感想:オタク系情報番組「コンテンツビジネス最前線 ジャパコンTV」『巻き起こせモンスーノ旋風!』他(2012年8月24日深夜)


 オタク系情報番組「コンテンツビジネス最前線 ジャパコンTV」の感想です。

■コンテンツビジネス最前線 ジャパコンTV|BSフジ
http://www.bsfuji.tv/japacontv/

>「アニメ」「ゲーム」「漫画」「ファッション」をはじめ、今後、日本経済を支えるジャンルとして期待される”ジャパン コンテンツ産業”。経済産業省もクールジャパン戦略として、この素晴らしい日本のコンテンツを経済成長政策の一つとして取り組んでいる。日本のコンテンツビジネスの最前線を国内、海外問わず徹底取材し、深く・鋭く切り込むビジネスエンタテインメント。<キャスト>
台場ミサキ(レポーター役):豊崎愛生
藤小梅(キャスター役):高垣彩陽
乙産軽一郎(解説者役):鷲崎健
ぐにゅ(マスコット役):やまだん

 BSフジでの視聴です(放映:毎月1回 金曜深夜 00:00〜00:55)。


■内容

〇【特集1】『巻き起こせモンスーノ旋風! アメリカ発 日本アニメの新たな挑戦』

>世界市場でビジネス的に成功した日本アニメ「ポケモン」「遊戯王」「爆丸」、これに続けと日本と米国の有力企業が手を組み、今ビックプロジェクトが動いている。これが「MONSUNO(モンスーノ)」。

>なぜ日本のアニメを米国からスタートさせたのか、米国の玩具市場は日本アニメをどう捉えているのか。今回はこの「モンスーノ」のビジネス展開を徹底取材。世界No.1キッズ市場を誇る米国からスタートした「モンスーノ」、この秋いよいよ日本に上陸しテレビ放映や玩具販売を開始、その後ヨーロッパへの展開も予定されるなど、世界市場を目指したこのビックプロジェクトのビジネス戦略に迫る。

・今年春からアメリカでポケモン的な日本製の玩具連動アニメ「モンスーノ」がスタート
・アメリカの玩具市場は日本の三倍。ただしハリウッド系の玩具とかが一杯で入り込むのは難しい
・モンスーノのを仕掛けたのは電通(の系列会社)
電通側がアニメ、アメリカの会社が玩具、という分担で制作
・アニメは脚本アメリカ、キャラデザ・制作は日本
・脚本=アメリカなのは、ハリウッドとかシナリオの質が世界一だから(日本は原作付きアニメばかり)
ニコロデオン系のチャンネルで放送しているので、多国籍展開が狙える
・玩具はベイブレードとかを意識。
・日本ではバンダイが発売。カードゲーム要素も組み合わせた。

〇【特集2】『ジャパコングローバル展開の未来』
>日本のアニメは、ジャパンコンテンツとして今後グローバルに生き抜いて行けるのか。今回は日本アニメ界の重鎮 富野由悠季監督と若手から絶大なる支持を得る新海誠監督に独占インタビューを敢行。アニメ制作の最前線にいる二人にアニメの現状から今後に期待すること、ジャパコン文化として世界で受け入れられ、愛されるためには何が必要なのか、それぞれの視点から語って頂く。世代の異なる二人から見る日本アニメの現状は必見!

(1)富野監督インタビュー

アニメビジネスとは
・期待に応えるでは失敗する。「期待に応えてガンダムパート2を作る」では新しいコンテンツを作れない。ファンの期待に応える、ではタコツボ化してしまう


グローバル化について
・ローカルカラーを打ち出せば良い、では視野狭窄に陥る。


若い世代にアドバイ
・「ちゃんと」勉強しろ。ケータイもゲームもiPadも止めて自分の頭で考えろ。



(2)新海誠監督インタビュー

業界事情をどう思う?
・良い状態。原作モノだけでなくオリジナル作品がヒットしたりしている。ただDVDは売れなくなっているし、アニメーターが減っているとか問題も有る。


グローバル化について
・「秒速5センチメートル」とか日本の同世代向けのつもりだったのに中東とか全く違う外国でも受けたのでビックリ
・ローカルを突き詰めるとユニバーサルに通じる


CM制作について
大成建設のCM。地上波で流れたら映画よりよほど反応が大きくて驚いた


今後目指すアニメコンテンツとは
・遠くまで届く作品を作りたい



(3)その他
・フランスのジャパンエキスポでダルマを売る
・イタリア・フィレンツェの靴ブランド・フェラガモの創業者の孫にインタビュー



■感想

 すごい密度。志が低いなら「富野インタビューを水で薄めて60分埋めるかぁ」とかやりそうですが、たかが(?)BS番組のためにアメリカとかフランスとかイタリアとか出かけてインタビューを取って来てます。気合の入ったNHKスペシャル並の満足度でした。