感想:アニメ(OVA)「ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow」第2話「エーゲ海の女神」(2015年3月発売)

「ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow vol.2 エーゲ海の女神」秘め歌コレクション

ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow http://w-witch.jp/
放送 AT-X。全3話。

【※以下ネタバレ】

ヴェネツィア上空に突如として現れた、巨大ネウロイの巣に対し、
1945年7月、連合軍はその総力を上げてオペレーション・マルスを実施。
第501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」の赫奕たる活躍により、
巨大ネウロイの巣は消滅、ヴェネツィアは解放された。
その後、同部隊は解散、ウィッチたちは世界各地へと帰還したのだった。

それから半月後―――
ウィッチたちは今も世界の空を駆けている
それぞれの大切なモノを守るために―――

※他のエピソードはこちら→ vol.1 サン・トロンの雷鳴 | vol.3 アルンヘムの橋

第2話 エーゲ海の女神 (2016年3月16日(水)放送)

■あらすじ

シチリア島で休暇中のシャーリーとルッキーニの元に突然鳴り響く電話。クレタ島基地に召集された二人は、第31統合戦闘飛行隊『ストームウィッチーズ』のマルセイユとライーサと共に、ネウロイ殲滅作戦に参加することに。喧嘩をしつつも戦う四人、果たしてルッキーニの思い出の島を守る事ができるのか――?

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 オペレーション・マルスの成功でヴェネツィアが解放された後、ストライクウィッチーズは解散し、ルッキーニとイェーガーはシチリアのルッキーニの実家でのんびり休暇を楽しんでいた。ところがある日二人はクレタ島基地に呼び出され、ロンメル将軍からデロス島攻撃の任務を与えられる。デロス島の洞窟にネウロイが巣を作り、付近を通る船舶や航空機を攻撃してくるため、艦隊でデロス島ごとネウロイを破壊する事に決め、ウィッチたちはその支援を行う事になっていた。

 しかしルッキーニは島が両親の思い出の場所であるため破壊に反対、作戦開始前に自分たちでネウロイを倒すと提案する。カールスラント軍のマルセイユとペットゲンも不承不承協力するが、予想外のネウロイの強さに攻撃は失敗してしまった。

 結局本来の計画通りデロス島破壊作戦が開始されるが、イェーガーは島の近くに座礁している船のウインチをネウロイに引っ掛けて洞窟から引きずり出す事を思いつき、ロンメルもそれを許可する。そして四人のウィッチの活躍でネウロイは倒され、デロス島や島の貴重な文化遺産は破壊されずに済んだ。


感想

 評価は△。

 ぱんつ美少女が空を乱舞する美少女+ミリタリーアニメ「ストライクウィッチーズ」(通称ストパン)のOVA第二弾(2015年3月13日(金)発売)。1作目が落胆に値する内容だったため、本作も期待していなかったが、やはりというかのガッカリ編だった。


 第二期最終回の後、ルッキーニの実家で休暇を楽しんでいたルッキーニ&イェーガーコンビ。ある日、二人に新たな任務が与えられるが、それはルッキーニにとって思い出深いデロス島を破壊するというものだった。ルッキーニは文化遺産の保護を名目に反対し、イェーガーもそれに同調するが……


 OVA1話「サン・トロンの雷鳴」がストーリーがぼんやりとしていて盛り上がりどころに欠けていたのとは違い、こちらは冒頭からウィッチたちがしっかりした軍事作戦に参加するという設定のため、今回はもしかするといけるのではと思っていたが、終わってみると出来は相変わらずで、「もう一つ」という評価に尽きた。

 内容は「小島の洞窟に配置された巨砲を無力化する」という、名作戦争映画「ナバロンの要塞」を髣髴とさせるものだが、ストーリーが盛り上がりに欠け、爽快感という物が全く無し。前半のウィッチ四人による奇襲作戦の辺りは多少盛り上がって期待させたものの、それが失敗に終わると物語は急速にトーンダウンしてしまい、話の勢いを殺してしまうのが哀しい。この辺りで、サービスのためにマルセイユとペットゲンの入浴シーンが挟み込まれるものの、「余分な事」という感が否めなかった。スタッフは「ちょっと女の子の裸を見せておけば、ストーリーは雑でも気にしないでしょ?」とでも思っているのだろうか。

 後半、予定通りのデロス島破壊作戦が開始されようとするものの、突然イェーガーがウインチ作戦を思いつき、今までいがみ合っていたマルセイユもブツブツ言いつつもそれに協力する、というあたりは、本作最大の盛り上がりどころのはずだが、これが演出が悪いのかちっとも高揚感といったものを感じられず、ウィッチたちの奮闘を淡々と眺めるのみだった。最後にはなんと作戦指揮官のロンメル将軍自らが飛行機で前線に出てきてウィッチたちを支援するのだが、本来なら燃え燃えとなるこの展開もさほど話にブーストをかけられずに終わってしまい、余計に寂しさが募ってしまった。


 本作はOVAとして気合を入れて作られた作品というよりは、1クールアニメの6・7回目あたりに放送される「捨て回」といった雰囲気で、正直見終えた瞬間から脳内から消え去りそうなインパクトの無い作品だった。


 一番印象的なシーンが、ルッキーニが飛行中に見せた縞パン、というのではねぇ……



※他のエピソードはこちら→ vol.1 サン・トロンの雷鳴 | vol.3 アルンヘムの橋

<スタッフ>
原作:島田フミカネ & Project Kagonish
監督・アニメキャラデザイン:高村和宏
キャラクター原案:島田フミカネ
シリーズ構成:ストライカーユニット
世界観設定・軍事考証:鈴木貴昭
メカニックデザイン・メカ総作画監督:寺尾洋之
アニメーション制作:SILVER LINK.


<キャスト>
フランチェスカ・ルッキーニ 斎藤千和
シャーロット・E・イェーガー 小清水亜美
ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ 伊藤静
ライーサ・ペットゲン 楠見藍子
エディタ・ノイマン たかはし智秋
エルンスト・ロンメル てらそままさき
宮藤芳佳福圓美里
山川美千子:佐藤有世
ナレーション:郷田ほづみ

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