感想:アニメ(新番組)「影鰐-KAGEWANI-承」第1話「胎動」:初回から王道パニックホラー!


影鰐-KAGEWANI- [DVD]

影鰐-KAGEWANI-承 http://kagewani.com/
放送 BS11。10分アニメ。全13話。

【※以下ネタバレ】

奇獣に襲われる人間達の攻防を描くモンスターパニックアニメーション!神出鬼没、攻撃不能、生きとし生けるものすべてを喰らい尽す、超生物・影鰐。主人公・番場宗介は、謎の製薬会社・猿楽製薬による“影鰐兵器化計画”の事故に巻き込まれ、影鰐のクローンに取り憑かれてしまった。怪物・影鰐のクローンをその身に潜め、逃亡者となった番場に襲いかかる数々の事件。執拗に彼を追う猿楽製薬との決死の追走劇、そして新たに影鰐を追う人物との対決。事態が混迷を極める中で、再び影鰐を追う番場。奇獣の始祖、影鰐を倒すことは出来るのかー。

第1話 『Episode 1 胎動』

あらすじ

猿楽製薬での大規模事故と失踪した番場宗介を追うジャーナリスト・川上。
ある時、事故に関わる情報を掴んだ川上は空港を訪れていた。
そこで旅客機から乗客全員が消失する怪事件に遭遇。唯一生き残ったCAが語った真相とは…?


・キャスト
番場宗介:杉田智和
川上記者:真殿光昭 客室乗務員:相沢舞 ほか


 猿楽製薬での影鰐事件 http://d.hatena.ne.jp/Perry-R/20151230/p1 から4ヵ月後。事件の真相は明らかにならないまま製薬会社の爆発事故という事で処理されていた。しかし事故以降周囲で怪物が出没するという噂が立ち、番場はその騒ぎの中心人物と目されていたが、行方は分からないままだった。

 とある夜、空港に旅客機が着陸するが、客室からは一人のCAを残して他の乗客たちは消えうせていた。CAの証言によれば、着陸直前機内に「怪物」が現われて人間を襲い始め、彼女は一人貨物室に逃げ込んで命拾いしたのだという。話を聞いた人々は全く信用しないが、機内に踏み込んだ男は機内の片隅に人間の骨が山積みになっているのを発見、次の瞬間「怪物」に襲われる……

 その頃番場は何故か「来別内刑務所」にいた。


感想

 2015年10月〜12月にウルトラスーパーアニメタイム(USAT)枠で放送された、モンスターパニック系ホラーアニメ「影鰐」の続編。


 現代。「奇獣」と呼ばれる未知の生物たちが出現し、人間を襲っていた。高名な生物学者・番場宗介(杉田智和)は過去奇獣に関わりがあり、奇獣に関する事件を独自に調査していたが……、


 という前作からの続きとなっている。前作は余韻を残した結末ながら、続きは全く期待していなかったのだが、ツイッターで、発売直後からファンがDVDを購入しまくってアマゾンでの売り上げ順位を押し上げ、公式アカウントがそれに喜びを表明、ついに続編制作決定、という流れを見ていて、本当に「ファンのおかげで続編が実現しました」みたいな話が有るのだなぁと思ってしまった。

 前作からわずか三ヶ月しか空いていないので、「最初から続編が用意されていたのでは?」という気もするが、この『アニメ好きが100人いたら、影鰐を見ていた人は3人くらいだろう』という、かなりマニアックなノリのアニメの続編が最初から用意されていたというのも信じがたいので、やはりDVD売り上げが効いたのだと考えたい。そもそも紙芝居的アニメなので、あまり制作に時間がかからない気もするし……


 前作「影鰐」は、この手のUMAモノが大好きな人間の心を鷲掴みにするストーリーの連発で、「人間がモンスターに襲われる」というテーマは共通でも、「クトゥルフ神話風」「昭和怪獣特撮物風」「B級SF映画風」「怪談風」など、多種多彩なバリエーションを展開してくれたが(特に南極海でニンゲンが出た話なんか最高!)、第二期も一話目からいきなり直球展開。飛行中の旅客機で、窓の外に何かが見えた後、機内から乗客が全員消え去る、という「トワイライトゾーン 2万フィートの戦慄」と「ランゴリアーズ」を混ぜ合わせたようなホラー展開にはゾクゾクした。本当にこのアニメの作り手は、この手の超常物が好きな人間の気持ちが解っている。初回からこれなら、第二期の出来も何の心配も無しである。あと、相変わらず怪物以外に登場人物の顔も怖い……


 ところで相変わらず番場が出てこないので、「仕事しろ」と突っ込もうとしたら何故か刑務所暮らしだった……、この辺りの謎解きも気になるところである。


スタッフ情報
【監督】高嶋友也
【脚本】熊本浩武
【作画】小田春佳、川津さえこ、祭田俊作
【プロデューサー】岩切謙太郎
【製作総指揮】長江努
【協力】ULTRA SUPER PICTURES


キャスト
番場宗介:杉田智和