感想:アニメ「ウィザード・バリスターズ〜弁魔士セシル」第12話(最終回)「ジャッジメント Fact of Fiction」


 アニメ「ウィザード・バリスターズ〜弁魔士セシル」(全12話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■TVアニメ「ウィザード・バリスターズ〜弁魔士セシル」公式サイト
http://wizardbarristers.com/

 CS放送・AT-Xでの視聴です。

第12話(最終回) 『Case 12 ジャッジメント Fact of Fiction』


■あらすじ

 麻楠史文はセシルに弁護を依頼し、裁判で六年前の事件について証言するとしおらしい態度を見せる。ところが裁判は検事が六年前にセシルの母親を陥れた時と同じ相手で、最初からセシルに敵意むき出しの上、史文もセシルを裏切り、『セシルが家に押し入ってきて息子の静夢を殺した』と偽証を行う。窮地に陥ったセシルだったが、アゲハが切り札として、史文に殺されたはずの六年前の事件の裁判官を連れてくる。実は衣が魔術で裁判官が狙われる事を予知し、防弾チョッキを着せていたため、生きていたのだった。しかもセシルが静夢から託された宝珠の中に「魔導書365」が隠されていた。これらの証拠を突きつけられた史文は法廷で魔法を使い暴れるが、裁判長によって取り押さえられる。後日、セシルの母親の再審の見込みも出てきてめでたしめでたし。


■感想

 裁判でセシルがピンチになったところに、アゲハが「ちょっと待ったー!」と証人を連れてきて乱入するあたりから、もう『逆転裁判』そのまんまなので笑った。オマージュというやつでしょうか。


■総括

 十代の弁魔士が母親の冤罪を晴らすため活躍する、という基本線は悪くなかったのですが、いかんせん1クールでは短すぎた。理想としては、2クールかけて、序盤はセシルが蜂谷や鎌切とかとコンビで弁魔士の仕事をするエピソードでキャラを紹介していき、やがて2クール目から母親の事件が陰謀だったとわかる、くらいの余裕がほしかった。1クール12話しかないので終盤バタついた感じが否めず、また「善と悪の魔法使いの二大派閥がある」とかは台詞での説明になってしまうし、「魔導書365」も重要なアイテムのはずが単なる証拠品程度の扱いだし、と、もう一つ。何より「弁魔士セシル」というタイトルのわりに、セシルが法廷で活躍したのは数回程度というのはねぇ。また弁護士系ドラマにも関わらず、上から強制されたのか「ディアボロイド」というロボットを出してバトル要素を組み入れてしまった事もいささか失敗だった感が有りますし。


 テーマ的には斬新で面白かったのですが、1クール三ヶ月ではとても扱いきれませんでしたね。まあこの作品については、スタッフが悪いというより、「新しいことをしようとしても1クールアニメしか作らせてもらえない世の中が悪い」という感じですかねぇ。