雑談:引用:「なぜオタクにバカが増えたのか、という話」

 以下、釣りの気配が濃厚ですが、一応乗っかってみる。

●「なぜオタクにバカが増えたのか、という話 - chaoran’s diary
http://chaoran.hateblo.jp/entry/2014/10/23/172155

>ちょっと前(10年くらい)までの「オタク」というのは、多少なりと頭のいい人の娯楽だったわけですよ。


>なぜなら、オタクをやるには作者の脳内世界を文章なり絵なりで読んで、「理解して」、自分の「想像で補う」、という作業が必要なわけで、


>で、「オタク」がそういう事ができる脳みそを持った人たちだけの娯楽だった時代に流行ったのが宇宙や異世界に飛び出す話しだったんですよ。(面倒なんでここではこの辺全部ひっくるめて「ハイファンタジー」と呼びます)


エヴァンゲリオンブームの何がすごいって、ハイファンタジーオタク以外の客層をガッと切り開いたことですね。


>頭のさほどよろしくない人へ向けて作られた作品がお金を呼びこむことがわかれば、さらにお金を稼ぐためには、より頭のよろしくない、つまり「バカ向け」にオタクコンテンツを作ればいいわけです。


>こうして「読解力や想像力に欠けたオタク」が生まれたのでした。

●上記の主張の内容

・昔のオタコンテンツは宇宙モノとか異世界モノが多くて、登場人物も多かった。だからそれを楽しむには「頭を使う」。そういう作品は頭の良いエリートオタクだけが理解できた。

・今は現実世界モノが多く、登場人物が少ない。何故ならば今のオタクはバカで、宇宙モノとかは理解できないからだ。



●私のコメント

 うーん、これって単にジャンルの流行り廃りを、頭の良し悪しに強引にこじつけているだけじゃないの? 昔はラノベとかにSFファンタジーしかジャンルが無かったけど、そのうち学園物とかのジャンルが開拓されてきた。読者はそういう作品の方が身近に感じて面白いと思って主流になった。それだけでは。どことも知らない惑星の話より、自分の生活に繋がった話の方が親近感が沸くから、それは自然な話だと思う。


 オタク向けコンテンツに限定しなくて、例えば「小説」全体でカウントしても、やはり宇宙モノより現実世界の話を扱った話が多いですよね。でもそれは人がそういう現実もののほうを好むという事を示しているだけで、「馬鹿だから、現実世界の話しか理解できないし、読まない」ということではないのでは。


 筆者の主張(というかイチャモン)は、その辺りを明確にせずに、適当に誤魔化しているわけですよ。多分「昔からオタをしている自分は偉くて、にわかオタたちはバカ」という結論が先にあり、それを正当化するために適当な事を言っているだけでしょう。


 『オタクにバカが増えた』と言い切るなら、明確な証拠を出してもらわないと。「オタ向けコンテンツに現実世界ものが増えている」というのは、世の中にそういう事が起きていますね、という事を示しているだけで、「オタクにバカが増えた」という主張の証拠でもなんでもないですし。