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感想:映画「となりのトトロ」(1988年:日本)

映画

となりのトトロ [DVD]

金曜ロードシネマクラブ|日本テレビ https://kinro.jointv.jp/lineup/161104/
放送 日本テレビ 2016年11月4日(金)

【※以下ネタバレ】
 

引っ越してきたばかりのサツキとメイが森で出会うのは!?懐かしい風景を舞台にした元気な姉妹の冒険物語。トトロにネコバス、マックロクロスケ…!キャラクターも物語も音楽も、すべてが世代を超えて愛され続ける宮崎アニメの大傑作だ!

 

あらすじ

 とある田舎に、サツキ・メイの姉妹とお父さんが引っ越してくる。お母さんは病気で入院しているため、一家で病院の近くに住むことにしたのだった。ある日、メイは庭で見つけた奇妙な生き物を追いかけるうち、クスノキの根元に住んでいる毛むくじゃらの生き物を見つけ「トトロ」と名付ける。ところが再度探しに行ってもトトロは見つからなかった。お父さんはメイに、トトロは森の主でめったに会えないのだと説明する。その後、サツキとメイは予期せぬタイミングで何度かトトロと出会う。

 とある週末、サツキたちの母親が一時退院して家に来ることになっていた。ところが病院から電報が入り、母親が体調を崩し退院できなくなったという。それを知ったメイはどこかに行ってしまい、夕方になっても居場所がわからず大騒ぎになる。サツキはトトロにメイ探しを手伝ってくれるように言うと、トトロは猫バスを呼んでサツキを乗せる。猫バスはあっという間にメイの元までたどり着き、二人はさらに猫バスで母親の病院に送ってもらい、母親が無事な姿を見て安心する。おしまい。


感想

 評価は〇。


 宮崎アニメ屈指の人気作のトトロをようやく視聴。28年前のアニメで、今まで数えきれないくらい日本テレビ系で放送されていたのですが、何かと名作名作と連呼されるため、却って見る気が失せていた、というのが一つ。もう一つはネットで「本当は恐ろしい《となりのトトロ》」みたい物を読んでしまったため、薄暗いホラーみたいなイメージが染みついてしまい、見るのを躊躇していた、というのが一つ。しかし、先日の放送の際にはストンと「もういい加減覚悟を決めるか」みたいな気になって、視聴したわけです。


 (視聴)


 おお……、なるほど、あれだけ再放送する理由もわかるわ。こりゃ面白い。今まで見てきた宮崎アニメで一番面白かったぞ。


 舞台は数十年前の日本(明確な年代描写はありませんが、電話の形からして昭和初期くらい?)。とある田舎に、父親とサツキ・メイの姉妹が引っ越してきます。後からわかりますが、母親は病気で田舎の病院に入院しており、多分転地療養で田舎に転院し、家族もそれについて引っ越してきた、という事のようです。娘二人は人もまばらな田舎に引っ越してきて落ち込む……、という事は全然なく、すぐさま新環境に順応してしまいます。ある日、メイ(4歳)は庭で奇妙な生き物を発見し、追いかけていくうちに奇妙な場所に迷い込み……


 このアニメを見ていてすごいと思ったのは、何も事件が起きないのに退屈しないこと。1時間50分のうち、トトロが姿を現すのは50分が経つ頃で、それまではほぼサツキたちの日常生活の描写だけ。画面に黒い毛玉のマックロクロスケは登場しますが、サツキたちはそれを直接目撃するけではないので、基本はサツキの一家の日常の光景しか出てこない。なのに面白い。ゲームとか漫画などで、ごく稀に「主人公たちが波乱もない日常生活を送っているだけなのに、何故か面白い」という作品があるのですが、このトトロがまさにそれ。全然事件も起こさずにそこまで話を持たせる宮崎駿ってスゴイ! と素直に思えましたよ。

 さらにその後も別に事件が起きるわけでもなく、あまりにも有名な「トトロが傘を持って立っているシーン」とか「猫バス」とかも、実際に見てみると大したイベントでもなかったし、えっと思うくらい何も無い。実は、見る前のイメージとしては「千と千尋の神隠し」的な内容だと思っていたんですよね。姉妹二人が、とあるきっかけでトトロとかそれ的な生物が沢山いる異世界に迷い込んで大冒険する的な。で、私としては「千と千尋~」は内容が濃すぎてイマイチ苦手なので、トトロについても覚悟して視聴したら、全然そんなことなくて驚いたという……、このさっぱりした感じが実にとっつきやすかった。あと宮崎作品でおなじみの敵との戦闘も無いし(笑)

 事件らしい事件と言えば、「最後にメイが行方不明に→猫バスで捜索→お母さんの病院まで行きました」くらい。トトロをめぐる大冒険も世界的な異変も発生しませんてしたが、そこが良かった。宮崎駿も、『超大作!!!』的な見るほうに正座を求めるような作品だけでなく、こんな風にすっと視聴できる作品も作っていたんだなぁと驚いちゃいました。宮崎アニメじゃ一番肩がこらなくて、楽しい作品だったな。

声の出演
<サツキ>
 日髙のり子

<メイ>
 坂本千夏

<とうさん>
 糸井重里

<かあさん>
 島本須美

<ばあちゃん>
 北林谷栄

<トトロ>
 高木均

<カンタの母>
 丸山裕子

<先生>
 鷲尾真知子

<本家のばあちゃん>
 鈴木れい子

<カンタの父>
 広瀬正志

<カンタ>
 雨笠利幸

<草刈り男>
 千葉繁



スタッフ
<原作・脚本・監督>
 宮崎駿

<製作>
 徳間康快

<企画>
 山下辰巳
 尾形英夫

<作画>
 佐藤好春

<美術>
 男鹿和雄

<音楽>
 久石譲

<歌>
 「さんぽ」
 作詞/中川李枝子
 「となりのトトロ
 作詞/宮崎駿
 作・編曲/久石譲
 歌唱/井上あずみ

<プロデューサー>
 原徹