スパイ大作戦|BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
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放送 BSジャパン。
【※以下ネタバレ】
第8話 誘拐に挑戦! The Ransom
あらすじ
1人の少女がギャングの人質にとられた。裁判のカギを握る証人を拉致せよとブリッグス(スティーブン・ヒル)は脅されるが…。
ブリッグス(スティーブン・ヒル)の友人の娘がギャングに誘拐される。誘拐したイーガンは、娘と引き換えに裁判でイーガン有罪のカギを握る証人を拉致してくるようブリッグスに要求する。ブリッグスはIMFのメンバーを招集、娘奪還のため証人誘拐を計画する。そして…イーガンとの対決の時が迫る!
※DVD版のタイトルは「誘拐に挑戦しろ」。
【作戦参加メンバー】
レギュラー:ブリッグス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー
ゲスト:グリーン(医者)
ブリッグスはギャングのボスのイーガンから呼び出され、翌日開かれる予定の裁判でイーガンに不利な証言をするゴーマンという男を誘拐して連れて来いと指示される。もちろんブリッグスは断るが、友人フォスターの娘サンディがイーガン一味に誘拐されており、いう事を聞かないとサンディが殺されると解り、要求を飲まざるを得なくなる。ブリッグスは警察に連絡すればサンディの命が危ないため、IMFのメンバーを招集し、協力を依頼する。集まったローランたちはそれを承諾する。
ゴーマンはホテルに缶詰にされ、警察に厳重に護衛されていたが、IMFはホテルの水道水に混ぜた薬をゴーマンに飲ませることに成功した。薬のせいで倒れたゴーマンは病院に担ぎ込まれ、IMFは首尾よくゴーマンを病院から連れだすことに成功する。
ブリッグスたちはゴーマンをイーガンの部下に引き渡してサンディを救い出し、すぐさまその場を離れた。そこに遅れてイーガンが到着し、自らゴーマンを撃ち殺して部下たちを帰らせる。しかし実はそのイーガンはローランの変装で、ゴーマンは模擬弾で撃たれただけで生きていた。そこにIMFに足止めされていた本物のイーガンが現れた。フォスターは怒ってイーガンにつかみかかるが、ブリッグスたちに制止され、ブリッグスはイーガンはどうせ今日の裁判で有罪になる、と諭して〆。
監督: ハリー・ハリス
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルター
感想
評価は○。
通常のエピソードとは異なり、謎の上司からの指令を実行するのではなく、ブリッグスが巻き込まれた私的な事件をIMFが解決する、という異色のエピソード。しかし変化球系の話にも拘わらず、意外と出来は良くてそこそこ満足できた。
今回はブリッグスの普段は見せない人間らしさがいろいろ描写されており、ゴーマンがなかなか水を飲まないので焦って自ら酔っ払いに扮しゴーマンの部屋の前まで騒ぎに行ったり、捕まえたゴーマンがグダグダ言っているのを聞いて、銃をつきつけながら「死体にしてイーガンに引き渡しても良いんだぞ」と凄んだり、他のエピソードとは違って感情を見せるシーンが続出した。普段とは結構ノリが違ったが、これはこれで結構味がある展開だった。
いきなり始まった事件なので、時間がなかったからか、IMFのミッションの割にはあまり大掛かりな仕掛けはなかったものの、水道管を伝って薬の入ったカプセルを下ろし、盗聴でゴーマンが水道水を飲もうとしたのを察知した瞬間カプセルを破裂させて薬を飲ます、というのは、地味だが結構それっぽいギミックだった。ところで、1966年当時はミネラルウォーターを飲む習慣はなかったのか、ドラマ上の都合で水道水をゴクゴク飲んでいただけなのか、どちらなのかがちょっと気になるところではある。
病院でゴーマンを拉致するシーンで、レントゲン撮影用の台(対象者を寝かせるところ)の上面が回転式になっており、刑事の監視の隙をついて、台をひっくり返して裏側に張り付いていた全くの別人を出現させるギミックにはちょっと笑ってしまった。ところで、ゴーマンの代わりに登場した男はいったい何者だったのだろうか。最後まで意識不明のままだったので何者かついに明らかにならなかったが、適当に病院の患者を連れてきたのだろうか。
最後、ローランがイーガンに変装していた事が明かされるが、これがびっくりで、本当にローラン役マーティン・ランドーがメイクで変装していたのだが、驚くほどのそっくりぶりだった。サングラスで目のあたりを隠していた、という事を差し引いても、付け鼻やテープなどで実に上手く変装していて感心してしまった。
さて、今回のエピソードでもっとも気になった点は、ブリッグスの正体(IMFのリーダーという事)が結構多くの人にバレていることだった。ギャングのイーガンやゴーマンは明らかにブリッグスが何者なのかを知っていたし、友人フォスターもブリッグスがゴーマン誘拐のために作戦を開始しても全く驚いておらず、やはり普段の仕事を知っていたようである。視聴者的にはIMFというのは極秘の組織だと思っていたのだが、実は結構オープンな存在だったのだろうか。