感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第17話(シーズン1 第17話)「シンジケートをつぶせ!」

スパイ大作戦 シーズン1<トク選BOX> [DVD]

スパイ大作戦BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 

第17話 シンジケートをつぶせ! The Frame

 

あらすじ

IMFチームはケイタリングの業者になりすまし犯罪組織のトップが開く食事会に潜り込む。その人物が組織の金に手をつけたように仕組み、陥れるのが狙いだ。


ローラン(マーティン・ランドー)らIMFチームは、犯罪組織のトップが開く食事会に、レストランの従業員になりすまし屋敷に潜り込む。政府に食い込み、利権を我が物にしようとするシンジケート。果たして組織の活動資金を奪い去り、そのトップであるウェルマンを失脚させることが出来るか!?

※DVD版のタイトルは「シンジケートをばらせ」。


【今回の指令】
 犯罪シンジケートのボス、ジャック・ウェルマンは、政界に影響力を及ばすため、今までに国会議員など政府関係者四人を殺害させ、その後任に自らの息のかかった人間を送り込んでいる。しかしこの政界と犯罪組織の関係を断とうにも、正攻法ではウェルマンを処罰することはできない。IMFは何らかの手段によりウェルマンの野望を阻止しなければならない。


【作戦参加メンバー】
 ブリッグス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー、ティノ(ゲスト)。


【作戦】
 ブリッグスは、ウェルマンが近々自宅に幹部三人を招きボーナスを手渡す事を知り、メンバー共々ウェルマン贔屓のレストランの主人ティノの部下に扮してウェルマン邸に入り込む。そして食事を提供している間に、バーニーたちは地下の酒蔵にある隠し金庫を破り、ボーナスとして用意されていた合計400万ドルを盗み出す。一方シナモンは二階のウェルマンの部屋の壁に穴を開けて隠し金庫を埋め込み、また幹部の一人に自分がウェルマンの愛人だと思い込ませる。

 食事が終わった後、ウェルマンたちは酒蔵の金庫を開けるが、当然金は消え失せていた。幹部三人はウェルマンが金を独り占めしたと思いいきり立つ。さらにウェルマンの愛人に扮したシナモンは、いかにもウェルマンが部下たちを裏切ったようなことを言ったあと逃げ出す。ウェルマンはシナモンなど知らないと(本当のことを)言うが、幹部たちは信用しない。さらに壁に隠し金庫があるのを見つけ、ウェルマンに開けるように言うが、ウェルマンには当然開くことはできない。最後、屋敷から逃走中のIMFメンバーの耳に銃声が聞こえる。

監督: アレン・マイナー
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルター


感想

 評価は◎。

 IMFが、力づくではなく、策略によって相手を陥れて任務を達成する、という、スパイ大作戦の王道的なエピソード。いささか展開に粗さはあったものの、見ていて楽しい回だった。

 序盤から中盤にかけて、IMFのメンバーが、ひたすら床や壁に穴を開けるばかりで、いったい何をしようとしているのかは視聴者に説明されないというヤキモキした展開が続くが、終盤になってようやく「そういうことだったのか!」と解るのはなかなか痛快だった。

 しかし、まあ、IMFの狙いがわかってしまうと、結構雑な作戦だなぁと思ってしまうところも多い話ではあった。まず、ウェルマンたちの話を立ち聞きするため、給仕に扮したローランは耳が聞こえないというふりをするのだが、そんなことをしなくても隠しマイクをテーブルの裏にでも仕込んでおけばそれで十分だったのではなかろうか。

 またシナモンが最後まで屋敷に残り、ウェルマンの愛人のふりをして幹部たちをだます役目を果たすが、一歩間違えばウェルマン共々撃ち殺されて終わりだった気がする。最初にブリッグスは「彼らは女は殺さない」と言ってシナモンを安心させようとするが、むちゃくちゃ無責任な台詞だと呆れてしまう。

 それに幹部たち四人が会食している隙に、IMFメンバーが屋敷内で金庫に穴を開けたり、壁に金庫を埋め込んだりと好き勝手をしているのだが、そもそもそんな巨大シンジケートのボスの屋敷に幹部しかいない、というのは無理がある話で、護衛が邸内のそこら中にいて、よそから来た料理人たちを見張っているのが普通のような気がする。

 という事で、結構無理やりな展開の話ではあったが、IMFが様々な仕掛けで相手をだまして暴力を使わずに任務を果たす、というところはそれなりに楽しい話だった。

 ところでレストランの主人のティノの立場が最後までよくわからなかった。ただの店の親父を仲間にした、という事でもなさそうだが、するとIMFのメンバーの一人が普段はレストランを経営しているという事なのか? 任務が発生するまでは一般人として暮らす、いわゆる「スリーパー」という立場なのだろうか?


参考:今回の指令の入手方法

 ブリッグスがハローワーク的な建物に行き、「職能テスト」を受けるために個室に入る。テストはモニター画面に三択問題が現れるのでA~Cのボタンを押すというもので、「自由の女神像を贈った国はどこ? Aフランス Bドイツ Cメキシコ」とか問題が表示される。それを繰り返していると、突然指令の写真に切り替わり、同時に音声の指令が聞こえてくる。最後「なおこのフィルムは、この機械を止め次第消滅する。」と言った後、機械から白煙が立ち昇る。個室から出たブリッグスは、女性職員に「まだ今の仕事を続けることにしました」とか言って建物から出ていく。


参考:指令内容

 おはようブリッグス君。これはそれぞれ政府の要人が事故によって命を失った時の現場写真である。これら国会議員二人、州最高法務官二人の死には、共通点が一つある。いずれの場合も、その後任者が犯罪組織に対して何らかの形で媚態を示す点である。あらゆる合法的事業に手を染めたシンジケートは、今や政界にまで食い込んできたわけだ。これは合衆国のシンジケートを率いるジャック・ウェルマンの頭脳的所産であり、今のうちにくい止めなければならないのだが、表だっては彼に指一本触れることもできない。

 そこで君の使命だが、ジャック・ウェルマンの意図を粉砕することにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なおこのフィルムは、この機械を止め次第消滅する。成功を祈る。


他のエピソードのあらすじ・感想

perry-r.hatenablog.com