感想:ゲーム雑誌「ゲームグラフィックス Vol.2 (1886 7/1)」


 CGの本ではなく、1980年代後半に大日本絵画が発売していたテーブルゲーム等を扱う雑誌です。

■(参考)大日本絵画
http://www.kaiga.co.jp/shop/

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■内容

◆アニメ「ガルフォース」紹介

 この年(1986年)公開された美少女SFアニメの紹介。実はこのアニメは姉妹誌の模型雑誌「モデルグラフィックス」で展開していた模型+小説的なものが原作だったりする、という繋がりが。ガルフォース1があんなに救いの無い内容だとこのとき誰が思っていただろうか。でも「2」は良かった気がする。



TRPGパート

・連載。TRPGはこうして遊べという遊び方指南の二回目。メタルフィギュアを使えとか、ダンジョン探索は方眼紙的な物を使ってマップを書いていけとか色々。

・汎用のSF-TRPG向けシナリオ。精鋭部隊が敵の基地に殴りこむ、ダンジョン探索モノの変形。


 TRPG黎明期の空気が良く伝わってきます。コンプティークが「ロードス島」とか「クロちゃんの〜」とかでTRPG啓蒙を始めたのもこの年なんですよねぇ。



◆読者参加ゲームパート

 「イングリッズレース」の第一回結果発表。

 裏話として、「2〜3通来ればいいかな」と思っていたら1000通近く申し込みがあったとか、処理は「PC-9801 F2」でやっているとか。この企画は、時間がたつにつれて「スカした感じ」がにじみ出ていきましたが、この頃はそういう匂いか一切なく、手作り感一杯のころの雰囲気が垣間見えます。

 ふーむ、1986年の9801 F2なら最新機器だよなぁ(この機種名を見て、どんなものかが少しでもわかるあなたもオッサンです)。



◆ウォーゲームパート

・連載。アバロンヒルクラシックを題材にウォーゲームの基本をレクチャー。

・新作紹介「雪村外伝」「シミュレーション入門2」

・連載。実際の軍艦の戦力を分析

・歴史読み物。WW2のフィンランド空軍。

・エポック「マレー電撃戦」分析記事。

・連載。ミニチュアウォーゲームについて。


 意外なことですが、ゲームグラフィックスも初期はウォーゲームを扱っていたのです……、まあこのホビーは1986〜87年が絶頂でしたから当然の流れなのかも。



◆その他ゲームパート

・指ではじいて遊ぶサッカーゲーム

・スロットレーシング紹介

バックギャモン紹介

・人生ゲームとかあれ系のファミリーゲームをしこたま紹介

ゲームブック紹介(雪の魔女の洞窟、とか)


 こんなものまで。ゲームブックコーナーがあるのに驚いた。まあこのホビーはこの時期が絶頂でしたしねぇ。タクテクスにもガンダムゲームブックの広告があったしな。



コンピューターゲームパート

・フェロニー(アップル CBSソフトウェア)
ジェネシスPC-9801 スクウェア


 あなたはあのスクエニが昔「スクウェア」「エニックス」という二つの別の会社で、しかしも両方ともパソコンのゲームを作っていたことを知っていましたか?



◆付録ゲーム

 「ストラグル・イン・カオス」。ガルフォーステーマのウォーゲーム。「衛星カオス」を舞台に、エリア形式のマップ上で美少女側と敵パラノイド側がバトルするゲーム。

 さすがにこれは歴史の闇に消えた作品だろうと思いつつ、タイトルで検索をかけたら、2012年にリプレイが書かれているのに心底驚いた。



◆読者コーナー

 読者コーナーに「浅野竜二」とか「伝法裕子」という名前が見えるのですが、あの浅野氏であり、あの伝法さんなのでしょうか(私は確信してますけど)。

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 あれっ、面白いじゃん? まさかの「ウォーゲームに結構力を入れている」とか、パソコンゲーム紹介が有るとか、あのころのゲームと名のつく娯楽を横断的に取り扱っており、意欲的なつくり。実際の軍艦の性能を分析してゲームに使えるような値に落とし込んでいくとか、ガチウォーゲーム雑誌みたいな事すらやっており、この雑誌を侮っていたなぁという印象です。うむ、これはもう少し買い集めていかねばならんな。