感想:オカルト系番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」『File-15 徹底解明!最新超常映像の謎に迫る』


NHK幻解! 超常ファイル―ダークサイド・ミステリー (教養・文化シリーズ)
関連サイト→幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK http://www4.nhk.or.jp/darkside/
放送 BSプレミアム
【※以下ネタバレ】


『File-15 徹底解明!最新超常映像の謎に迫る』 (2016年1月9日(土) 22:00〜23:00)。

日本のテレビをにぎわす超常映像!UFO、未確認生物、不思議現象。その衝撃の映像テクニックや最新トリックを徹底検証!「えー!こうして作ってるの!?」▽栗山千明


緊急討論!栗山千明がディープな専門家たちと超常映像を検証!中東の大都市でUFOを同時に何人も撮影!怪物「スレンダーマン」や空飛ぶ人間、人魚が各地で目撃!無人オフィスのポルターガイスト!空では不気味な巨大リングや巨大渦巻きが観測!…という最新映像を問答無用に徹底追及!映像に矛盾はないか?画像分析の結果は?撮影者の動きは?2016年も「超常ファイル」は、ホンキで超常現象を検証し続けます!

http://www4.nhk.or.jp/darkside/x/2016-01-09/10/9401/2357047/

 今回はネットや他のテレビで取り上げられた「超常現象映像」を分析し、本物かウソか徹底解明。

1.霊が騒ぐ! 未解決ポルターガイスト現象

 前回「File-14」で放送しながら時間切れで真相追究できなかった二つのポルターガイスト現象を取り上げる。


◆2012年 イギリス・マンチェスター

 深夜のオフィスを撮影する監視カメラの映像。なんと椅子が勝手に動き出し、引き出しが開いて書類が飛び散り、PCがひとりでに起動する!

[真相]
 画像にズレや画面加工の跡が随所に見つかった。「監視カメラ映像」のフリをしたフェイク画像。



◆2012年 アメリカ・コロラド州

 キッチンを手持ちカメラで撮影していると、一瞬画面が乱れた次の瞬間、引き出しや何かから物が床一面に飛び出している!

[真相]
 編集トリック。まず片付いたキッチンを撮影してからカメラをすばやく振って揺れた映像にしつつ一時停止。続いてキッチンに物をぶちまけた後、またカメラを揺らしつつ撮影を再開した、という手口。


2.UFO衝撃の最新映像!!

◆アメリカ ニューメキシコ州 UFO基地に潜入!

 2012年ニューメキシコ州ダルシーで、町の上空を飛ぶUFOが建物の中に着陸する映像が撮影された。数日後、撮影者がその建物を訪ねてみると、なんと再度UFOが現われ、機体には「USAF(アメリカ空軍)」の文字が。そこに兵士が現われ銃を撃ちまくり、映像は途切れた……

[真相]
 建物の入り口の看板に「OONDYLA」と書いてある。調べてみると、これは会社名で「アナタの会社を衝撃映像を使った口コミで宣伝します」という業務内容の会社だった。このUFO映像は、この会社が、自分たちの技術力の宣伝のために作ったものだったのである。



◆2014年5月 中国・四川省 UFOがドライバーたちを攻撃!?

 中国で道路上空に現われたUFOが地上に向かって何かを発射。車は大爆発を起こし、人々が逃げ惑っている。複数の方向から撮影されており、これが作り物とは考えられない!

[真相]
 2012年に起きた実際のタンクローリー爆発事故の映像にUFOを合成したフェイク。実際の事故で人が大混乱しているのでリアルに見えるが、犠牲者の出た本物の事故の映像をこういう風に改変するとはモラル的に如何な物か。



世界遺産上空にUFO出現!

 2011年1月28日深夜。エルサレムで、謎の光がゆっくり降下してきたかと思うと、次の瞬間上空に猛スピードで飛び去った。そして最終的に6人がこの光を撮影しており、さらに後日光を見たという証言者の映像もUPされた。これは間違いなく本物のUFOだ!

[真相]
 画像は背景に加工の跡がある。また証言者の映像をUPしたのも最初の画像の撮影者と同じ人物。多分一人がいくつものフェイク画像を別人のふりをして次々とUPし、いかにも本当らしく見せかけたと思われる。


■緊急討論! 超常映像の最新トリックを検証!

・なぜ複数の動画が存在?

 もう今では画像加工技術が発達しすぎて、普通にUFOが飛ぶ映像だけでは相手にされない。こうなると「同じ事件を複数の人が別々に撮影した」という風に宣伝しないと目立てないから。



・UFOの映像にも流行がある?

 昔は「点」が飛んでいるだけだったが、最近はもう「いかにもUFO」というデザインのハリウッド映画風UFOが映るようになっている。



・超常現象映像の注意点

 あまりにも綺麗にUFOをジックリ撮影しているような映像は怪しい。本当に自分がUFOに出会ったらそんなに冷静に綺麗な映像が撮影できるか?と考えれば、ピントはぼけるし、画面のど真ん中に綺麗に捕らえることも出来ないだろう。また「アメリカ軍がキチンとUFOに空軍のマークをつけて町の真ん中に着陸させるか」と考えれば、これはありえないと気がつけるだろう。


3.未確認生物の世界に世代交代の嵐

◆スレンダーマン

 もう未確認生物でネッシーツチノコは古い! 今のトレンドは「スレンダーマン(slenderman)」。アメリカで1986年に撮影された写真に写っている怪人で、身長は推定3メートル。黒いスーツを着込み、異様に手足が長く、また体から手足以外にタコの触手の様なものが伸びている。2009年頃から話題になり、子供を誘拐するだの催眠をかけるだのの噂が大流行。

 2014年にスレンダーマンはイギリスに上陸。各地で目撃情報が相次いだ。

 2015年にはロシアに登場。緑色のクモの様なスレンダーマンがビルを這い回っている動画がUPされた。

 さらに同じ2015年にはメキシコにも登場。全裸のスレンダーマンが家の屋根に乗っている映像がアップされ、日本のテレビでも放映された。

[真相]
 もちろんスレンダーマンは架空の存在。実は2009年にネットで行なわれた「超常現象画像を作ろう」コンテストで応募された作品が発端で、それが「1986年に撮影された写真」というヤツだった。それがたちまち拡散して、みんなでスレンダーマン画像を作るようになったのである。

 ロシアの映像は元々は「マンションの壁を何かが這い回っている」というタイトルだったが、誰かが「ロシアのスレンダーマン」と付け直したものが拡散した。

 またメキシコの映像は、CGクリエイター集団が作ったもので、メイキング画像も公開されている。こちらも誰かがタイトルを「スレンダーマン」につけなおしたものが広まったのである。そして日本のテレビでは本物画像として「裸のスレンダーマン」として紹介された(笑)



◆近年流行の未確認生物 フライング・ヒューマノイド インドに現わる!

 2014年インド・クトゥヴ ミナール。世界遺産の上を人影の様なものが飛びまわっている映像が撮影された。これこそ空飛ぶUMAフライング・ヒューマノイドだ!

[真相]
 動画サイトの投稿者のコメントを見ると「空飛ぶ男が出てくる本を読んでね」と書いてある。実はこの映像は、空飛ぶ男が出てくる小説の作者が、本のPRのために作った映像だった。ところがこれも誰かが「インドのフランイグ・ヒューマノイド」といったタイトルをつけて拡散させてしまったとのこと。



◆オーストラリアの監視カメラが撮影! 深夜に徘徊する少女の霊

 2015年8月。オーストラリア・バリナのホテルの監視カメラに、深夜白い影の様なものが部屋を徘徊する姿が映されていた。これは19世紀に悲劇の死を遂げた少女サラの幽霊か?

[真相]
 多分クモか虫が映っている。監視カメラはドーム状の透明なカバーをつけているが、そのカバーの内側に虫が入り込み這い回っているものと思われる。部屋にピントが合うようにしているので、カメラの近くにいる虫はピントが合わずボケて見える。よく見ると、手足の様なものが動く姿が確認できる。



◆人魚動画

 最近人魚の動画が大流行である。「岩場で振り向く人魚」「潜水艇を覗き込む人魚」「子どもたちを襲う人魚」「ボートを横切る人魚」など。これは日本のテレビ局の番組で何度も放送されている。

[真相]
 これらは2013年にアメリカで作られたフェイク・ドキュメンタリーの映像を切り出して放送している。どの映像も、そのドキュメンタリー番組のマークがついているのですぐ分かる。


■緊急討論! 超常映像の最新トリックを検証!(その2)

・未確認生物にも流行がある?

 昔は空を飛ぶのはUFOだけだったが、それだと飽きてきたので「フライング・ヒューマノイド」とか「フライング・ホース(空飛ぶ馬)」とかが最近流行っている。



・「スレンダーマン」変化しながら拡散した理由

 注目されたいから元のキャラクターがドンドン派手になっていく。自分の作った映像を見てもらいたいから、既に有名なキャラクターの名前を使い、検索にヒットしやすくしている。今では動画は視聴回数でお金がもらえるので既存キャラクターを利用する。



・悪用されるフェイク映像

 フェイクドキュメンタリーも手品と同じで、「これはだましてます」と知らせて見せるのならOK。しかし、フェイクを「本物」と偽ってテレビで見せるのはどうなんでしょうねー。


4.CG加工一切無し! 実際の映像!

◆新型UFO映像!? カザフスタン上空にブラックリング出現!

 2015年4月。カザフスタン・ショルタンドゥイ上空に黒い輪の様なものが飛行していた。2014年イギリス・ウォリックシャーでも同様のリングが目撃されている。UFOか?

[真相]
 「渦輪(うずわ)」と呼ばれる自然現象。火山の噴火口から出た煙が、空気砲の原理で輪になって飛んでいる。



ノルウェー上空に現われた巨大渦巻き

 2012年12月9日。ノルウェー・トロムソで朝8時まだ暗い空に光の渦の様なものが目撃された。

[真相]
 ロシアのミサイル発射実験の失敗。多段ロケットの切り離しに失敗し、グルグル回転していたミサイルから噴出したガスが渦巻きを作っていた。



◆アメリカの湖に出現! 地底世界への入り口

 カリフォルニア州ベリエッサ湖に巨大な穴が開き水が吸い込まれている。この大穴は一体何なのか?

[真相]
 この湖はダムの貯水湖で、水がたまりすぎた際に排水するグローリーホールという穴が開いている。その排水の様を写した動画を「超常現象」とタイトルをつけていただけ。


■緊急討論! 超常映像の最新トリックを検証!(その3)

・「不思議映像」現実である事の驚き

 不思議現象に遭遇したら映像を撮影したり、みんなで調べたりするのは当然のこと。そこで「宇宙人の乗り物」と決め付けてしまうと話が終わってしまう。そこはキチンと、不思議な現象なのか、見間違えなのか、フェイクなのか、と調べていきたい。



・「超常現象映像」何故人気?

 やっぱり単純に面白いから。人間は好奇心の塊。でも不思議映像を見たらきちんと真相を突き止める努力はして行きたいですね。


■感想

 いやー、最高!! 2013年に放送した「file-06」http://d.hatena.ne.jp/Perry-R/20131107/p6 でもUFO映像と言われているものを分析して、一々「フェイクですね」とか「ごみが飛んでいるだけですね」とか分析していたのですが、あの時以来の面白さ。超常現象映像を徹底分析して真相を探り当てていく様は、謎解きの物語として面白かったですよ。

 それにしても、他局(つまり民放)が「ガチ超常現象映像!」と銘打って放送している(らしい)画像を「他局じゃ本物といって放送しているけど、これフェイクだから(笑)」とネタばらしをしてしまうNHK。もう他局では本物映像と名乗れない(笑) いやー、このケンカ売りまくりの姿勢、しびれるわぁ(笑)


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UFO、ネッシー、雪男、予言&占い、心霊現象、超古代文明、妖怪、吸血鬼、魔女…。闇の魅力がもつ妖しげな幻に対して、「今、何がどこまでわかっているのか?」を徹底検証!そこから浮かぶのは、自然の神秘、私たちの脳や心の不思議なメカニズム、社会のからくり、昔の人の驚くべき技術と想像力…。ダークサイドの向こうの“本物の不思議”をワクワクしながら楽しんでいただく、NHKならではの超常現象ガチンコ検証番組!


出演者 栗山千明 (くりやまちあき)

テーマ曲: 志方あきこ
オープニング曲“Arcadiaアルカディア)”
エンディング曲“Leyre(レイレ)”
アルバム名/ “Turaida(トゥライダ)”

語り: 中田譲治(声優、俳優、ナレーター)
代表作 『巌窟王』(モンテ・クリスト伯爵)、『ケロロ軍曹』(ギロロ伍長)、『HELLSING』(アーカード)、『Fate/Zero』(言峰綺礼)、『劇場版 空の境界』(荒耶宗蓮)など

http://www4.nhk.or.jp/darkside/26/