感想:アニメ「はたらく魔王さま!」第8話「勇者、修羅場に突入する」(2013年5月24日(木)深夜放送)


 アニメ「はたらく魔王さま!」(全13話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■TVアニメ『はたらく魔王さま!』公式サイト
http://maousama.jp/

 BSデジタル放送BS日テレでの視聴です。

第8話 勇者、修羅場に突入する


■あらすじ

 千穂はサタンが隣室の女性に弁当を作ってもらったのを知り、すぐさま翌朝弁当持参でエミリアと共に魔王城を訪問した。ところがそのライバルと目する鈴乃が朝からサタンたちの食事を作っているシーンを目撃して、さらなるショックを受ける。しかし話してみると鈴乃が結構いい人とわかり、千穂はあっさり打ち解ける。魔王城からの帰り道、千穂は付き添いのサタンに正面から告白するが、それを鈴乃に聞かれていたのを知り、恥ずかしさのあまりその場から逃げ出してしまう。


 エミリアは鈴乃が職探しをするにあたり、和服しか持っていないというので、店を紹介してあげることにした。その最中、鈴乃はエンテ・イスラから来た事をさらっと語りエミリアを驚かすが、逆に鈴乃もエミリアに正体がばれていなかったことに驚く。鈴乃こと「クレスティア・ベル」は教会の異端審問官で、その目的は魔王を倒すことと、勇者が魔王と結託したという噂の調査だった。エミリアは魔王との繋がりを否定するが、魔王を倒すのは自分の役目だと宣言する。どうやら先日エミリアを襲ったのは鈴乃ではない様だった。そして、二人の話の内容を勘違いしたエミリアの友人の理香は、二人が男の取り合いで修羅場っていると思い込み大喜びする。


 同じ頃サタンたちのバイト先マグロナルドは、目と鼻の先に新規開店したライバル店「センタッキーフライドチキン」に客を奪われ、閑古鳥が鳴いていた。センタッキーの店長は余裕綽々でマグロナルドを表敬訪問してくるが、サタンはセンタッキーの偵察のため「草」(スパイね)としてアルシエルを送り込む。


■感想

 悲しいことに折り返し点を過ぎてしまいましたが、お話はますます好調。基本ラインは『フリーター主人公とその周囲の人たちの青春物』みたいなノリの展開で、これだけでも十分面白いのですが、さらにそこに異世界がどうたらというファンタジー要素を挟み込んできて、しかもこの両者が全く違和感なく融合しているのですから、もうたまりません。


 あと、今回もう一つ凄いと思ったのが細かい芝居。序盤の魔王城での食事シーンで、サタンだけが状況をわかっていなくて、それを見たアルシエルたちが顔をしかめたりする描写にホホウとか思ったのですが、さらに驚いたのはエミリアと鈴乃がスターバックス的店でコーヒーを飲む場面。エミリアと鈴乃がそれそれクリームの容器の蓋をはがすときにちょこっとこほして、それをさっと拭う場面が有るのですが、ふつうこんなことをアニメで作画しますか? 実写ドラマならやるかもしれませんけど、わざわざこんな絵を描くというところに、スタッフのこだわりというかそういうのを感じてしまいます(私のかいかぶりかもしれませんけど)。


 ところで鈴乃はどうやって昭和のドキュメンタリーとか時代劇を見たの? テレビを知らなかったと言っておったのに?


★追記(2013/05/26 16:30)

 原作小説を読んでいる方からコメントをいただきました。コーヒー店でのクリームふき取りシーンの意味合いは、『鈴乃がエミリアがクリームをこぼして吹く仕草を見て、こちらの世界はそういう作法なのかとそっくり真似した』という描写なのだだそうです。ほーう。