感想:アニメ「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」第10話「姿なき征服者」


Golden Life/OVERNIGHT REVOLUTION

TVアニメ「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」公式サイト http://activeraid.net/
放送 BS日テレ。全12話。

【※以下ネタバレ】

第10話 『File10 姿なき征服者』

あらすじ

 ミュトスとバードは初めてリアルで顔を合わせ、今後の計画の為に何かを取り決めた。同じ頃、第八は今までのロゴス関連の事件を洗い直していたが、決定的な手がかりは得られない。そんな時、陽の学校の生徒会長・八条司稀(はちじょう・ともき)が、警察に自分がロゴスのボスだと自首する。司稀は今までの犯行は全て楽しみの為に行い、やりたい事をやりつくしたので自首したと告白し、第八のメンバーを唖然とさせる。第八のメンバーは釈然としないものの、とりあえずロゴス事件は解決したと安堵していたが、その矢先、本庁からその日限りで第八が解体されると通達される。

 第八メンバー(あさみ以外)はわりとさばさばと通達を受け入れるが、その日の深夜0時に開催される復興記念イベントで、突然ニセの地震警報が発令され、その混乱を皮切りにミュトスは国の情報基盤システムを乗っ取りにかかっていた。

脚本:荒川稔久


感想

 評価は◎。

 ミュトスとバードの邂逅、第八の解体、黒騎とミュトスが互いの正体を知らずに初遭遇、など、イベントがてんこ盛りで、かつ群像劇として実に良い出来。「この設定のアニメならば、こんな風に展開して欲しい」という理想が初めて完璧に実現した回で、満足度が高いエピソードとなった。最初からこのクオリティで展開してくれれば何も文句は無かったのだが……


 冒頭に、以前司稀と陽がちらと触れていた「惨劇の果実」事件のカットが入り、予想とおりとはいえ、ミュトスが関係者であることが明らかになった。想像を逞しくすると、多分教祖がミュトスの父親で、色々ごたごたが有って妹が死に、その復讐のため日本そのものの破壊を狙っている、といった思想背景だろうか。今後、この辺りがどれだけ深く描けるかで作品の評価も変わってきそうである。

 ミュトスとバード/八条司稀がこの時点までリアルで顔を合わせたことも無かった、それどころか顔も何も知らなかった、というところに、ネット時代的リアルさを感じた。(この作品では二人とも涼しげなイケメンかつ頭の切れるキャラだったが、現実だったら二人ともデブキモオタだった、というオチになると思う(笑))。

 今回はウィルウェアのバトルシーンが登場しないにもかかわらず、緊迫したストーリー展開でグイグイ視聴者を引っ張って見せてくれたのもポイントが高かった。「警察モノ」なのだから、捜査シーンや犯罪者サイドの描写などで話を組み立てるのが王道で、巨大ロボ話だの覆面ギャンブラーだのの様な脱線をせずに、今回の様な話を最初から見せてくれていれば、と思うと残念でならない。まあ、見方を変えて「最後にこのレベルまで達したのだから良かった」と祝福すべきかもしれない。

 ここまで盛り上げたのだから、残り2話もこの勢いをキープして欲しいものだと切に願う。