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感想:アニメ「ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション」第12話(最終回)「境界を越えるRPG」


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TVアニメ「ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション」http://phantasystar.sega.jp/psportal/pso15anniversary/animation/
放送 BS-TBS

【※以下ネタバレ】

第12話(最終回) 『Last Quest 境界を越えるRPG

あらすじ

 イツキはアイカの支援でダークファルスの体内に飛び込み、リカを見つけて共に脱出した。そしてイツキ・リナ・アイカは力を合わせてダークファルスを撃退した。ダークファルスは不死身で、決して殺す事はできない。アイカはダークファルスの地球侵攻は終わったのでお別れだといって、イツキとリナを送り返す。学園ではリナの仕切りで学園祭の後夜祭が始まるが、アイカは結局戻ってこなかった。そしてイツキのオラクルへ行く能力も失われていた。

 翌年春。リナは卒業し、イツキが次の生徒会長となった。イツキがお別れがてら、こそっとリナの肩を抱こうとしていると、突然アイカが現れてリナの卒業を祝福する。アイカは今回は任務の前に立ち寄っただけだと言い、イツキは失望するが、アイカはアークスが有る限りいつでも会える、とつぶやく。完。


感想

 いや〜、面白かった。全ては予定調和というかで、立ちふさがるラスボス、ラスボスをみんなが力を合わせて倒す、お別れ、卒業、最後に主要キャラ三人が顔を合わせて〆、と、ひねった要素はなにもなかったのですが、王道の素晴らしさで心地よい最終回を演出してくれました。3月終了アニメの中では上位に入るクオリティと評価しており、この最終回には大満足です。


総括

 人気オンラインRPGファンタシースターオンライン2」を原作にしたアニメで、放送前は何一つ期待していなかったのですが、予想以上の出来の作品でした。


 2027年。清雅学園二年生の橘イツキは、生徒会長の泉澄リナに呼び出され、空席となっている生徒会副会長の座に着く様に要請される。イツキは唐突な話に驚くが、リナは成績も素行もそこそこという理由で、他の役員たちの不満をよそに強引にイツキを任命してしまう。さらにリナは、イツキに、最近流行のオンラインRPGファンタシースターオンライン2PSO2)」をプレイし、その内容を逐一報告するように命じる。リナは学園から生徒たちのソーシャルネットワークの調査を命じられており、その対象がPSO2だというのだが……


 人気ゲームのアニメ化(あるいは漫画化・小説化)であれば、ゲーム世界内のキャラクターが活躍する物語が普通ですが、このアニメは作品世界のキャラクターの冒険を描くのでは無く、現実世界を舞台に「PSO2」というゲームをプレイしている学生たちが主人公、という構成になっていていきなり意表をつかれました。その発想は無かった、というか新鮮な驚きがありましたね。物語の序盤から中盤にかけては、視聴者は主人公イツキと共にゲームの始め方、ゲーム世界の設定、ゲーム内のお作法、を学んでいくという教育的(笑)な内容で、ゲーム勧誘用アニメ(笑)という新ジャンルが確立された感が有りました。



 またイツキたち学園生活の描写も妙に楽しくて、そのあたりも評価が高くなったポイントでした。数え上げるとキリが無いのですが、


・リナがSOROでイツキを指導しながら表向きは知らないふりをする
・アイカの美人なのにエキセントリックすぎる行動
・イツキが休日にリナに外出に誘われてデートだと浮かれていたら単にオフラインイベントに連れて行かれただけだった
・リナが幼い頃のイツキと会っているのにイツキは憶えていない
・ラスト侍が奥さんの弓子に頭が上がらなくて、襟首を掴まれて引きずられていくシーン
・男湯にアイカが入ってきて、イツキはオタオタしているのにアイカは平気
・ゲーム内の美少女キャラのプレイヤーとリアルで会ったら、相手は男だった
・ラスト侍がメイド喫茶のJKを見て喜んでいたら奥さんの弓子にお仕置きされる


 などなど、もうあらゆる箇所で「昭和アニメ」の雰囲気が漂っていて、わざとやっているだろう感すら有りましたが、これが毎回面白さのスイッチを入れてくれて非常に楽しめました。


 途中からは「学園アニメ」に少しずつ非日常要素が入り込んでくるのですが、どういう設定なのか正体が掴みきれず、謎解きには結構熱中しました。某SF作品みたいな「学園生活の方がバーチャル世界で、PSO2の戦争をしている世界の方が現実」とか「主人公は21世紀だと思い込んでいる世界が、実ははるか未来に作られた箱庭的世界」とか色々考察しましたよ。しかしさすがに、「地球人が作ったPSO2というゲームの世界が、現実に存在するオラクルという船団と繋がっていた」とかいう突拍子も無い真実にはたどり着きませんでした(笑) しかもゲームで作ったキャラクターがオラクル側では実戦力となって使用できるとか無茶にもほどがある。


 という事で、SF的考証は事実上破綻しているのですが、そういう細かい箇所に目をつぶれば、学園ラブコメ、ゲームのレクチャー要素、謎の美人転校生、異能者モノ設定、SFバトル、など幅広く楽しめる娯楽アニメとなっていました。世界設定は破綻していましたが、物語自体は綺麗にオチがつき、気持ちの良いラストを迎えてくれました。ありがちな「設定が凝っていながら最終回で終わらない作品」よりよほど素晴らしいことでした。


 全体に「小学生向けテイスト」ではありましたが、このクールに放送された作品の中ではAクラスのアニメでしたね。


【原作】セガゲームス「PHANTASY STAR ONLINE2」
【監督】川口敬一郎
【シリーズ構成】広田光毅
【脚本】広田光毅
【キャラクターデザイン】高須美野子
【音響監督】岩浪美和


橘イツキ:蒼井翔太
泉澄リナ:諏訪彩花
鈴来アイカ:M・A・O
茅野コウタ:島粼信長
工藤マサヤ:佐藤拓也
近衛ミカ:村川梨衣
佐々木ユタカ:金田アキ
瓜坂セイヤ:堀江瞬
瓜坂マユ:樺山ミナミ
SORO:玄田哲章