感想:アニメ「それが声優!」総括(全13話)


 アニメ「それが声優!」(全13話)の感想です。
(※以下、ネタバレにご注意ください)

■TVアニメ「それが声優!」公式サイト
http://soregaseiyu.com/

■原作マンガWEB版 それが声優!WEB
http://blog.livedoor.jp/hajimemashite_maru/

 BSフジでの視聴です。


 養成所を出て2年目の若手声優・双葉と、仕事仲間のいちご・鈴の三人の、リアル声優ライフを描いたアニメ。声優で最近は作家様でもある浅野真澄あさのますみ)原作の「同人漫画」のアニメ化。



 現役声優が原作という事で、あまり知られていない声優の「リアル」が描かれ、興味深い作品でした。声優は売れないうちはバイトの方がメインの収入源、とかいう事はよく知られていますが、その他に、スタジオでの先輩への挨拶、アフレコ前の打ち合わせの様子、若手は事務所の入り口に立って顔を売る、ドラマCDで担当していた役からアニメ化の際に外されて大ショック、等など、知ることの無かった赤裸々な声優業界事情が次々と題材となって、毎回勉強になりました(あさのますみ原作だから、描写がウソ八百ということもないと思うし)。



 キャラクターの絵柄から萌え系アニメの雰囲気を漂わせていましたが、蓋を開ければ、キッチリしたお仕事テーマ作品であったのは驚きでした。双葉たちが、自らの実力の無さを見せ付けられて落ち込み、仕事の少なさに将来に不安を覚え、時には友人と役の取り合いになり、等々の重い内容でしたが、しかしそのあたりは視聴が苦しくならない程度に抑えて作っており、結果的に視聴感は爽やかでした。同じアニメ業界を描いた「SHIROBAKO」が、リアルすぎて視聴が精神的に負担になったのとは異なり、いい塩梅で作られていて好感度高でしたね。



 絵柄からもっと軽いアニメだと思っていたのですが、結果的には今時の声優事情を詳しくレクチャーしてくれた当たりアニメでした。