感想:NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」『File-02』(2013年6月12日(水)放送)

 NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/

 衛星放送・NHK BSプレミアムでの視聴です。(放送日:2013年6月12日(水) 21:00〜22:00)。


■概要

UFO、ネッシー、雪男、予言&占い、心霊現象、超古代文明、妖怪、吸血鬼、魔女…。闇の魅力がもつ妖しげな幻に対して、「今、何がどこまでわかっているのか?」を徹底検証!そこから浮かぶのは、自然の神秘、私たちの脳や心の不思議なメカニズム、社会のからくり、昔の人の驚くべき技術と想像力…。ダークサイドの向こうの“本物の不思議”をワクワクしながら楽しんでいただく、NHKならではの超常現象ガチンコ検証番組!


出演者 栗山 千明 (くりやま ちあき)
オープニング・テーマ“Arcadiaアルカディア)” & エンディング・テーマ:志方あきこ
語り:中田譲治

File-02


■内容

「これこそ本物!?」幽霊や宇宙人、謎の現象を写した怪奇映像を大特集。驚きの正体に迫る!◇あなたも逃げられない…魔女狩りの恐怖。◇巨石像モアイが歩く?決定的瞬間!

「防犯カメラに幽霊が!」「集合写真に生首が!」「隕石を破壊するUFO」「捕獲された宇宙人」…不思議な映像に隠された秘密とは?背筋が凍る心霊動画から、スマホで簡単に撮れる恐怖写真まで徹底検証!▽「お前は魔女だ!」アメリカの小さな村で20人が殺された魔女狩り事件。大人を血塗られた惨劇に巻き込んだのは、純粋な少女たち…いったい何が起きたのか?▽衝撃!感動!イースター島の伝承「モアイが歩いた」大実験!


(1)恐怖映像

・ネット動画の恐怖映像
 1)2003年 ポルトガル・シントラ郊外。深夜車で山道をドライブ中の三人の若者が、道端に立っていたテレサという女性を乗せた。ところが走り出して少し経つと、テレサは「そこのカーブで事故が有って私は死んだ」と言い出し、次の瞬間車が事故を起こす。

 2)2008年 シンガポール・深夜のオフィスビル内。エレベーターから二人の男が降りると、その後にうつむいた幽霊が映っている。

 じつはどちらもフィクション映像。前者はポルトガルの映画プロデューサーが作成したフェイクドキュメンタリー映像を自分のサイトで公開していたら、誰かが勝手にコピーして実話として動画サイトにアップしてしまい、その後世界中に拡散した。後者は、コンサルティング会社が作成したCMで、深夜まで働いていると健康を崩して幽霊まで見てしまう、という事を訴える「労働意識改善CM」だった。しかしこちらも本物として拡散してしまった。


・有名な「捕まった小人宇宙人」写真。オカルト本には「1949年に西ドイツに円盤が墜落し、身長80センチの宇宙人が捕獲されたが、すぐに死んだ゛」とされている。この写真の出どころは、1950年4月に西ドイツで創刊された雑誌「ノイエ・イル ストリアーテ」の創刊号。アメリカのアリゾナ州に出現した円盤をアメリカ軍が攻撃し、墜落した円盤から青く光る火星人が出てきた、とある。しかし翌週号には「創刊号はエイプリルフール特集でした。火星人写真も作り物です」と書かれていた。

 ところが二ヶ月後の1950年6月、アメリカ空軍の雑誌「トーク・オブ・タイムス」が火星人写真を掲載し、アリゾナ州フェニックスで宇宙人が捕まった。という記事が掲載されたが、これがジョークであるという情報が抜け落ちていた。空軍の雑誌に掲載されお墨付きを得たことで、この写真は本物として引用されていくことになった。

・火星の人面岩。模型に色々な方向から光を当てると、ほとんどの方向ではただの岩山にしか見えないが、ある一方から光を当てた時だけ偶然にも人の顔のように見える。

・2013年2月15日・ロシア・チェリャビンスク州に隕石が落下した。この際「隕石をUFOが空中で破壊した」という動画が公開された。しかし、調べてみると、フロントガラスのゴミと光が一緒に動いているので、光はフロントガラスについた傷が光っているだけと推測される。車の動きでガラスの光と向こうの隕石が重なったように見えただけ。

・心霊写真の作り方。プロが「肩に手だけが映った画像」「体が透けた人間の画像」などをわざと取って、心霊写真は簡単に作れる事を説明。

スカイフィッシュ。ハエなどが飛ぶ姿が、シャッタースピードが遅い場合、捕らえきれず残像が謎の生物に見えてしまう。



(2)モアイ

 イースター島にはモアイが歩いて移動したという伝承がある。ある学者が「直立したモアイにロープをかけ、左右から揺らすことで歩くように移動させる」という実験に成功。


(3)セイラムの魔女

 300年前にアメリ東海岸の村セイラムで起きた有名な魔女狩り事件の説明。当時の人を笑うのはたやすいことですが、今年ボストンマラソン爆弾事件の際、ソーシャルメディアの参加者が「こいつが犯人だ!」とばかりに無実の人間をつるし上げており、魔女狩りは現代でも起こるのだと説明。


(4)有名人の名言

 デジデリウス・エラスムス(オランダの人文学者 1466~1536)
 人間の弱点を指摘した言葉
 「人の心は、真実よりも虚偽の方に影響されやすくできている」


■感想

 お、おもしれー。冒頭、ユーチューブの恐怖動画とか心霊写真を畳み掛けるように見せてくるので、「え、もしかしてNHKが『あなたの知らない世界』みたいなオカルト番組を?」とか驚いたのですが、すぐに「これらは実はフィクションで…」と種明かしを行い、以後、このような写真は実はこういうものだった、こんな風に撮られた、とかを解説。


 恐怖ネタだけでは無く、モアイ話は「科学情報」ですし、セイラム話は歴史のレクチャー、と、なんというか映像版の「ムー」みたいなノリです。いやー、面白い! あと、栗山千明の語り&中田譲治氏のナレーションもイイ。


 実はこの番組今年の三月から月一くらいのペースで放送されていて、ネッシーがどうとかエイリアンに誘拐されたとかのネタをがんがんやっているそうなんですよ! うぉぉぉ、何故今まで気がつかなかったんだ、私のバカバカ。


 次回放送は7月12日らしいので、今後はきっちりチェックするぞ。