感想:ドラマ「実験刑事トトリ」第5回(最終回)「二人の絆〜実験刑事が最後に見たもの」(2012年12月1日放送)


 ドラマ「実験刑事トトリ」(全5回)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■実験刑事トトリ | NHK土曜ドラマスペシャ
http://www.nhk.or.jp/dodra/dodrasp/index.html#d12

 NHK 総合での視聴です(放映:毎週土曜 21:00〜21:58)。

第5回(最終回) 『最終回 二人の絆〜実験刑事が最後に見たもの』


■あらすじ

 一年前。大手音響機器メーカー社長・石峯(いしみね)(竜雷太)は、部下・和田(鶴見辰吾)によって社長を解任された。激昂した石峯は和田に掴みかかろうとして転倒、足を骨折してしまう。そして現在。石峯はリハビリを怠ったため足が弱り、もはや車椅子でしか動けないと思われていたが、それは周囲を欺く偽装で、実は普通に歩くことが出来た。石峯は和田を自宅に呼び寄せて撲殺し、物取りが和田と鉢合わせして殺したように偽装する。

 一方、安永は上司から都鳥とのコンビ解散を命じられた。都鳥は警察を辞め、以前所属していた研究室に戻るらしい。二人はコンビ最後の事件として石峰の事件を扱う事になった。警察は自由に動けない石峯を容疑者から外すが、都鳥は現場の細かい状況から様々な不審点を見つけ、石峰の犯行と確信する。最終的に都鳥は石峯が歩けることを証明した。

 事件解決後、安永は、都鳥は研究室に戻るのではなく、より優秀な人材とコンビを組むため、自分とのコンビを解散する事を知るが、都鳥はまだ安永から学ぶ事があるのでコンビを続けたいという。しかしそのあと、都鳥は安永が思わせぶりに言っていた事が、しょうもないナゾナゾだと知り、やっぱりコンビは解散したい〜、と叫んでいるシーンでおしまい。



■感想

 途中までは面白かったのですが、最後が「犯人の情に訴える」という解決だったのはいただけない。こういうウェットな解決方法はどうもねぇ。


 結局、全5回の内、1・2回目は見逃したので残り3回を見た上での感想ですが、評価としては「並」ですね。

・都鳥がコロンボのパクリくさいキャラ付けながらなかなかいい味を出していた
・安永との「トトリくん?」「先輩」という年齢と立場が逆なコンビがユーモラス
コロンボ以降の倒叙モノのお約束で、地位のある人間が緻密に計画を立てて犯行に及ぶものの、細かいミスで犯行がバレる

 といった点は評価しますが、全体に作りが甘い感じ。コロンボのカタルシスのポイントだった「最後に言い逃れのできない証拠を突きつけて犯人を降参させる」というシーンが無く、その代わりとなる見せ場も無かった、という事で、なんとなくラストがしまらない番組になっていたと思います。言うなれば「似非コロンボ」で終わってしまったというか…、

 第4話はガンと証拠を突きつけて完璧に有罪を立証できましたが、3・5話はその辺りが曖昧で…、という事で「悪くは無いけどもう一つ切れ味に欠けた番組」という評価です。ホント、悪くは無かったんですけどね…