【科学】感想:NHK番組「NHKスペシャル 神の数式」『第2回 宇宙はどこから来たのか 〜最後の難問に挑む天才たち〜』(2013年9月22日(日)放送)

神の数式 完全版 DVD-BOX
 NHK番組「神の数式」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■公式サイト
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0922/

 NHK総合での視聴です(放送日:2013年9月22日(日) 21:00〜21:58)。
 
第1回の内容
perry-r.hatenablog.com

  
■概要

第2回は、物質の理論を手にした物理学者たちが、もう一つの偉大な理論、広大な宇宙を支配するアインシュタイン一般相対性理論(重力理論)との統合をめざし、その2つを網羅する“神の数式”に迫ろうとする闘いを描く。ミクロの物質から、極大の宇宙の果てまで、ほとんどを数式で表すことに成功した人類だが、どうしても説明できない場所が存在する。それはブラックホールの奥底だ。宇宙空間の超ミクロの点を解き明かすことができれば、宇宙がどのように始まったのか、という究極の難問にも答えることができる。


現在彼らがたどり着いたのは偉大な2つの理論を含む「超弦理論」と呼ばれる最新の数式。しかしその数式が示したのは「物質の根源は点ではなく、“ひも”である。そして、この世は“10次元”でなければならない」という、私たちの常識をはるかにを超えた世界像だった。車いすの天才スティーブン・ホーキング博士ら一流の物理学者たちが、ブラックホールをめぐって議論を闘わせてきた、人類の知のフロンティアを映像化していく。

第2回 宇宙はどこから来たのか 〜最後の難問に挑む天才たち〜


■内容

・宇宙誕生の瞬間はブラックホールの底と数学的に同じ物。だからブラックホールの底を数学的に表せると宇宙誕生の瞬間が解明できる
・宇宙については一般相対性理論(重力理論)で解明できると思われていた。しかしブラックホールの底は数式に無限大が現われ計算不可能
・そこで学者は、既に確立されている「素粒子の数式」を重力理論と組み合わせようとした。ブラックホールの底は「点」つまりミクロの世界だから。
・ところが二つの式を組み合わせると、またも無限大が発生してしまい計算できない。
・そのため50年間ほど進歩がなかった
・1970年代に「超弦理論」が提唱された。それは素粒子は点では無く輪ゴムのような『弦』だとする考え。これなら無限大は出てこない
・しかし前提として「宇宙は10次元」でなくてはならないため、無視された
・その後、超弦理論の数式に重力と素粒子の数式が含まれていることが解り、一気に主流派になった
・次元はミクロの世界に隠れているという。例えば、人が綱渡りをする場合、前後しか動けないから一次元。しかし綱の上を歩いている小さな虫にとっては綱は平面の二次元。つまりミクロの観点で見れば次元が増えていく。
・現在超弦理論で解明の真っ最中


■感想

 第二夜も絶好調。素人は理解できるとは思えななかった重力と素粒子の数式の統合の話から始まり、超弦理論の概要、見えない次元はどこにあるかの説明など、噛んで含めるように説明してくれるばかりか、さらに研究に関わった学者たちの人生の物語まで盛り込んでくれていて、もう満腹。

 NHKについては色々思うところはありますが、こういう番組を見せられるとやはり「やるときはやるなぁ」と思ってしまいます。
 
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