感想:NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」『File-05』(2013年10月24日(木)放送)

 NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/

 衛星放送・NHK BSプレミアムでの視聴です。(放送日:2013年10月24日(木) 22:00〜23:00)。


■概要

>UFO、ネッシー、雪男、予言&占い、心霊現象、超古代文明、妖怪、吸血鬼、魔女…。闇の魅力がもつ妖しげな幻に対して、「今、何がどこまでわかっているのか?」を徹底検証!そこから浮かぶのは、自然の神秘、私たちの脳や心の不思議なメカニズム、社会のからくり、昔の人の驚くべき技術と想像力…。ダークサイドの向こうの“本物の不思議”をワクワクしながら楽しんでいただく、NHKならではの超常現象ガチンコ検証番組!


出演者 栗山千明 (くりやま ちあき)

テーマ曲: 志方あきこ
オープニング曲“Arcadiaアルカディア)”
エンディング曲“Leyre(レイレ)”
アルバム名/ “Turaida(トゥライダ)”

語り: 中田譲治(声優、俳優、ナレーター)
代表作 『巌窟王』(モンテ・クリスト伯爵)、『ケロロ軍曹』(ギロロ伍長)、『HELLSING』(アーカード)、『Fate/Zero』(言峰綺礼)、『劇場版 空の境界』(荒耶宗蓮)など

『File-05』


■内容

幻の未確認生物ツチノコ。目撃情報を追究、正体は呪いの精霊?◆巨人が実在?衝撃の証拠写真!◆神秘の水晶ドクロ!超古代文明の証拠?世界の謎を隠す秘宝?◆深海に人魚?


ついに捕獲!?骨を発見!?今も各地で目撃情報が相次ぐ謎の生物ツチノコ。ユーモラスな姿の反面、猛毒を持ち人を襲う凶暴な性質。縄文土器や日本神話に登場し、江戸時代は呪いとたたりで人々を恐れさせた、謎の怪物の正体は?▽妖しい輝きの透明な頭蓋骨…水晶ドクロ!世界中のドクロを集めると奇跡が起きる!?作ったのは超古代文明か?地球外生命か?科学的検証とともに歴代の持ち主の記録をたどると、驚くべき陰謀が!

(1)ツチノコ
ツチノコはいわゆる未確認生物。蛇の一種で、頭は三角、胴は太く、尻尾は細く短い。ジャンプしたり、丸まってコロコロ転がって移動したり、といわれる。
・爬虫類の専門家は「ヤマカガシ」の見間違えではないかとコメント
・元々ツチノコは「野槌(ノズチ)」とも呼ばれていて、日本神話の神様
・江戸時代あたりは、「蛇」「毛虫状の妖怪」「農機具の槌が変化した妖怪」などイメージが色々有った
・昭和38年に「山本素石」という随筆家が、山の中で謎の生物に出会ったことをきっかけに「ツチノコ」探しを始める。そして日本中の伝承を色々調査した。その頃に、ツチノコは妖怪ではなく「謎の蛇」のイメージが固まっていった
・そして「ツチノコを捕まえたらXX万円」というブーム到来
山本素石氏は民話の研究というかそんな感じで進めていたことが、お金が絡むいやらしいブームになってしまったことを嘆き「逃げろツチノコ」という本を書いている
・今の「未知の生物ツチノコ」というのは、神話やあるいは妖怪といった神秘的なものが「お金の絡んだ俗な物に堕した結果うまれたもの」といえる



(2)世界の怪事件
・イギリスの海洋調査隊の潜水艇の映像。窓の外に、手のひらに水かきの付いた怪生物(人魚?)が映っていた?! 実はこれは「ドキュメンタリー風味のフィクション」でした。

・ロシアで雲が円の形にぽっかり開いていた。異次元への扉か? 未知の飛行物体か? これは「穴あき雲」といって雲を飛行機が通り抜けたために発生したもの。もっとも加工映像かもしれませんけど。

ギリシャで身長5メートルの巨人の骨が出土? 実はウソ写真。サハラ砂漠の恐竜発掘現場の写真に人骨をミックスしたインチキ。



(3)クリスタル・スカル
・クリスタル・スカルとは古代マヤ文明で作られた水晶を加工して作ったドクロ。実に精巧で、現代技術をもってしても作ることは不可能。古代超文明の遺産なのか?!
・イギリスとフランスに一個ずつ、そして一番精巧な「ヘッジス・スカル」はアメリカにある。
・ヘッジス・スカルはアンナ・ヘッジスという人が1924年にマヤの遺跡で発見したと主張。
・ところが1943年にアンナの父がオークションで購入した記録があった。矛盾する。
・ヘッジス・スカルは1970年代の調査で「人の手で加工した形跡が無い」との結果が出た
・ところが2008年にアメリカ・スミソニアン博物館が調べなおしてみると、明らかにダイヤモンドで削った痕跡が残ってた。つまり超文明の遺産でもなんでもなかった。
・スカルの売買記録を調べてみると、19世紀末のフランス人「ユージン・ボバン」にたどり着いた。このボバンはメキシコからミイラやらを輸入して売っていたが偽造品もそれに紛れ込ませていたらしい。
・ボバンがドイツの宝石加工で有名な町「イーダー・オーバーシュタイン」でスカルを作らせたのではないか、という結論になりました。


(4)有名人の名言

 フランシス・ベーコン(哲学者 17世紀・イギリス)「人の知性は、いったんこうだと認めたことについては、これを支え合致するようなものだけを引き寄せがちである」
 
 
■感想

 ツチノコは怪生物の正体に迫るうちに「神話がだんだん俗な話に変わっていく」過程まで調べつくしていて、実にグッド。クリスタル・スカルも「ここで作ったに違いない」という街までたどり着くとは、やるなぁという感じ。こういう徹底調査ぶりがオカルトスキーとしては嬉しいですよ。


 次回放送は11月7日(木)22時です。