【プロレス】元新日本プロレスの大塚直樹氏のその後(2009年3月4日時点)

Gスピリッツ Vol.40 (タツミムック)

●見たくない奴は見に来るな!:長州が22年ぶり全日参戦!当時、猪木を痛烈批判した仕掛人・ジャパンプロ代表が激白 - livedoor Blog(ブログ)
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 あの新日クーデター事件の首謀者・大塚直樹氏がジャパンプロレス崩壊後どうなったのかと調べてみたら、上記サイトに行き当りました。2009年3月と3年半も前のものですが、当時の大塚氏の近況と、クーデター後のあれこれについて語っています。
 

今はプロレスと関係のない仕事をされていて、お守りの企画製造卸販売をしているようです。この不況を感じさせないほど儲かってるそうです。

 

--プロレス界には厳しい逆風が吹いているが・・・
  大塚さん・・・馬場さんと猪木さんは力道山を乗り越えたと思っている。でも、その後が続かなかった。長州力は抜けた存在になるはずだったが。結局、メッキがはがれてしまった。
 
 
--確かに長州は一時代は築き上げましたが
  大塚さん・・・向こう気の強さや迫力のあるアピールなど、プロレスラーとしては素晴らしかった。人間としても基本的には親切で素直。聞く耳も持っていた。でも自分の気持ちにストレートで、常に楽な方に身を置きたがった。「社長」という価値感がわからなかった。馬場さんや猪木さんのように、経営者として苦労する道を選ぶことができない人間だった。
 
 
--長州とはたもとを分かちましたね。
  大塚さん・・・ネクタイ組と裸組は相いれない部分があるのでしょうね。私は馬場さんや猪木さんにも一時期とことん信頼してもらった。でも長州選手とは最後までそういう関係を、築けなかった。今ではジャパンプロレスを興したことを悔やんでいる。現在のプロレス多団体時代を誘発してしまったのでは、と。
 
 
--功罪、両面あるのでは・・・
  大塚さん・・・若気の至りだった。クーデターで猪木さん、坂口さんを裏切ってしまった。ここにきて、当時の猪木さんの言葉が理解できる。私が何もしなければ、何か違うやり方で臨んでいれば・・・ここまでプロレスが落ち込んでしまうことはなかった。「一枚のチケットで全団体が見られる」ことを目指して事を起こしたが、失敗だった。
 
 
--プロレス界の統一が目的だったのですね
  大塚さん・・・「一つにできる」と思っていた。まずグッズから始めようと当時の4団体、新日本、全日本、ジャパン、全日本女子と契約書を交わし、統一グッズ製作の手はずは整っていた。でも本格着手する前にジャパンプロレスの内部がおかしくなって、それどころではなくなってしまった。
 
 
--ジャパンプロレスが崩壊してしまったのは、大将選びを間違えたからですか?
  大塚さん・・・馬場さんや猪木さんからはいろんなことを教わった。設立メンバーとして加わった新日本プロレスでは、猪木さんとともに「プロレス市民権」のために頑張りました。
 
 
--「プロレス市民権」とは懐かしい言葉ですね
  大塚さん・・・ファンや営業先から「プロレスは八百長じゃないの?」と、聞かれた時の答えを猪木さんは用意してくれた。
 
 
--「風車の理論」というのもありましたね
  大塚さん・・・自分の力が10で相手の力が1だとする。実力的には1分以内で決着をつけられるが、それじゃあプロではない。1の力を6、7にまで引き出してやる。そして自分は8の力で仕留める。「レスラーは頭を使え」ということでしょうね。
 
 
--猪木は著書の中で、風車の理論とは相手の技を下手によけたり受け止めるよりも、逆らわずに受け流せば、ダメージを少なくできる、といったことも書いています
  大塚さん・・・猪木さんの言葉は、プロレスだけでなく人生そのものにも通用するものが多かった。白い目で見られがちだったプロレスを、メジャーにしようと一生懸命だった。「野球や大相撲、サッカーなどに、負けるか」と、猪木さんも我々フロントも熱かった。
 
 
--ファンもそうでした
  大塚さん・・・熱心なファンも大勢いた。何百試合も観戦してくれている人もいて、表彰したりもした。猪木さんを核にして、みんな燃えてました。
 
 
--今では没交渉ですか
  大塚さん・・・数年前に京都駅で偶然、出くわしたことがある。遠くから見つけてくれて大声で「大塚!」と手を振ってくれた。向こうは急いでいるはずなのに、10分以上話し込んだ。大きくて影響力のある人ですよ。翌日、数人の関係者から「猪木さんと会ったのか?」と電話がかかってきた。やはり飛び抜けた存在です。
 
 
--猪木の功罪両面を指摘する見方もある
  大塚さん・・・猪木さんの心を読める人が側に必要なんじゃないですか。プロレス復興には猪木さんは欠かせないのですから。
 
 
--馬場さんとはどんな付き合いを
  大塚さん・・・懐が深くて頭が良くて礼節をわきまえていらっしゃった。ただ、答えを出していただくまでに時間がかかった。交渉事でもジャブの応酬ばかりで、本格的な打ち合いにはならない。その内、葉巻をくゆらせながら「次回でいいじゃないか」となる。
 
 
--馬場さんは他界され、猪木さんも新日本プロレスから離れ、プロレス界も様変わりしたが
  大塚さん・・・厳しい話が耳に入ってきます。まず土台をキッチリすることが大事。レスラーの技量も団体も。とにかく分かりやすくないと。力道山時代は悪党はとことん悪党だった。本物の悪党をヒーローが倒す。水戸黄門や遠山の金さんでいい。大原則が忘れられている。
 
 
--予定調和でいいと
  大塚さん・・・もちろん、それだけでは・・・。サプライズも不可欠だけど、今は1年、2年と積み上げていく時期。一日の試合も第1試合から徐々に盛り上げて、メインイベントでピークを迎える。前座は殴る、蹴るでいいんです。お客さんはストレス解消に会場に足を運んでくれるんです。
 
 
--今こそ黄金時代を築いた大塚さんの経験が求められているのでは
  大塚さん・・・悔いのある人生なんです。ご迷惑をおかけした人にお詫びしたい。プロレスに携わったことで貴重な体験ができた。日本全国、都道府そしてすべての県に行ったことのある人はいるかもしれませんが、全国のあらゆる市も訪れた。海外も行かせてもらいました。業界の人たちにもファンにも感謝してます。何かお役に立てることがあれば、いつでも駆けつけます。

 
 なんとも懐かしい名前ですね。プロレス市民権とかもう昭和の香り過ぎて……
 
昭和プロレス維新―BIという強大な時代の壁に挑んだ長州ジャパン・プロ (NIPPON SPORTS MOOK 41)