感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン5」第5話「プロメテウス」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン5」(全20話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン5
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s5/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第5話 プロメテウス POST-MODERN PROMETHEUS

■あらすじ

※今回は全編白黒。


 お題は「正体不明の怪物」。


 モルダーの元にシャイナという女性から手紙が届いた。彼女は18年前いきなり意識不明となり、気がつくと妊娠していて一人息子を出産したという。そして、先日のある夜、煙と共に顔がこぶだらけで口が二つ有る怪物が家に入ってくるのを見た途端、また失神して3日間意識不明となってしまい、そして彼女は避妊処理をしているのにまた妊娠した、とのことだった。


 モルダーたちはシャイナの住む田舎町にやってくるが、この町の住民は「ザ・グレート・ムタト」という怪物の存在を信じていた。またモルダーたちは街に住む科学者ポリドリが遺伝子操作の研究をしていることを知る。そしてポリドリの妻も、煙と共に失神する。


 やがてモルダーたちは、「怪物」が、顔が醜く歪んだ男だと知る。街の人間は彼を怪物だと騒ぎ殺そうとするが、男は実は外見とはうらはらにしっかりした知性を持っており、事情を説明する。彼はポリドリが遺伝子実験で生み出した存在で、失敗作として扱われていたものの、ポリドリの父親に面倒を見てもらっていたという。彼は自分を愛してくれる女性を求め、自分と同じように醜い人間が居ればと思い、シャイナやポリドリの妻を妊娠させたのだった。


 ポリドリは逮捕されるが、モルダーは「こんな最後は認めない」と言って、男をどこかのミュージックホールか何かに連れて行き、男がノリノリで歌を楽しんでいるところを見ながら、スカリーとダンスを踊りだす。またテレビのワイドショーで、シャイナとポリドリの妻が、醜い顔の赤ん坊と一緒に出演して赤子をあやしているシーンで〆。



監督 : クリス・カーター
脚本 : クリス・カーター



■感想

 評価は×。


 制作総指揮のクリス・カーターが脚本と監督もやった話。


 一言で言って「ハァ?」という感じのエピソード。X-ファイルの枠を借りたおとぎ話というところでしょうか。全編白黒なのはなんなのかといぶかしんで、「醜い男が実は知的で……」という話だから「エレファント・マン」のパクリかと思っていたのですが、どうもモノクロ映画の「フランケンシュタイン」の現代版という意味合いのようです。クリス・カーターは白黒映画の「フランケンシュタイン」に憧れていて、それのオマージュ的な作品をX-ファイルでやってしまった模様。


 今回の意味不明のサブタイトルは、やはりフランケンシュタイン物から。原作小説のタイトルは「Frankenstein: or The Modern Prometheus(フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス)」だからです。


 独りよがりも大概にしろ!と思ったのですが、エミー賞に多数ノミネートされたのだとか……、これの何が良かったんだ?


■一言メモ

 劇中で使用されている曲は、シェールの「The Sun Ain't Gonna Shine Anymore」「Gypsies, Tramps & Thieves」「Walking in Memphis」。