感想:NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー スペシャル」(BSプレミアム版)『File-10 徹底追及 アメリカUFO神話に迫る!』(2014年8月16日(土)放送)


 NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(BSプレミアム版)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/

 衛星放送・NHK BSプレミアムでの視聴です。(放送日:2014年8月16日(土) 21:00〜22:30)。


■概要

http://www4.nhk.or.jp/darkside/26/
>UFO、ネッシー、雪男、予言&占い、心霊現象、超古代文明、妖怪、吸血鬼、魔女…。闇の魅力がもつ妖しげな幻に対して、「今、何がどこまでわかっているのか?」を徹底検証!そこから浮かぶのは、自然の神秘、私たちの脳や心の不思議なメカニズム、社会のからくり、昔の人の驚くべき技術と想像力…。ダークサイドの向こうの“本物の不思議”をワクワクしながら楽しんでいただく、NHKならではの超常現象ガチンコ検証番組!


出演者 栗山千明 (くりやまちあき)

テーマ曲: 志方あきこ
オープニング曲“Arcadiaアルカディア)”
エンディング曲“Leyre(レイレ)”
アルバム名/ “Turaida(トゥライダ)”

語り: 中田譲治(声優、俳優、ナレーター)
代表作 『巌窟王』(モンテ・クリスト伯爵)、『ケロロ軍曹』(ギロロ伍長)、『HELLSING』(アーカード)、『Fate/Zero』(言峰綺礼)、『劇場版 空の境界』(荒耶宗蓮)など

『File-10 徹底追及 アメリカUFO神話に迫る!』


■内容

総合テレビと2本立てUFOナイト!BSプレミアムは歴史的事件に迫る90分。空飛ぶ円盤が首都ワシントン襲撃?全米に宇宙人出現?円盤と宇宙人を軍が回収?


総合テレビと2本立て、UFOナイト!BSプレミアムでは、世界最大のUFO大国アメリカの歴史的事件に迫る90分スペシャル!1950年ごろ大発生した“空飛ぶ円盤”目撃事件。政府を混乱させた首都ワシントン襲撃事件とは?相次ぐ宇宙人の目撃!UFO史上最大の陰謀・ロズウェル事件!軍は本当に墜落した円盤と宇宙人の死体を隠しているのか?現代の巨大な神話“UFO”を通して、私たちの社会のダークサイドに迫る!


ゲスト 皆神龍太郎,青山繁晴,
司会 栗山千明,
語り 中田譲治,矢島正明

 (以下矢島正明氏の語りとUFO特番のあの曲で)地球は狙われている! 1950年代から地球に次々と宇宙人が現れている。

1)『全長3m! 巨大毒ガスモンスター フラットウッズ事件』
1952/09/12 アメリカ・フラットウッズに身長3メートル、赤い顔、丸い二つの目、鋭い鍵爪を持ち毒ガスを放つ宇宙人が現れ、人間を襲ってきた!! →[検証]多分フクロウ。周囲の赤いライトが当たっていた。

2)『恐怖 不死身の怪人 ポプキンスビル事件』
1955/08/21 アメリカ・ポプキンスビルに、身長1メートル、銀色の皮膚を持つ怪生物が現れ、銃弾を浴びせても全てよけまくり、一晩中家の周囲をうろついた。 →[検証]サルの見間違え? 多分目撃者が酔っていてみた幻。そもそも銃を撃った形跡が無い。

3)1973年アラバマ。警察署長が銀色の服を着た怪人を目撃し写真に撮った。署長は世間を騒がしたという事で議会から怒られた。正体は消防服を着た誰かだったのではないか?

4)1973年ミシシッピ。二人の男性が身長1メートルでしわだらけ、カニのハサミのような手を持つ生物に誘拐された。ウソ発見器にかけたが、男性が恐怖体験をしたということしか解らなかった。

5)1954年、陽気な国イタリアに陽気な小人の宇宙人出現。
6)1979年、妖精の国イギリスに妖精型の宇宙人出現。
7)1989年、無骨な国旧ソ連に無骨なロボット型宇宙人出現。
 [検証]お国柄が出ていますね。

 以上、地球は狙われている!(矢島正明氏の語り終了)



 1947年6月。ケネス・アーノルドはワシントン州上空で光る9個の物体が音速以上で飛んでいくのを目撃した。かれはそのさまを「カップの受け皿(ソーサー)を水に投げたらはねていく、そんな感じで飛んでいた」と証言。しかし新聞記事では「フライング・ソーサー」としてあたかも円盤が飛んでいたような扱いだった。この日からアメリカ中でいきなり円盤を見たという証言が相次ぎ、突然円盤ブームに。しかしこの頃はあくまで「謎の物体」であり「宇宙人の乗り物」という考えは皆無だった。

 1948年、空軍のマンテル大尉の乗った戦闘機P-51が墜落した。空軍は事故だと説明したが、「円盤に撃墜された」という噂が世間に広まった。

 1950年、作家ドナルド・キーホーは「空飛ぶ円盤は実在する」という本を出し、円盤は地球外生命の乗り物だという説をぶち上げた。以後円盤=宇宙人が乗っている、という考えが定着した。

 実はアメリカ空軍は1947年には円盤は国防上の脅威ではないかと考え、「プロジェクト・サイン(予兆)」で調査した。そして年末に「円盤は宇宙人の乗り物」と結論を出したが、上層部はこれを破棄した。これは隠蔽では無く、単に「国防の脅威でないのなら正体はどうでもいい」というスタンスだったため。そして新たに「プロジェクト・グラッジ」を立ち上げ、今度は円盤は単なる見間違えだ、という宣伝を開始した。

 1952年7月19日と26日にワシントンDC上空で謎の飛行物体が目撃・レーターで探知され、民間機の飛行が禁止され空軍が迎撃に飛び立つなど大パニックとなった。空軍はこれは大気が遠くの景色や電波を反射したため、と説明したが、記者は「宇宙人じゃないの?」と疑うような質問を浴びせたという。空軍はその後「プロジェクト・ブルーブック」をスタートさせ、20年以上にわたって円盤情報を集め、結局問題なしという結論を出している。



 しかし、軍や政府は全く信用できない。その証拠が超有名な「ロズウェル事件」。1979年、アメリカのUFO特番で「1947年7月に、ニューメキシコロズウェルに謎の物体が墜落したが、軍は隠している』という証言が当時の関係者から飛び出した。ロズウェルで謎の光が目撃され、翌朝牧場にアルミ風の金属片が散乱しており、それはハンマーで殴っても全く変形しないくらい硬かったという。軍は最初「円盤が墜落した」と発表したが、のちに気象観測気球だと訂正した。

 1980年にロズウェル事件を扱った本が発売され、その中ではなんと別の場所に円盤が不時着しており、灰色の皮膚の宇宙人の死体が3体有った、という爆弾証言が書かれていた。目撃者によると、軍が円盤も死体も回収していったと言う。その後目撃者とかが次々と現れ、ロズウェル事件は政府による一大隠蔽工作だと大騒ぎになった。

 ところが、調べてみると、宇宙人死体発言は「死体を見た、とあの人から聞きました」という又聞きでしかなかった。また他の人も発言があいまい、裏づけが取れない、匿名の人の発言、など、全く証拠にならないものばかりだった。また1990年代に空軍が事件を調べ、墜落したのは当時の空軍の軍事機密「モーガル気球」だったと結論付けている。さらに会計検査院も、政府や軍が宇宙人とかそういうことに関わっていた証拠は無かったと発表した。

 しかし懐疑派は騙されない。そんな気球の部品だったとしたら「ハンマーで殴っても変形しない」ということがあるだろうか。また書類は関係者がこっそり隠してしまっているから、会計検査院に見つかるわけが無いのだ。ということで、21世紀になっても政治家とかが政府に「宇宙人についての真相を公表しろ」と要請し続けている。



 何故アメリカではこんなに円盤とかが盛り上がるのか。それは建国から歴史が浅く、他国(日本とか欧州の国々)のような「神話」が無いため、代わりの神話を求めているから。しかし機械文明の国なのでインチキくさいオカルトとかは受けない。ところが「未知の存在が機械に乗って地球外からやってくる」という話なら、アメリカ人好み。1977年の映画「未知との遭遇」は、そういう設定でかつ、「地球人の中で一番最初にアメリカ人のところに宇宙人が訪ねてきてくれて、一番最初にアメリカ人を宇宙に連れて行ってくれる」という『アメリカが地球で一番優れている』的ストーリーだったから、もう国民の好みにドストライクで、当然大ヒットした。

 またベトナム戦争以降、アメリカ人はもう政府は信用できない、という空気がある。だから「宇宙人が存在する」ことを信じているというより「政府は何か隠している!」ということを疑っていて、円盤について隠しているんだろう、という感じで円盤肯定になっていくのでした。



■感想

 久々の放送は、90分拡大スペシャル! しかも丸ごとUFO尽くし。たまりませんわぁ。しかも冒頭からマニアを喜ばそうと、凄いのをぶちかましてきましたわ。いきなり矢島正明氏の語りと、あの超有名なUFO特番のあの曲、そして毒々しい文字で『全長3m! 巨大毒ガスモンスター フラットウッズ事件』とか出してくるんですよ。もー、テレビの前で笑い転げていましたわ。くっそ、NHKのこの羽目のはずし方。やってくれましたわ。


 あとは、UFO目撃情報の歴史、ロズウェル事件の展開などをたっぷり。UFOネタ好きが泣いて喜びそうな90分でした。