感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン3」第3話「D.P.O.」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第3話 D.P.O. D.P.O.

■あらすじ

EP3 D.P.O.
若者4人が連続して落雷にあって死亡する事件が起きる。事件を追うモルダーとスカリーの両捜査官は、最初に落雷にあった唯一の生存者、オズワルド少年にある疑惑を抱く。

 お題は「超能力(電気のコントロール)」。


 田舎町のゲームセンターの駐車場で若い男が変死した。地元警察は落雷事故と片付けるが、過去既に4人落雷で死んでおり、モルダーたちはあまりにも落雷の死者が多すぎると不審を抱いて捜査にやってくる。最新の犠牲者は体内が高圧電流で焼け焦げていたが、皮膚には電気が入った跡が無かった。


 モルダーはゲームセンターのゲーム機のハイスコアに残された「D.P.O.」という名前から、「ダレン・ピーター・オズワルド」という若い男にたどり着く。ダレンは過去落雷を受けながら奇跡的に何の障害も無く回復していた。実はダレンは電流を自在に操る能力があり、電子機器を思うがままにコントロールしたり、人間を高圧電流で焼き殺すことが出来た。


 モルダーたちはやがてダレンの異常な能力に気がつき、落雷によって超能力を身につけたと推測する。またダレンが学校の教師だったキビート先生にストーカーまがいに付きまとっていることを知り、キビートを逃がそうとしてダレンと対決する。ダレンは落雷によって失神し、そのまま病院に運ばれた。その後、ダレンは検査されるが何の異常も無く、またモルダーたちは検事からダレンを殺人で有罪にすることは無理だといわれる。そして病院でダレンが暗い目つきで座っているシーンで〆。



監督 : キム・マナーズ
脚本 : ハワード・ゴードン




■感想

 ハズレ回。



 冒頭にいきなりの高圧電流による殺人シーンを持ってこられて度肝を抜かれるが、以後はモルダーたちが田舎町をウロウロしながら手がかりを集めていくだけ、という展開で退屈そのもの。クライマックスはダレンによる「無理やり駆け落ち」という失笑物のイベントだし、しかも結局落雷により失敗、というオチなのだから、なんともはや呆れて言葉も無し。そもそも、中盤、ダレンは落雷に打たれても平気であることが描写されており、落雷による幕引きというのは矛盾していて、話として破綻している。



 『コミュ障気味で、実の母親にも疎まれ、友達が一人しかいないぼっち君が、とてつもない超能力を手に入れた』という設定ならば、今までの反動で町で超能力を使いまくり、大量殺人を行なう、という派手エピソードでも良かったのではないかと思う。しかし、そうするとモルダーたちだけでは太刀打ちできないので、地味に話にまとめざるをえなかったのだろう。しかし話が面白くないことへの免罪符にはならないが……



 結末は「結局ダレンは有罪に出来ず、モルダーたちが町から出て行ったらキビート先生はまた狙われるのでは?」という不気味さは有るが、それは不気味な余韻というより、不愉快さというべきもので、これも評価しがたい。


 本エピソードは、シーズン1から放置されていた「ライトニングボーイ」という一枚のアイデアメモを元に起こされたという。さすがになかかな映像化できなかっただけあり、この設定をX-ファイルで使うのは 無理筋だったということだろう。


 ちなみに、冒頭のゲームセンターでダレンがプレイしているのは、セガ格闘ゲームバーチャファイター」。1993年稼動のゲームという事で、今となっては信じられないくらい荒っぽいポリゴンが時代を感じさせる。



■一言メモ

 ダレンの唯一の友人(で、後から落雷で殺された)ゼロを演じるジャック・ブラックは、のちに映画「スクール・オブ・ロック」で主演しました。おお、あの人か。


■もう一言

 アニオタ世代には「電流を操る超能力者」と言えば御坂美琴ですよね。

○CHARACTER -とある魔術の禁書目録Ⅱ<インデックスⅡ> 公式サイト-
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