感想:ゲームブック「ホームズ復活のなぞ」(アレン・シャープ)(1987年3月発売)【クリア済】


 ゲームブック「ホームズ復活のなぞ」(アレン・シャープ)の感想です。


注:クリアしての感想です。

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■データ(公式)
http://www.amazon.co.jp/dp/4337206078
ホームズ復活のなぞ (アドベンチャーゲームブック) [単行本]
アレン シャープ (著), 土井 竜 (翻訳), 金成 泰三
単行本: 118ページ
出版社: 国土社 (1987/03)
ISBN-10: 4337206078
ISBN-13: 978-4337206076
発売日: 1987/03


>ホームズが行方知れずとなった3年間の空白!そこにはおどろくべき秘密が隠されていた。きみに、この謎ときができるか!


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■データ(個人的補足)

 子供向けの本専門の「国土社」(http://www.kokudosha.co.jp/)が発売していた「ケンブリッジ大学版アドベンチャーゲームブック」シリーズ(全10冊)の一つ。このシリーズは「怪奇・SF・冒険・ミステリー」専門のブランドだったようで、また全てアレン・シャープが書いています。

 ちなみに、英語奥付を見ると、原著は1986年に「ケンブリッジ・ユニバーシティ・プレス」というところから出版されています。しかし、シリーズ名や出版先に含まれている「ケンブリッジ大学」とこの本のつながりは、本のどこにも触れられていないため一切不明です……



■あらすじ

 1891年。名探偵ホームズは犯罪王モリアーティとともにスイス・ライヘンバッハの滝つぼに転落してこの世を去った。そして二年後。滝のそばに住む少年である「あなた」は、友人から滝の写真を手に入れるが、そこには一人の男性が映りこんでいた。これがホームズかモリアーティなら面白い、と、あなたは写真の撮影日付を調べ始めるが……



■内容紹介/感想

 字のサイズから見て、小学校3・4年生あたりがターゲットだと思います。

 パラグラフ数44。ゲームブック特有の「パラメーター」「サイコロ振り」「アイテム所有」といった概念は無く、また一パラグラフ(この本は「章」と呼んでいます)は2〜3ページもあるため、ゲームブックというより「分岐小説」という表現の方がしっくりきます。


 ストーリーはサスペンス風味というところで、主人公「ぼく」が写真について調べ始めると、やがて周囲で妙な事件が連続して起き……、という内容。そして複数あるバッドエンドに行き当たると、基本的に人死にが発生した後、「結局何もわからないままだった。あの時何が起きていたのだろう……」といったモノローグと共にもやもやした空気のまま終わってしまいます。もっと明るい「ホームズと一緒に冒険」みたいな内容かと思っていたので、意表を付くダークさでした。


 さて、この本を先に「分岐小説」と書きましたが、小説としての質は低く、話はサスペンスに必要なそれっぽい場面(怪しい物音が聞こえた。調べに行くか? そのまま寝るか?)を適当に並べただけで、読み通してみて一つの小説になっているわけでもないし、キャラクターの描写は稚拙で登場人物は殆どいないのに各人のキャラ付けは殆ど出来ていないし、と、読んでいて呆れかえる出来栄えです。グッドエンドにたどり着いても、「実はホームズとモリアーティは……」という真相をとってつけたように説明するだけで、大した満足感も得られませんでした。


 ブーム当時ゲームブックは玉石混淆だったのでしょうが、これは「石」のほうでしたね。思いっきり外れでした。しかし、まあ、「こんなゲームブックもあったのか」という知見を広められたので良しとしましょうか。


■その他
・プレイ時間:約40分
・難易度:5段階評価(5が最高)で1
・面白さ:5段階評価(5が最高)で1

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ホームズ復活のなぞ (アドベンチャー・ゲームブック)

ホームズ復活のなぞ (アドベンチャー・ゲームブック)

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