感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン3」第12話「害虫」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。


第12話 害虫 WAR OF THE COPROPHAGES

■あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/
EP12 害虫
害虫駆除作業員がゴキブリに襲われて死亡するという事件が発生した。事件の現場近くにある農務省の研究所を訪れたモルダー捜査官は、そこで女性昆虫学者バンビに出会う。

 お題は「殺人ゴキブリ」。


 モルダーは休日を利用して、UFOが目撃されたという小さな町にやってきた。ところがその町は殺人ゴキブリが現われたという事で大騒ぎになっていた。ゴキブリによって昼間に二人死に、さらに害虫駆除業者までがゴキブリの大群に殺されたという。さらには、自家製の麻薬を吸引していた少年、トイレに篭っていた医師、と次々に犠牲者が相次ぐ。しかも現場には「金属製のゴキブリの抜け殻」が残っていた。


 モルダーはスカリーに救援を求めるが、スカリーは、全てゴキブリとは関係なく、各人の死因は、業者はアナフィラキシーショック、少年は麻薬の幻覚による自傷、医師は動脈瘤の破裂、と的確に分析してみせる。モルダーはこの町にある農務省の施設から、遺伝子改造されたゴキブリが逃げ出したのではと推理し、施設に乗り込むが、美人の昆虫学者バンビ・ベレンバウムがいるだけで何も怪しいところは無かった。バンビは金属製のゴキブリが精巧な機械仕掛けであることを発見する。


 モルダーは人工知能の研究者が昆虫そっくりのロボットを作ったという話を聞き、町にある研究所のイバノフ博士を訪ねる。イバノフが作っているロボットはまだまだ開発中で、ゴキブリとは似ても似つかないものだった。イバノフは惑星探査用ロボットを開発しており、モルダーは異星人が地球探索のため、ゴキブリロボットを送り込んできたのでは、と考え始める。


 やがてスカリーも町に到着し、メタン燃料を開発している研究所では外国からフンを輸入していることに気がつき、フンの中に外国のゴキブリが入り込んでいたと推測する。モルダーが研究所に乗り込むと、ゴキブリの繁殖場所になっており、ゴキブリ嫌いの研究者は錯乱して銃を乱射し、メタンに引火して施設は大爆発する。それ以降ゴキブリ騒ぎは収まった。


 最後、モルダーが事件の顛末をパソコンにまとめているところに、何かの虫が出現したため、本で叩き潰すシーンで〆。



監督 : キム・マナーズ
脚本 : ダリン・モーガン




■感想

 評価は○。


 田舎町に殺人ゴキブリが大発生して大騒ぎ!! というストーリーだが、いつものX-ファイルの雰囲気とは違い、深刻さの無い、かなりのんびりした話である。


 モルダーは仕事で事件に関わっている訳ではないので、半分野次馬感覚で、いつもの真剣さの欠片も無い。また相棒のスカリーも今回は家で休暇を堪能しており、掃除をしたり、犬を洗ったり、読書をしたり、と殆どのシーンがくつろいだプライベートの姿である。今回は二人のいつもとは違う面を見せる回だったということだろうか。そう考えると、クライマックスで、二人ともメタン燃料研究施設の大爆発で全身フンまみれになってしまう、というとんでもないオチも理解できる。


 スカリーはいつもモルダーのUFOだの異星人だのという意見には批判的だが、今回はモルダーの「異星人がゴキブリ型ロボットを送り込んだのでは?」という意見に、「モルダー、あなた頭大丈夫?」と辛らつなコメントを寄せているのが印象的だった。これはさすがにスカリーでなくてもそう言いたくなるというものだろう。


 結局今回の「殺人ゴキブリ」騒動はただの勘違いだった、というなんとも脱力しそうな結末だったが、その一方で異星人のゴキブリロボット説については結局真相は明らかにならず、ただののんびり話で終わらせていないのが、X-ファイルらしいといえる。


 ちなみに、スカリーが洗っていた犬は、4話「休息」でブラックマンから託された犬である。





■一言メモ

 今回のサブタイトル「WAR OF THE COPROPHAGES」ですが、COPROPHAGESの意味がイマイチ解らないんですよね。似た単語なら、「coprophagy 糞食性; 食ふん性; 食糞性; ふん食性」「coprophagia 食糞症, 糞便愛, 食糞, 汚食症」というモノが見つかりましたが……、『食ふん性のやつらとの戦争』くらいの意味ですかね。