感想:小説「ヴァルベ星間帝国」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 408巻)


 小説「ヴァルベ星間帝国」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 408巻)の感想です。

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■データ(公式)
http://www.amazon.co.jp/dp/415011823X/
ヴァルベ星間帝国 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-408 宇宙英雄ローダン・シリーズ 408) [文庫]
クルト・マール (著), ウィリアム・フォルツ (著), 工藤 稜 (イラスト), 嶋田 洋一 (翻訳)
文庫: 256ページ
出版社: 早川書房 (2011/9/9)
言語 日本語
ISBN-10: 415011823X
ISBN-13: 978-4150118235
発売日: 2011/9/9

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宇宙英雄ローダン・シリーズ[408]巻

 日本で発売されている小説では最長を誇るSF「宇宙英雄ローダン・シリーズ」の一冊です。

発売  = 2011/09/09
サイクル= 第13サイクル「バルディオク」

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◇815話 7D人間(クルト・マール)(訳者:嶋田洋一)

 ケロスカーは「n次元計算能力」を失い、80年計画は崩壊しつつあった。ケロスカーはケルシュル・ヴァンネの援助を得るため、ラール人に『7D人間』という作り話を吹き込むが?

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 みっちりこってりのお話。タイトルがいきなり「何それ?」ですが、ケロスカーが軽やかにラール人に7D人間のウソ設定を吹き込むくだりには「おお、そういう意味ですか」と膝を叩きたくなりました。

 ケルシュルがラール人の中に入り込んでいく展開も楽しいのですが、さらにビックリなのは「瓦礫人」の設定がここで出てきたこと(同人の翻訳では「廃墟の民」という名前でした)。ベテラン読者なら「どうせいつもの様に一回きりの使い捨て設定だろ」と見切るところですが、どっこいこの設定は実は今後の伏線だったりするのです。この頃のローダンは複数のお話が並行して走っていて充実してますね。

 ところでエラートはどこに消えたの?


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◆816話 ヴァルベ星間帝国(ウィリアム・フォルツ)(訳者:嶋田洋一)

 《ソル》はフルクースが未知種族「ヴァルベ人」に攻撃を加えているシーンに遭遇した。ローダンは対バルディオク戦のため、ヴァルベ人と同盟しようとするが?!

−>

 すっかり狂気の人と化したローダンがちょっと怖い。地球が出現した銀河名がようやく「ガヌール銀河」と判明したり、バルディオクの三具象の称号が全部解ったりと、こっちも面白かった。

 P171からいきなりアトランティス云々と出てきて、大半の読者は「はぁ?」ですが、これは、アトランが主役の別シリーズ「アトランシリーズ」の1ストーリー「アトランティスの王」の内容です。何故いきなりこんなところにこの話のことが?! と思ったのですが、どうもローダン800話代の頃に丁度「アトランティスの王」が連載されていた模様。さらにどちらもフォルツ先生があらすじ作家だったらしい。強引な宣伝ですか。


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★表紙絵

 メインは新登場の「ヴァルベ人」。右下がアトランとブジョ・ブレイスコル。

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★予告

 次巻409巻タイトルは「重力ハッチ」(2011年9月22発売予定)。

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★おまけ

 あらすじネタバレ版はこちらへ。

ペリー・ローダンへの道
http://homepage2.nifty.com/archduke/PRSindex.htm

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ヴァルベ星間帝国 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-408 宇宙英雄ローダン・シリーズ 408)

ヴァルベ星間帝国 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-408 宇宙英雄ローダン・シリーズ 408)

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