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感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン3」第4話「休息」

ドラマ


 ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第4話 休息 CLYDE BRUCKMAN'S FINAL REPOSE

■あらすじ

EP4 休息
占い師連続殺人事件が発生する。事件の発見者ブルックマンは死を予知する能力を持つが事件の捜査にはなぜか非協力的。そこでタレント占い師ヤッピが協力することになる。

 お題は「霊能者」。


 プロの占い師を狙った連続殺人事件が発生する。どの事件でも、現場からは死体は持ち去られ、死体から取り出された目と内臓だけが残っているという異常な殺し方だった。モルダーたちは捜査にやって来るが、地元警察は『霊能者』のヤッピに捜査協力を依頼しており、ヤッピのインチキ霊視にモルダーたちは苦笑する。


 やがてモルダーは死体を発見した保険の勧誘員ブラックマンと知り合い、すぐに彼が本物の霊能者だと確信する。ブラックマンは、人の死に関係することだけ自在に予知できるのだという。実際、ブラックマンは別の死体の遺棄場所も言い当てるが、犯人逮捕の手がかりになるようなことは何も見ることは出来ない。しかしブラックマンは犯人と精神的に繋がっているといい、未来に犯人がモルダーを殺す場面を犯人視点で予言する。


 やがてブラックマンに犯人からそのうち会いに行くという手紙が届き、モルダーたちはブラックマンをホテルに保護するが、そのホテルのボーイこそ連続殺人犯だった。モルダーたちはその事に気がつき、犯人を追うが、モルダーはブラックマンが予告した通りの場面で犯人と対峙する。しかし未来が変化したのか、モルダーは助かり犯人はスカリーに射殺される。


 しかしモルダーたちが気がついたときには、ブラックマンは(何故か)薬を飲んで自殺していた。最後、スカリーが自宅でヤッピのCMを映しているテレビに、怒りのままに電話を叩きつけるシーンで〆。



監督 : テビット・ナッター
脚本 : ダリン・モーガン


■感想

 微妙な回。


 霊能者からのあやふやな情報に従って殺人事件を捜査する、というわりとありがちなエピソードだが、ブラックマンのキャラクターが面白い。本物の心霊能力者のイメージは、いつも追い詰められたような暗い顔をしていて、時たま発作と同時に意味不明のことを息も絶え絶えに語る、という物だが、ブラックマンは正反対。いつも陽気な口調でしゃべり、霊視も特に何の準備も無く、日常の出来事のようにさらりと語る、というスタイル。吹き替えの富田耕生氏がピッタリとイメージにはまっている。



 だがシナリオはいま一つこなれておらず、ブラックマンと犯人に何故精神的な繋がりが有ったのか説明が無いため、ブラックマンが犯人視点でモルダーの死に様を見るシーンは、ラストのための無理やりでっちあげた伏線にしか感じられない。また、ブラックマンが犯人に「何故殺人を繰り返すのかわからないのか? お前が殺人マニアだからだ」と語るシーンは、何故ブラックマンがその理由を知っているのか、という疑問が残る。



 さらに最後、ブラックマンがモルダーの命が助かることを確認せずに、薬物で自殺してしまうという展開も唐突。ブラックマンにはあらかじめ自分の死期が解っていた、という伏線の回収のつもりだろうが、自殺しておいて死期が解っていたも何も無いであろう。ここは突然の交通事故か何かを予期していた、というほうが自然に思える、というか自殺というオチでは話がうまく〆になっていない。



 ラスト、スカリーがヤッピのCMを見て、一瞬電話をかけるのかと思わせて、そのまま怒りに任せてテレビに電話を投げつける、というラストは結構印象的で、ここだけはよく出来ていたと評価する。



 ところで、冒頭、刑事たちに事件現場で「こういう事件の専門家を呼んだ」「変人なんだろう?」「しかし実績はある」と会話させ、視聴者にモルダーのことだと思わせておき、その後モルダーが登場したシーンでは刑事に「アンタ誰だ?」と言わせて視聴者をスカすシーンはちょっと笑えた。刑事たちが待っていたのは、モルダーよりさらにうさん臭いヤッピなのだが、モルダーはいつも信用されないのに、もっとインチキくさいヤッピのいう事は一から十まで鵜呑みにされる、という対比が楽しい。