怪盗Xが「挑戦状」を携えてやってきた。自分が、秘宝を盗もうと潜入した山中のホテルで宿泊客の一人が殺されたのだという。ホテルは雪に閉ざされ、容疑者は、数人の宿泊客に絞られた。

>怪盗Xがひそかに撮影していた映像記録をもとに、はたして探偵Xは、犯人を指摘することが出来るのか?そして、「探偵」としての面目を保つことが出来るのか?…

>人工的な設定の中でアクロバティックな推理が華麗に展開する、奇才・米澤穂信らしい傑作が登場する。MCドラマと推理ドラマが渾然一体となった、仰天の仕掛けもお楽しみいただきたい。


■感想

 いやー、これは面白かった。普段はホストと言うか番組の進行役と言うかの二人がメインキャラとなり、さらに美学を連呼する「怪盗」まで登場するという異色ぷりがたまりませんでした。あと怪盗X作成の映像がタイトルから登場人物一覧から出てくるドラマ仕立てなのがまたおかしかった。

 さて謎解きの方ですが…、ギャアア〜、やられたー!!。証拠と論理の積み上げによって犯人が突き止められると見せかけて(?)、オチは叙述トリックというかそれ的な物だったとは〜。これは悔しい。ちゃんと登場人物の名前を全てメモっていたのに「あれぇ?」と思っただけで深く考えず。結局作者の罠に見事に引っかかってしまった自分が情けない…

 番組全体の感想としては、第二話「ビスケット」がアンフェア過ぎて激怒しましたが(答えを知らないと回答出来ないと言うのは推理じゃなくクイズだ)、第一話は正当な謎解きでしたし、第三話は変則構成ながら堪能させてもらいました。三打数二安打ということでまずまずの出来だったでしょう。また一年後くらいに新シリーズを放映してくれる事を希望します。


 最後に備忘録的に正解も書いておきます(見たくない人は飛ばしてくださいな)。

10

□解決編

 犯人は外山映彦。探偵Xが見た記録映像には映っていなかったが、ちゃんと宿泊していた。探偵Xのテレビは設定のせいで画面の左右が切れていたため、その範囲に映っていた外山に気が付かなかった。

 しかし、ホテル「天弓館」は天の弓、つまり虹にちなんで七室あり「満室」という事から誰かもう一人いたことは推理可能。さらに記録映像の冒頭でちゃんと宿泊客の一覧が表示されており、その中に「外山」の名前が有った。