【ゲームブック】「UFO54‐40地球攻撃す」の大まかなあらすじを英語サイトで突き止めた(ネタバレ)

INSIDE UFO 54-40 (Choose Your Own Adventure)

【以下ネタバレ】
 
 ここ数年来、ずーっと内容が気になって仕方ないゲームブックがあります。それがこいつ。

UFO54‐40地球攻撃す (アドベンチャーブックス) 新書 1986/7
エドワード パッカード (著), 大出 健 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4061919865

ぼくはいま、ニューヨーク・パリ間をむすぶ超音速旅客機コンコルドに乗っている。90分ほどでパリに着くというとき、とつぜん窓の外に、ぎらぎら光る白い円筒形の物体を発見した。ぼくにむかって、まっすぐに進んでくる。あぶない!思わず目をつぶった…。気がつくと、いつのまにか、ぼくはUFOの中にいた。どこからともなく声のようなものが聞こえてきた。「われわれはU―TY星の支配者だ。きみは銀河系動物園の標本として選ばれた。協力をこばめば、ソモに送る。」ソモとはなんなのか、UFOのねらいはだれもしらない。刻々と、地球に危機がせまってくる。話題のゲームブック


 すごい。この短い文章だけでもう引き込まれて読みたくて読みたくて仕方なくなります。しかし天下のアマゾンでも手に入らない希少な本のため、入手もままならず、身もだえする日々が続いていました。そしてついに禁断の手を使ってしまいました。つまり「アメリカ人が書いたサイトで内容を調べる」という手に。で、早速原書名(INISDE UFO 54-40)で調査開始!


 こことか
io9.gizmodo.com


 こことか 
seanmunger.com

 こことか
woodntyaknowit.blogspot.jp

 を読み込んで内容を確認。フンフン……、大体わかったぞ……。要するに、主人公が宇宙人に拉致されて、UFOの中でうろうろする話です。全然「UFOが地球を攻撃す」る話ではないらしい……、タイトル詐欺だ! 


 内容としては、

・宇宙人は伝説の楽園惑星「ウルティマ」を求めて何千年も宇宙をさまよっている
・UFO内には過去に地球から拉致された中国人少女やらバイキングやらがいる。彼らは歳を取らず不死
・バッドエンドは、「ソモ」送りになるとか、UFOから出られないまま、とか。UFOを乗っ取って地球に戻ろうとしても、うっかりすると地球に墜落する羽目になったりする。
・地球に帰って家族に会えればまずまずエンド
 といった感じ。なるほど。


 ちなみに、主人公が楽園惑星ウルティマへたどり着くのが最上のハッピーエンドですが、まともにプレイすると絶対そのエンドにはたどり着けません。何故ならそのラストは他のパラグラフからつながってないからです。つまり「読者がまじめにプレイせず、ペラペラ本をめくって読んでいって、ズルをして初めてたどり着ける結末」なんだそうで……、おいおい。そんなの許されるのか。どの感想も、内容がどうこうより「インチキしないと結末にたどり着けないよ!」という事に力を入れて書かれています。そりゃそうだよなぁ。
 

追記(2016/12/13 22:00)

●ソモとはなんなのか

 「ソモとはなんなのか」の疑問が解決されていなかったので、さらなる調査を行い、答えらしいものを発見しました。

Inside UFO 54-40 : de'finition de Inside UFO 54-40 et synonymes de Inside UFO 54-40 (anglais)
http://dictionnaire.sensagent.leparisien.fr/Inside%20UFO%2054-40/en-en/

 グーグルで訳してみると「~ in several plotlines the protagonist is threatened with being put to sleep for a billion years on the hellish planet "Somo".」(~いくつかのプロットラインでは、主人公は、地獄の惑星 "Somo"に10億年眠ると脅されます)となりました。ということで、「ソモ」とはウルティマとは正反対の地獄惑星という事で決着です。ちなみに、主人公は実際にソモ送りになることもあるらしく、当然バッドエンドです。



●真の結末について

choose your own adventure - How do we reach Ultima? - Science Fiction & Fantasy Stack Exchange
http://scifi.stackexchange.com/questions/91601/how-do-we-reach-ultima

 前述の通り、この作品では真の結末は普通にパラグラフをたどっていってはたどり着けません。これについては相当批判もあるようで(当然ですよね)、作者のパッカード氏はこれについてコメントしているそうです。

 本の冒頭には、一般的なゲームブックプレイ時の注意として「最初から順に読んではいけません」と書いてあるのですが、同時に「最も素晴らしい場所にはたどり着く方法がないこともある」とさりげなく触れてあったそうです。

 パッカード氏としては、この一文で「パラグラフ通り読んでもダメだよ」と暗示したつもりだそうですが……、子供にそこまで読み取れというのは無理があると思うなぁ。