感想：NHK番組「ザ・プレミアム」「驚き！ニッポンの底力鉄道王国物語2」(2015年6月6日(土) 放送)

　NHK番組「ザ・プレミアム」の感想です。
（※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください）

■ザ・プレミアム｜NHK BSオンライン
http://www.nhk.or.jp/bs/thepremium/

　衛星放送・NHK BSプレミアムでの視聴です(放送日：2015年6月6日(土) 21:00〜23:00)。

■番組概要

驚き！ニッポンの底力鉄道王国物語2
6月6日（土）午後9時〜

2013年12月放送の「鉄道王国物語」の第2弾！今年の鉄道界は、北陸新幹線や上野東京ラインの開業、リニア新幹線の着工など、新たな話題が満載。さらに近年、ニューヨークやワシントン、香港、タイなど世界各地に日本製の車両や運行システムが進出。交通渋滞、地球温暖化などを背景に、都市の鉄道プロジェクトが進む中、日本が培ったエコで安全な技術と定時運行システムが高く評価されています。北陸新幹線の“顔”先頭車両のフロントガラスを作り上げる驚きの職人技。東日本大震災の被災地復興の期待を乗せて去年、42年ぶりに復活した「SL銀河」の物語。そして、世界各地で高い評価を受けている、通勤電車のステンレス車両やレールを製造する最先端の技術…。番組では、鉄道会社やメーカーが秘蔵するお宝映像を発掘、技術の “ブレークスルー” の物語を描きます。また、ふだんは中々見られない最前線の現場へ潜入。日本の鉄道技術の底力に迫ります。

【出演】 MC:高橋克典、寺門亜衣子アナウンサー／リポーター:ハマカーン／ゲスト: 高橋英樹、市川紗椰／専門家:大坂直樹（東洋経済新報社鉄道特集キャップ）

　日本の鉄道関連のアレコレを紹介するバラエティー番組。

内容

・北陸新幹線(1)

　運転席の窓ガラスは枠の無い一体型で、これは新幹線史上初めて。ガラス職人が大きなガラスを曲げて作るところを紹介。

・北陸新幹線(2)

　飯山トンネル完成までの苦労話。まず地盤は「モンモリロナイト」という粘土系の鉱石が多く、水を含むと膨張してしまうため、トンネルを掘っても周囲から押されて崩れてきてしまう。そこで膨張を見越して必要なサイズよりも大き目に掘り、膨張しきったところでコンクリで固める、という手で突破。

　次にメタンガスの発生。換気のため外部から空気を送ると、コンクリートが早く乾きすぎて崩れてくる。そこでバルーンのアーチを膨らませて内側からトンネルに張り付かせて風が当らないようにして対応。

・レール(1)

　真夜中に専門チームが老朽化した線路を交換するところを紹介。殆ど人力で作業。継ぎ目には「るつぼ」を当ててその場で鉄を溶かして流し込み、あとからグラインダーで削り取って整形する。0.5ミリの誤差しか許されない。

・レール(2)

　日本の会社が超硬いレールを製造。磨耗しにくいため長持ちする、と好評で世界各国に輸出。鉄に混ぜる成分の研究から冷やし方の研究まで色々工夫して作りました。

・地下鉄

　総合司令室にお邪魔して、ダイヤが乱れた時の対応方法を見せてもらう。遅れが出た場合、遅れた車両の前の車両を少し遅らせる。何故かというと、これをしないと、「車両が遅れる→駅に人が溜まる→溜まった人を乗せる時間がかかるためますます遅れる」という事になるため、前の車両を遅らせてこういう人たまりが出来ないようにする。

　また遅れが酷くなると、専門の職員が手作業で時刻表の変更を行なう。印刷したダイヤグラムに手で赤線を引いて現状を把握し、対策を考える。こういう作業はコンピューターでは出来ないとのこと。

・ステンレス車両

　昔は車体は鉄製だったが、鉄は重いしさび止めのためのペンキも重い（一両で100Kg）ため、アメリカから導入したステンレス製の車両が主流になった。ところがオイルショックで、値段は高いがより軽いアルミ製の車両が優位になった。ステンレス車両の開発会社は、今より軽くすれば価格性能比で優位がある、と考えて色々工夫。ステンレスは熱に弱く溶接すると歪むので、波型のボディにしてあったが、その波の数を減らしたりして軽量化に成功した。今では本家アメリカやその他の国にステンレス車両が輸出されている。

・列車の病院

　大宮には車両を修理する120年の歴史を持つ工場がある。

・SL銀河の再生

　東日本大震災後、東北復興支援のため、40年間野外展示されていたSL「C58」を修理する事になった。担当するのは大宮のSL専門チーム。錆びたボイラーを一から作り直してリベットを打ったり、と苦労して再生に成功。2014年に見事走りました。