感想:NHK番組「NHKスペシャル 神の数式」『第1回 この世は何からできているのか 〜天才たちの100年の苦闘〜』(2013年9月21日(土)放送)

神の数式 完全版 DVD-BOX
 NHK番組「神の数式」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■公式サイト
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0921/

 NHK総合での視聴です(放送日:2013年9月21日(土) 21:00〜21:58)。


■概要

2千年以上に及ぶ人類の思索の歴史。それは、全宇宙の謎を解く唯一無二の“神の数式”を追い求めた歴史でもあった。ニュートンアインシュタイン以来、科学者たちは「あらゆる自然現象は、最終的には一つの数式で説明できるはずだ」と信じてきたのだ。そして今年、ヒッグス粒子の発見によって、人類は“神の数式”の完成に向け、大きく前進しようとしている。この番組は、“神の数式”の探求に挑んだ天才たちの、苦悩と創造、ときには狂気さえはらんだ思索のドラマをビジュアル化することを目指す、野心的シリーズである。


第1回は、「なぜモノに重さ」があるのかという、素朴とも言える問いに挑んできた天才たちの物語。ヒッグス粒子の発見は、ノーベル賞を受賞した南部陽一郎博士らの「標準理論」と呼ばれる数式が、全ての物質を書き表す数式であるということを証明するものであった。その本質は、「もともと対称だった世界が、対称でなくなることで重さが生まれる」という奇想天外なものであった。あまりの大胆さ故に一度は葬られた南部博士の理論がどのようにして蘇り、ついには実験で確認されたのか、今年91歳になる南部博士らの証言ドキュメントと最新CGによって、知的興奮に満ちたドラマと斬新な世界観を描いていく。

第1回 この世は何からできているのか 〜天才たちの100年の苦闘〜


■内容

・物理学者はこの世の全てを数式で書くことを目指している(大気の動きとかオーロラの発生とか電気とか)
・究極の「万物の理論」が目標
・100年前から素粒子(電子、ニュートリノクォーク二種類)の性質と、それらをまとめる力「電磁気力」「弱い核力」「強い核力」を示す方程式が次々と作られた
・ところが「重さ」が存在するためには「ヒッグス粒子」という粒子を仮定する必要があった
・2012年にヒッグス粒子が発見され、「電磁気力/弱い核力/強い核力」を一つの式で書く「標準理論」が完成した。
・しかし学者は「重力」を組み込んだ式の完成を目指している


■感想

 大ヒットです。以前放送した「ポアンカレ予想」を説明する番組が、ど素人に難解な数学の理論を親切丁寧に説明する内容でいたく感心たものでしたが、今回の番組も同じような親切さに満ち溢れていて、すばらしい出来栄え。「対称性」とか「自発性対称性の破れ」とか、一般人がまず聞いた事が無いような概念を解りやすく説明していますし、また(理解には関係ないものの)「鎧を着込んだ物理学者が、数式という剣を武器に、様々な問題を打ち破っていく」というビジュアルイメージもなかなかセンスありました。

 次回放送も楽しみです。
 ↓
第2回
perry-r.hatenablog.com
 
 
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