雑談:最近子供向け戦記ものって無さそう→だからウォーゲームは売れない、説


 結構暴論的なウォーゲーム話です。

■壮烈!水雷戦隊 夜戦の王者 : 吉田俊雄/著 - セブンネットショッピング
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1100292758/

著者/訳者 吉田俊雄/著
出版社名 秋田書店秋田書店
発行年月 1977年00月

 ふとしたきっかけで、こういう本があったなぁと懐かしくなりネット検索。そうそう、この表紙。著者が駆逐艦に配属されていきなり操船をさせられる話とか今でも憶えている。でも、もうこういう「子供向け戦記本」というジャンルは日本には存在しませんよね、多分。やはり朝○新聞の圧力か?


 昔、少なくとも1970年代頃までは、子供に「戦争」(というと生々しいな)、マイルドにいうとミリタリージャンル、は近しい存在だったと思うのです。インドア趣味の子供の大半、というのは言い過ぎにしても、結構な層が、それなりのミリタリーの心得は有った気がする。私もミリオタとは名乗れないものの、WW2の流れとか戦車名とか酸素魚雷は凄いとか「重巡洋艦は20センチ砲」とか自然にマスターしていきました。そういう層が戦記で興味を持って、次に戦車や軍艦のプラモに進む、というのはナチュラルな流れでありました。その層が次は「ミリタリージャンルのゲーム」を見つけて飛びつくのもまた当然の話だったとも思います。だからウォーゲームは1980年代には売れた。

 そのころのウォーゲーマーは「ウォーゲームはゲームというより歴史の再現だ」とかいう宣伝文句も「そういうものだなぁ」と受け取っていたし、「馴染み深い(?)戦争を再現する」という事に興味津々だったから、面倒くさいルールでもくじけずに受け止める事ができた、というか「ほほぅ、こういうルールで再現するのか」とかワクワクしていた。

 でも、もう今はそういう子供向けミリタリー本なんて無いですよね。だから戦記→プラモ→ウォーゲーム、という「導線」が無いから、もうウォーゲームは売れようが無いよなぁと。


 たまに「ヘビーなユーロゲームをこなす層なら、ウォーゲームの複雑さも耐えられるのでは?」という説も目にするのですが、それはちと違うのではないかと。「戦記を体験したい」という昔の戦記少年たちなら、「ZOCとは」とか「道路なら移動コスト1/2」とかいうルールに『なるほどなぁ』と思えましょうが、戦争に興味が無かったらただの理不尽ルールにしか見えないのではないのか。


 ということをぼんやり考えていました。「ウォーゲームはルールが難しいから売れない→簡単にすれば食いついてくる」というものでは無いということが証明されて(?)、このジャンルの先行きはますます真っ暗になりました……、トホホ。