感想:小説「隔離船団」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 512巻)(2016年1月8日(金)発売)


http://www.amazon.co.jp/dp/4150120463
隔離船団 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-512 宇宙英雄ローダン・シリーズ 512) 文庫 2016/1/8
ペーター・テリド (著), H・G・フランシス (著), 工藤 稜 (イラスト), 嶋田洋一 (翻訳)


球状星団M−13近傍の宇宙空間で、金色のレールに似たY字形の巨大物体が発見された!


球状星団M‐13近傍の宇宙空間に金色のレールにも似た巨大なY字形の物体があらわれた。それと同時に、M‐13にある惑星アルキストの商館では、空から土塊が降りそそぎ、さまざまな異生命体が跳梁跋扈しはじめ、住民は逃げまどうばかりだった。巨大なY字形物体は、超越知性体セト=アポフィスの新兵器なのだろうか? アルキストからの救援要請をうけたペリー・ローダンは、ツナミ艦二隻のチームを派遣することにした!


発売日 = 2016年1月8日(金)
サイクル= 第16サイクル「宇宙ハンザ」

【※以下ネタバレ】


内容

◆1023話 隔離船団(ペーター・テリド)(訳者:嶋田洋一)

 ローダンはM−13に出現した謎の物体と対峙するが!?

 ビックリするくらい中身無し。結局「謎の物体を『時間転轍機』と命名した」とただそれだけだもんなぁ。サブタイトルになっている隔離船団の話が本来のストーリーに全く関係が無い、という事実が堪えました……



◇1024話 時間塵( H・G・フランシス)(訳者:嶋田洋一)

 ローダンは惑星アルキストに降下するが、アルキストは恐るべき混乱に陥っていた!!

 イホ・トロトが相変わらず挙動がおかしくて大変、というそれだけの話。もう勘弁してください真面目に話を進めてください、と泣きつきたくなります。



 前半・後半ともスッカスカ。数冊前から続いているセト=アポフィス絡みの話は中身が無い引き伸ばしストーリーばっかりでイヤになります。もっとも別系統の「ベッチデ人」サイドのエピソードもやはり中身が無いので、宇宙ハンザサイクルに入ってから、めちゃくちゃクオリティが落ちているという事になります。「宇宙の城」サイクルに力を注ぎすぎて、その反動で中身が薄くなっているのでしょうか。


表紙絵

 メインはローダン。背景はイホ・トロト対異人キルルの激突シーンと、アルキストに現われた巨大ロボット。

あとがきにかえて

 担当は「嶋田洋一」氏。全5ページ。去年(2015年)10月に秋田県本荘市で行なわれたSFイベント「ホンコン」に参加した話。あと、以前は「ウ『ィ』ルス」ではなく「ウ『イ』ルス」と書いていたものの、編集部の方針変更で「ウィルス」と書くことにしました、というお話。


次巻予告

 次巻は513巻「競技惑星クールス」(マリアンネ・シドウ)(2016年1月22日(金)発売予定)。

おまけ

 あらすじネタバレ版はこちらへ。

ペリー・ローダンへの道
http://homepage2.nifty.com/archduke/PRSindex.htm