感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン3」第10話「731」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。


第10話 731 731

■あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/
EP10 731
スカリー捜査官がとあるハンセン病施設で、変形した大量の遺体を発見してしまう。モルダーは、これは政府による異星人と人間の交配実験の結果なのではないかと推測する。

 お題は「地球外生命体、アブダクション、政府の陰謀」。


 第9話「二世」の続き。スカリーはミスターXの示唆でさらにマイクロチップを調べ、ハンセン病患者の隔離施設へとたどり着いた。この施設では、収容されていた患者たちが、謎の兵士たちに虐殺されていた。スカリーはここで秘密組織の幹部と出会い「真相」を知らされる。


 アメリカは、太平洋戦争後、日本の731部隊の幹部だったイシマル・タケオを赦免する代わりに自分たちに協力させ、この施設で患者相手の非道な人体実験を行なわせていた。しかしイシマルは政府を裏切り、実験成果を日本に持ち去ろうと企んだため、政府が阻止に動いたのだった。イシマルが列車に乗せているのは、その人体実験の犠牲者だった。スカリーは、自分が誘拐された際に、イシマルに出会っていたことを思い出す。


 一方モルダーは、列車に入り込み、特別車両の中に、明らかに人間とは異なる「何か」が収容されているのを目撃した。しかし、最終的に車両は爆弾で破壊され、閉じ込められていた生物も運命を共にした。


 事件後、モルダーたちはまたしても全ての証拠は隠滅されていることを知る。スカリーは「異星人」云々は全て政府が人体実験から人々の目をそらすための欺瞞だと確信していた。逆にモルダーは、列車にいたのは異星人と地球人の交配種であり、人体実験という説明こそがウソだと考える。


 ラスト。イシマルが持っていた研究日誌はスモーキング・マンの手に渡っていたことを示すシーンで〆。



監督 : ロブ・ボウマン
脚本 : フランク・スポトニッツ



■感想

 評価は◎。


 前編となる9話「二世」に続き、またしても異星人・政府の陰謀についてがサスペンス感満載で描かれた。「二世」ではストーリーが大混乱状態だったが、こちらではすっきり整理され、理解しやすくなっていたのは評価したいところ。


 結局、今回の事件で政府が隠蔽したのは「異星人の存在」だったのか「人体実験」だったのか、と視聴者にも迷わせる作りになっているところが面白い。もっともモルダーがイシマルのカバンから見つけた日誌をスローモーションで読んでみると、はっきりと「宇宙人」云々と書いているので、日本語理解者には真相は明々白々な訳だが……


 日本人視聴者からしてみると、「日本政府が異星人の交配種/人体実験の成果をアメリカから盗み出して自国の物にしようとする」という展開は違和感以外の何者でも無いが、アメリカ人視点からすると、日本は未だにそういう事をしでかしそうな、油断ならない国というイメージなのかもしれない。


■一言メモ

 このエピソードは、前編の第9話「二世」同様に、1990年代のテレビ朝日地上波放送では未放映。「二世」と今回のエピソードとをあわせて視聴してもアウトと思えるところは無さそうだが、もしかすると「ハンセン病」というキーワードが問題だったのだろうか。


■もう一言

 モルダーがイシマルの日誌をペラペラめくって「日本語だからお手上げだ」と顔をしかめるシーンが有りますが、書いてあるのは確かに日本語で、ちゃんと意味も通っているのですが、何回めくってもどの見開きも全部同じ内容でした……、まあこんなところまで見ているのはうるさいマニアくらいですかね。