感想:百合系漫画誌「コミック百合姫2013年1月号」(2012年11月17日発売)

コミック百合姫 2013年 01月号 [雑誌]

 発売日:2012年11月17日(奇数月18日発売)
(※以下、雑誌の内容に触れていますのでご注意ください)

一迅社WEB コミック百合姫
http://www2.ichijinsha.co.jp/yurihime/

 
表紙イラスト[浜弓場双]
COVER STORY -LOVE STORY-[浜弓場双]



沼、暗闇、夜の森[さかもと麻乃]

 読みきり。主人公は一人でブツブツ話していて、周囲からは痛い子だと思われているが、実は死者が見えて話せる。でもクラスの人気者の彼女とは話したいと密かに願っていますが…

 最後、突然その人気者さんが主人公に話しかけてくる。何故か? それは主人公が人気者さんを殴り殺して死人にしちゃったからです…、というクライマックスの展開はちょっと驚くかも。最後に「…という妄想でした」と語られて、殺人漫画にならずに済みますが、とにかく百合という言葉からは想像される恋愛要素は皆無。どっちかというとヒッチコック劇場とかトワイライトゾーンとかあれ的な感じの作品。

 ちなみに作者さんは以前コミックフラッパーで「ペーパーウエイトアイ」を描いていた人でした。見た絵だと思いました。



少女惑星[柏原麻実]

 連作シリーズ。お金持ちのお嬢様で学校の女王様的なキャラと、そのお付き的な地味ヒロインさん。ヒロインさんは子供の頃から女王様の暴言というかには慣れっこなのですが、ある日つい耐え切れなくなってしまい…

 この人の百合漫画はいつも痛々しいというかそういう表現がぴったりだ。



この愛の不幸は[ふじはら]

 新人の読みきり。双子の姉妹のうち、妹は品行方正ですが、姉は学校の備品を破壊する問題児。先生ももう姉をかばいきれない状態ですが…

 実は犯人は妹の方で、精神を病んでいて、愛しいものを傷つけずにいられない。昔は本気で姉を怪我させていたのですが、今は姉の写真にホチキスの針をぶちぶち刺して紛らわし、それでも耐え切れない場合は(姉のふりをして)備品破壊に走るという壊れっぷり。姉の方は妹をかばって犯人のフリをしていて。最後はそんな妹でも受け止める姉の姿でおしまい。…、暗いよ、暗すぎるよ。絵は凄く可愛いのですが、描いている内容が救われなさ過ぎるわ! 今後もこんなダーク作品を連発するのか、単に今回だけなのか予断を許しません。



ゆるゆり[なもり]

 二話掲載。「京子があかりに嫌いといわれて落ち込む の巻」と「ちなつが風邪で高熱を出しながら結衣に会いたくて無理やり学校に行ってみると… の巻」の二本です。



ストレンジベイビーズ[大沢やよい]

 主人公さんは新入生さんに猛烈に好かれてハーレムか?と大喜び。しかもついにガチに「愛してる」と告白されてしまいます。どうすればいいのか解らないので、配信仲間に相談しますが…

 結構好き。



百合男子[倉田嘘]

 巻末カラー。新展開。学校行事で雪山にスキーに出かけ、主人公は心の中で百合設定しているカップルを見守るため、近づいてくるうさんくさい男たちを排除していきます。ところが百合カップルの一人と雪山遭難してしまい…

 いきなり表紙で「百合豚と改名すべきか?」とか書いているのに笑わせてもらいました。よくある漫画表現「迷っている時、天使と悪魔がでてきて言い争う」の内容も全て百合ネタ。なんかもうただのドラゴンボールパロディ漫画化しつつありますが、バカバカしいから良いのだ。
 
ストレンジベイビーズ (IDコミックス 百合姫コミックス)