感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン3」第5話「名簿」

X-ファイル シーズン3 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

 ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第5話 名簿 THE LIST

■あらすじ

EP5 名簿
無実を主張する囚人が、死刑の間際に「必ず甦って5人の命を奪う」と宣言する。果たしてその宣言どおりなのか、その後看守2名が謎の窒息死を遂げる事件が起きてしまう。

 お題は「死者の復活」。


 刑務所で死刑囚ニーチが電気椅子で処刑された。ニーチは死の直前、死後復活して五人の人間に復讐すると予言していた。そしてニーチのいた独房で看守が変死していたことから、モルダーたちが捜査することになった。


 スカリーはもちろん、モルダーも死者の復活とは考えず、囚人あるいは看守の犯行だと推測するが、手がかりはなかった。その間にも殺人は続き、別の看守、ニーチの死刑を執行した男、ニーチの弁護士、が、次々と変死していった。モルダーたちは、ニーチが殺す相手を記したというリストを囚人たちが持っていると知り、内容を聞き出そうとするが失敗する。やがて、モルダーたちは看守の一人パーメリーがニーチの妻と出来ていることを知り、確保に向かうが、ニーチの妻が錯乱し、ニーチがパーメリーに取り付いたと思い込んで射殺してしまう。


 結局4件の殺人はパーメリーの仕業という事になり、モルダーは不承不承引き上げることになった。一方、刑務所の署長は事件は終わったと浮かれていたが、車の運転中後部座席にニーチ(の霊?)が出現し、車を木に衝突させられて死ぬシーンで〆。



監督 : クリス・カーター
脚本 : クリス・カーター



■感想

 イマイチ回。


 恨みを持って死んだ人間が蘇り復讐を行う、というエピソードだが、面白みに欠ける。次々と殺されていく人間の死因が、窒息死や刃物による殺害など現実的なものばかりで、X-ファイル的な超常要素が無いため、ストーリーが退屈そのもの。唯一の超常的現象が、ニーチに殺されたと思しき人間は、異様に早く腐敗し即座にウジ虫がわく、という程度のため、超常現象大好き人間のモルダーですら、これが異常であると認識できなかった。


 また、モルダーとスカリーが最後まで事件の真相に気がつかず、結局見当外れの人物を犯人だと考えたままで退場してしまうことも、不満が残る一因となった。X-ファイル担当捜査官たちが、超常的事件が起きていたことを認識しないまま去ってしまう、というのでは道化である。


 しかし、面白いところが無いわけでもなく、モルダーがスカリーに「生き返って五人に復讐できるとしたらどうする?」と聞いたところ、スカリーが微妙な表情をしながら「五人だけ?」と返事し、モルダーをたじろがせるシーンには笑ってしまった。スカリーの抱える心の闇は結構深そうだ。


 最後、刑務所の所長の車が木に突っ込むシーンは、シーズン2の15話「新鮮な死体」の事故シーンの使いまわしではないかと思われる。