感想:CGアニメ「サンダーバード ARE GO」第5話「消えたファイアーフラッシュ」[先行放送](2015年9月23日(水)放送)


 CGアニメ「サンダーバード ARE GO」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■THUNDERBIRDS ARE GO
http://thunderbirds-are-go.jp/

NHKアニメワールド サンダーバード ARE GO
http://www9.nhk.or.jp/anime/tag/

 NHK総合での視聴です(放送日:2015年9月23日(水) 18:10〜18:33)。

第5話 消えたファイアーフラッシュ

■あらすじ

http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2015-09-23&ch=21&eid=32772&f=3669
世界的に大ヒットした名作「サンダーバード」が50年の時を経て帰ってきた!世界各地で起きる災害や事故に勇敢に立ち向かうインターナショナル・レスキューの活躍を描く!


アップグレードされた新エンジンを搭載した旅客機ファイアーフラッシュがロンドンから飛び立った直後に姿を消す。偶然乗客として飛行機に乗り合わせていたケーヨは日光の角度の変化から飛行コースが変更されたことに気づき5号に連絡を試みるも、通信できない。さらに機内アナウンスに従い、酸素マスクを着用した乗客が次々に眠り込んでしまう事態に。原因を探るべくコックピットに忍び込んだケーヨは…。


【声】浪川大輔花輪英司柿原徹也,KENN,村瀬歩寿美菜子石塚運昇,【監督】デビッド・スコット<<

 イギリス発オーストラリア行きの超音速旅客機ファイアーフラッシュが、出発直後突然姿を消してしまった。ケーヨはたまたま乗客として乗り合わせていたが、彼女以外の乗員乗客は麻酔で眠らされてしまう。実はファイアーフラッシュは、新型エンジンを狙うフッドによってジャックされていた。ケーヨはフッドを機内から追い出すが、戦闘の際に燃料タンクが破損し、燃料切れの危機を迎える。



 インターナショナル・レスキュー(IR)は、ファイアーフラッシュを近傍ゴビ砂漠にある今は使用されていない滑走路に着陸させようとするが、ランディングギア(着陸脚)が3本の内1本しか使用できない事が判明する。IRはサンダーバード2号の「オートモジュール」で即席の自走式ランディングギアを作り、着陸させようとするが、この試みも失敗する。追い詰められたケーヨは、失敗覚悟で機体を砂漠に不時着させようとするが、最後の瞬間サンダーバード2号がケーブルで機体を上から吊り上げて、なんとか無事着陸させることに成功した。





■感想

 今回はなかなかの出来栄え。


 今回の『インターナショナルレスキュー(IR)が、着陸不能に陥った超音速旅客機ファイアーフラッシュを救助する』、というストーリーは、オリジナル版第1話「SOS原子旅客機」へのオマージュであり、オリジナル版のファンには嬉しい贈り物となった。



 ファイアーフラッシュのデザインが、サンダーバードの各種メカと同様にオリジナルを意識しているのが嬉しい。また、使用できない着陸脚の代わりに救助メカを投入するという展開もオリジナル版そのままで、あの名シーンを21世紀に再び見ることが出来たのには感激した。もっとも、オリジナルとは違い、救助メカが結局役立たずのままクラッシュしてしまったのには、いささかがっかりしたが……(旧作をそのままなぞることはしない、ということか)。



 さて、今回、2号コンテナの中の「オートモジュール」で、「簡易ランディングギア」を組み立てるシーンが描写された。第4話「危険な鉱山を閉鎖せよ」でも、同様にジェットモグラを組み立てるシーンがあり、どうやら2号コンテナ内には自動工場が有り、中核バーツに様々な部品を組み合わせることで、多彩な救助メカを作り出せるようだ。事故/災害現場の状況に応じて、適切なメカを選択できるという事で、理に適ったシステムと言えるし、またメカ好きとしてもそそられる設定である。(さらに、おもちゃの展開も広がりそうだ)。



 前半はケーヨ対フッドの格闘シーンばかりで、またアクション主体のストーリーかと警戒したが、後半はしっかりとした救助シーンが展開され、「サンダーバードらしい」話となったのは評価できる。



 ところで、今回劇中で「スーパーソニック飛行」「サブソニックスピード」という用語が使われたが、普通「超音速飛行」「亜音速」と表現すべきだろう。少なくとも一般的に使う言葉ではない。また「エンジンをアップグレードする」という表現も、「改造する」あるいは「最新化」などの言葉の方がふさわしい。翻訳者は自然な日本語を使うように願いたい。