感想:映画「スター・トレック」(2009年:米)

スター・トレック[4K ULTRA HD + Blu-ray]

 衛星放送のWOWOWでの視聴です。(放送日は今年 6/8(水))。字幕。


■概要

 SF。宇宙アクション物。1960年代にテレビで放映され、以後幾多の派生作品を生んだ「スター・トレック宇宙大作戦」を、キャラクター名などそのままに、ストーリーを新解釈で作り直した作品。監督:J・J・エイブラムス

 ちなみに、1979年作の同名映画(監督:ロバート・ワイズ)とは、世界観は一緒ですが中身は別物です。


■あらすじ

 ジェイムズ・T・カークは、生まれたその日に宇宙艦隊に勤務していた父親を亡くし、以後すさんだ気持ちのまま成長したが、亡き父の旧友の勧めを聞き入れ、自分も宇宙艦隊を志願した。3年後、士官候補生となったカークは、惑星バルカンが正体不明の相手に攻撃を受けた事を知る。カークは、ある理由から強引に新造戦艦エンタープライズ号に乗り込み、バルカンへと向かうが・・・


■感想

 「スター・トレック」は、初代TVシリーズから始まって、映画・TVで沢山の派生シリーズが作られて巨大な作品世界を構成しているため、近年の作品はもうファンで無いと理解不可能っぽく、素人は門前払い的な状況でした。

 そういうマニアだけ相手にする状況はマズイ、と思ったのか、この映画は、初代TVシリーズとキャラ名や惑星名などの設定は同じですが、基本的に過去の作品とはほぼつながりの無い、まるっきりの新作として作られていて、シリーズの事を知らなくても普通に楽しめます。『一人のはみ出しものの若者が、試練を経て、最後に一人前の艦長として認められるまで』を描くSF冒険物で、2時間超の大作でしたが、退屈せずなかなかに楽しめました。


 問題は・・・、「こんなの『スター・トレック宇宙大作戦』じゃねー!!」という反発心が抑えられないストーリーでしょうか。半分チンピラみたいなカークがあんまり大した事をしていないのに艦長として認められたり、惑星バルカンがXXされたり、スポックとウフーラが人目をはばからないラブラブ関係だったり、となんだそりゃ的な展開の連発。

 また、カークは艦隊に入る前に、クリストファー・パイクやウフーラやドクター・マッコイと知り合いだったという設定も引っかかる・・・、まあTVシリーズでそれを否定するような描写は無かったものの、「同じ艦に配備されたから知り合った」と思っていたし・・・、あと宇宙艦隊には船が10隻くらいしか無いのか、的なストーリーもなぁ・・・、そしてラストの「上手くテレビシリーズに繋いだでしょ、テヘッ(ハートマーク)」的なオチがまたなんかムカツク・・・

 という事で「SF映画としては面白いが、『スター・トレック宇宙大作戦』を名乗る作品としては認められない!」という微妙な映画に仕上がっております。まあ、ホントにスタトレのことを全く知らない人なら、素直に楽しめる映画だとは思うのですけどねぇ・・・、うーん、なんとも微妙な映画でした。