感想:アニメ「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」第5話「消失のポーカーフェイス」


Golden Life/OVERNIGHT REVOLUTION

関連サイト→TVアニメ「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」公式サイト http://activeraid.net/
放送 BS日テレ
【※以下ネタバレ】

第5話 『File5 消失のポーカーフェイス』

■あらすじ

 第八の管理職は公安部から密かに接触を受け、「ロゴス」なる犯罪組織が実在しているらしいと教えられる。

 別の日、第八に任務で公開のポーカー勝負に挑むようにとの命令が下る。正体不明のテロリストが、数学講師の小野寺とのポーカー勝負を要求しており、今までにも挑戦者が負けた場合はミサイルを街に打ち込んでいたのだ。これ以上の被害を防ぐためには小野寺に勝つしかないが、自信満々で対戦した船坂は押されまくる。実はテロリストは小野寺自身で、カジノで出禁にされて腐っていたところにロゴスから手を組むように話があったため、すぐに飛びついたのだった。代打で乗り込んだ黒騎も全く相手にならず、手詰まり状態に。しかしそこで第八の地味オペレーター・天野円が現われ、小野寺を破る。実は円はその筋では伝説的なギャンブラー「ブラッディマリー」だった。ロゴスは、勝負の結果に関係なくミサイルを発射するが、それを予期していた第八が迎撃に成功した。

 最後は、みんなで円に「非番の日にコスプレしても罪にならないし」とか軽く流して〆。


脚本:井上敏樹


■感想

 評価は△。


 今回は、またしてもロゴスが裏で人を引く人を食ったような事件が発生、第八が振り回される、というエピソード。これだけ聞くとまともに思えるが、実体は「ハァ?」と言いたくなるようなバカ話で呆れかえった。

 「愉快犯的なテロリストからの要求で、ポーカー勝負に勝たないと街にミサイルが撃ち込まれる」という事件が発生し、第八が貧乏くじを引かされるような形で勝負につれてこられる、という展開にそもそも無理がある。愉快犯のゲームというより、今回の主役の円を生かすために強引に作り出した設定のための設定という感じで、この時点で無理やり感が物凄い。

 さらに最後に主役として登場する円のキメの格好が「パピヨンマスクとチャイナドレス」というのは、『単なるアホ』である。チャイナドレスはともかく、何故マスクまでつけてしまったのか。誰も止める人はいなかったのか。この時点でスタッフの能力に疑いを感じてくるのは当然ではなかろうか。

 しかし、今回の脚本が井上敏樹先生と知ってなんとなく「さもありなん」という気がしたのだった……


 以前から感じていた事だが、このアニメは「20世紀のヒーロー物アニメ/特撮」の雰囲気が物凄く濃いように思える。わざと21世紀の洗練された手法とか雰囲気を排除し、古臭い空気を作り出しているように思えてならない。そしてそれが成功しているかというと、いまひとつ疑問なのである。最初は「昔っぽくて楽しい」と思えていたのだが、さすがに今回レベルになると、ただの古臭い話の焼き直し、という感が強く、手放しで喜ぶ気にもなれない。

 それに、今まで殆ど台詞も存在感も無かった娘をいきなり主役に担ぎ出す、というのが無理すぎ。あらかじめ、少しでもあさみに絡ませておいて多少は出番を作っておいてから、今回の様な主役エピソードをもって来るべきだろう。段取りにスマートさが無い。

 このアニメは、別に嫌いでは無いものの、もう少し21世紀の視聴者に寄り添ってもいいのではないかと思えるアニメである。今風なのはキャラデザだけなのかと突っ込みたくなるのだった。

 しかし今回は、過去にエロいキャラ役が多かった石上静香演じる星宮はるかが、殆ど意味も無くバニーの格好をしていたので、そこのところは評価したい(というかそこしか評価ポイントなし)。


■ちょっと一言

 今回キーとなったポーカーだが、船坂たちが対戦していたのは「ファイブ・カード・スタッド・ポーカー」というクラシックなタイプ。日本人がポーカーと聞いて思い浮かべる「五枚とも隠しておいて最後に見せ合う」というあの手のポーカーは、さらに古い「ドローポーカー」と呼ばれるポーカーの化石みたいなもので、日本以外では絶滅している古臭いスタイルだったりする。