感想:[新番組]アニメ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」第1話:伊藤静声ヒロインの青春推理物


 アニメ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)



 BS11での視聴です。



■作品概要

http://sakurakosan.jp/introduction/
北海道・旭川。この街には、「櫻子さん」が住んでいる。櫻子さんは、美人で名家のお嬢様。
なのに三度の飯より「骨が好き」。そんな彼女と一緒にいると、なぜか僕まで骨と縁ができるようで。
骨にまつわる事件と櫻子さんに、振り回されっぱなしの僕だけど、それが嫌じゃないのは、櫻子さん、きっと、あなたのせいだと思う。

 同名ライトノベル原作のTVアニメ。青春推理物。


■スタッフ

原作:太田紫織(KADOKAWA 角川文庫 E★エブリスタ 掲載)
監督:加藤誠
副監督:別所誠人
シリーズ構成:伊神貴世
キャラクター原案:鉄雄
キャラクターデザイン・総作画監督:サトウミチオ
アニメーション制作:TROYCA



■キャスト

九条櫻子:伊藤静
館脇正太郎:榎木淳弥
鴻上百合子:今村彩夏
ばあやさん:磯辺万沙子
内海洋貴:高橋広樹
磯崎齋:石田彰
今居陽人:柿原徹也



第1話 『第壱骨 骨愛ずる姫君』

■あらすじ

 北海道・旭川に住む高校生「館脇正太郎」は「九条櫻子」という女性と知り合いである。櫻子は名家の出身で美人だが、人間を相手にするより「骨」を扱っている方が好きという変人で、趣味が高じて動物の死体から骨格標本を作る「標本士」になってしまったほど。


 ある休日、正太郎は櫻子のお供で海岸に行き、動物の骨の採集を命じられるが、なんとそこで人間の頭蓋骨を発見してしまう。正太郎は慌てて警察に連絡するが、櫻子は警官に対し、涼しい顔で遺骨は100年は前のものだと説明する。二人はとりあえず署に連れて行かれることになったが、その途中、男女の水死体が見つかった現場の側を通りかかる。刑事は無理心中だと考えて簡単に処理しようとしていたが、櫻子は遺体の様子から心中を装った殺人だと指摘する。


 警察から解放された後、正太郎は櫻子の家でばあやさんが作った美味しい夕食を御馳走になる。


脚本 伊神貴世


■感想

 原作小説未読。漫画版(雑誌連載)は目を通していますが、連載が開始されたばかりで殆ど進んでいないので、事実上情報なし状態で視聴。


 人間より骨を愛するエキセントリックな美女が探偵役を務める推理物。原作はどのような読者を想定しているかは不明ですが、「ライトノベル」のくくりに入る作品なのでしょうかね。なんといっても原作紹介に「大人気キャラミステリ!」と書いてありますし(キャラミステリ!?)、イラスト重視の本のようですし。


 さて、アニメの内容は、ワトソン役の人畜無害平々凡々な高校生と、探偵役の年上美女のコンビが事件を解決していく、というオーソドックスな推理系。そして初回の展開はまさに完璧でした。冒頭の登校シーンで、正太郎が猫の死体を放置しておけない善良キャラである事が示され、その埋葬に付き合うサブキャラの台詞で学校内の人間関係を手早く説明し、海に向かう車の中でのモノローグで櫻子のキャラ紹介も簡潔に済ませてしまう、という手際のよさ。さらに海岸での骨を掘るシーンで櫻子と正太郎の親密ぶりが描写され、頭蓋骨についての分析で櫻子の骨に対する知識や観察力が人並みはずれていることも示されました。


 メインの偽装心中についての捜査シーンでは、櫻子が手袋をはめて、決め台詞(?)「謎を解こうじゃないか!」と口にした瞬間、3DCGで描かれた無数の骨が背後から迫って来る、という演出が実にカッコ良かった。推理物ですと基本的に派手な場面は存在しないわけですが、「決め」シーンを上手いアイデアで魅せていて、ここは実にグッと来ましたね。


 最後は櫻子が正太郎に解らないようにこっそり夕食の手配をさせておくなど、結構気配りのできるところも見せて、と、僅か1回で、キャラクターの性格・人間関係・背景設定、などを漏れなく見せてくれました。アニメの初回とはこういう風に作るべし、というお手本の様な回でしたね。初回からこのクオリティなら今後も大いに期待できるというものです。


 素人探偵コンビですから、今後も派手な事件では無く、「日常の謎」を推理していくストーリーになると思われますが、今からワクワクしますよ。

アニメ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」公式サイト
http://sakurakosan.jp/

原作サイト 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている太田紫織 | 角川書店 | KADOKAWA
http://www.kadokawa.co.jp/sakurako/