感想:NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(BSプレミアム版)『File-11』(2014年12月28日(日)放送)


 NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(BSプレミアム版)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/

 NHK BSプレミアムでの視聴です。(放送日:2014年12月28日(日) 22:00〜23:00)。


■概要

http://www4.nhk.or.jp/darkside/26/
>UFO、ネッシー、雪男、予言&占い、心霊現象、超古代文明、妖怪、吸血鬼、魔女…。闇の魅力がもつ妖しげな幻に対して、「今、何がどこまでわかっているのか?」を徹底検証!そこから浮かぶのは、自然の神秘、私たちの脳や心の不思議なメカニズム、社会のからくり、昔の人の驚くべき技術と想像力…。ダークサイドの向こうの“本物の不思議”をワクワクしながら楽しんでいただく、NHKならではの超常現象ガチンコ検証番組!


出演者 栗山千明 (くりやまちあき)

テーマ曲: 志方あきこ
オープニング曲“Arcadiaアルカディア)”
エンディング曲“Leyre(レイレ)”
アルバム名/ “Turaida(トゥライダ)”

語り: 中田譲治(声優、俳優、ナレーター)
代表作 『巌窟王』(モンテ・クリスト伯爵)、『ケロロ軍曹』(ギロロ伍長)、『HELLSING』(アーカード)、『Fate/Zero』(言峰綺礼)、『劇場版 空の境界』(荒耶宗蓮)など

『File-11』


■内容

謎の雪男“イエティ”を求め、神秘の高地ヒマラヤへ。正体不明の頭皮!不思議な目撃証言!神々の聖域で高僧が語る真実は?あなたもだまされる?予言のからくりに迫る。


妖怪か?未知の類人猿か?雪とともに現れる“イエティ”の正体を求めて、神秘と絶景のヒマラヤへ取材敢行!衝撃の遺物・イエティの頭皮はホンモノか?不思議な目撃証言!世界最高峰エベレスト登頂とイエティに隠された思惑!神々の聖域で高僧が語る、深遠な正体とは? ▽2014年もさまざまな事件と、それを当てた(?)予言があった!でもそれホント?必ず当たる予言テクニックを徹底分析!これで来年はあなたもだまされない?


(1)イエティ

 イエティは日本では「雪男」の名前で有名な未確認生物。ヒマラヤに住む類人猿的な生き物と言われている。

 人類は1953年にエベレスト初登頂を果たしたが、その二年前、1951年にイギリス人エリック・シプトンは標高6000メートルあたりで未知の巨大生物の足あとを発見し報告した。現地では古くからイエティという妖怪的な生き物が居るという言い伝えがあり、「これがイエティの足跡だ」と外国に紹介された。以後日本も含めた各国からイエティ調査隊がヒマラヤを訪れた。


 ネパールの首都カトマンズでは「イエティ人形」とか「イエティ航空」とか一杯名前に使われているが、実際のところイエティが何なのかは殆ど誰も知らない模様。ヒマラヤ山脈のふもと辺りまで行っても、イエティは「サル的なモノ」「熊に似ている」「神様だ」と色々語られイメージが統一されていない。また、今に至るまでイエティの映像は存在しない。イエティの骨、毛皮、フンといわれるものは、全て別の生き物(クマとかカモシカとか)のものだと判明している。


 実は最初のシプトンの報告からしてインチキだった疑いが強い。元々シプトンはほら吹きで有名で、また莫大な登山費用を捻出するために「エベレストには未知の生物が居る」という雰囲気を作ってスポンサーを説得するためにウソの足跡をでっちあげたらしい。実際当時ドイツ人が「イエティ=クマ説」を唱えたところ、シプトンが「真実を知ったらスポンサーが付かないから止めて」と、その本を英訳しないように頼んだという。


 イエティは元々チベット仏教の神様マハカーラの眷属だった。ところが1950年代に訪れた外国のイエティ調査隊が現地の人に「イエティを見たこと無い? こんな風な巨大猿の姿のはずなんだけど?」とイメージを刷り込んだため、現地の人たちもいつの間にか「神の使い」から「巨大猿的生物」と考えるようになってしまったらしい。


 イエティはかつては「大自然の脅威のイメージ化」というかそういう、日本でいえば妖怪的な存在だったはず。ところが外人にはそういうニュアンスが通じず、無理やりに「きちんと体のある何かの生物」として理解しようとした。そのあたりの齟齬が現在のイエティ像を作ってしまったのではないか。



(2)2014→2015 ゆく予知くる予知

 あるアメリカの予言者は「2014年に船の事故で大勢が死ぬ」と予言した。これを見て「あっ、例のK国の船の事故だ、当っている!」と思うのはあさはかです。残念なことに世の中から事故は無くなることは無く世界中で事故は起きています。たとえK国の事故が起きなくても別のもう少し小さい事故をさして「この事を予言しました」と言えばいいし、それが起きなくてもさらに小さな別の事故を見つけて「これを予言しました」と言えます。つまりいくらでも後付で「当った」といえるのです。また別の予言の「2014年に大きな水の事故、洪水のようなことが起きるでしょう。日本や中国やオーストラリアが影響を受けるかもしれません」というのも同様。あいまいすぎて、もうどうにでも後付できます。



 ここで絶対当る予言をゲストが演じる。

(1)左手にこっそりと十円玉を握りこんでおく
(2)右手のひらには、百円玉、十円玉、一円玉をおく。
(3)相手に右手のコインのうちを二枚を取らせる


 もし「百円玉・一円玉」を取ったなら
 →「あなたが十円を残すことは解っていました」といって左手を開く。


 もし「百(または一)円玉・十円玉」を取ったなら
  取ったコインから一枚戻させる
   もし十円玉を戻したら
    →「あなたが十円を私に戻すことは解っていました」といって左手を開く。
   もし百(または一)円玉を戻したら
    →「あなたが十円をお手元に残すことは解っていました」といって左手を開く。


 要するに相手がどうしようが言い方次第で全て「予言が当った」事になるのである。



 予知夢といわれる物がある。例えば「飛行機の事故の夢を見た、翌朝本当に飛行機事故が起きた」とか。しかしこれは

A)事故の夢を見た→事故が起きていた
B)事故の夢を見た→事故は起きていなかった
C)事故の夢を見ない→事故が起きていた
D)事故の夢を見ない→事故は起きていなかった

 の全てを調べないといけない。しかしBパターン「事故の夢を見たけど事故はなし」だったら即座に忘れてしまうし、Cパターン「夢を見ていないけど事故があった」場合も特に気にもしないはず。Aパターンの時だけ「あれっ!? 夢で見たとおりだ!」とか思うから夢が予知していたように思ってしまう。これを「錯誤相関」(関係の無いことをある様に錯覚してしまう)という。


 また「自分は雨女だ、また今日も仕事のとき雨が降った」とか思うことがあるかもしれないが、実のところ「雨が降らなかった」ことも多数あるのにそっちは忘れて、雨のときのことだけ憶えているからそういう風に感じるだけ。これを「確証バイアス」という。


 まあ予言なんてものは信じたりとかでは無く余裕を持って付き合いたいですね。



■感想

 4ヶ月ぶりの放送はマジにヒマラヤまで行って、何日も歩いて現地調査をしています。凄い、「雪男の調査」にNHKスペシャルなみの力の入れようですよ。マジかよと思いましたもん、さすがNHKはやることが違う。それでいて最後は「雪男はいる!」とか煽ったりせず、「精霊的な存在だったのに、外国人の思惑のせいで実在するような生物扱いになってしまった」と結論をつけてしまうのもNHKならでは。ところで、この「精霊→UMA化」というパターン、「ツチノコ」とまんま一緒ですね。


 後半戦の「予知」話は、「人はこうして騙される」的な内容でこれも面白かった。