感想:アニメ(新番組)「甲鉄城のカバネリ」第1話「脅える屍」:見たような設定が入り混じったゾンビ物


ninelie(期間生産限定盤)(DVD付)

甲鉄城のカバネリ」公式サイト http://kabaneri.com/
放送 フジテレビ・ノイタミナ

【※以下ネタバレ】

 世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の化物が現れた。鋼鉄の被膜に覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。極東の島国である日ノ本(ひのもと)の人々は、カバネの脅威に対抗すべく各地に「駅」と呼ばれる砦を築き、その中に閉じ籠もることでなんとか生き延びていた。駅を行き来ができるのは分厚い装甲が施された装甲蒸気機関車(通称、駿城(はやじろ))のみであり、互いの駅はそれぞれの生産物を融通しあうことでなんとか生活を保っていた。製鉄と蒸気機関の生産をなりわいとする顕金駅(あらがねえき)に暮らす蒸気鍛冶の少年、生駒(いこま)。彼はカバネを倒すために独自の武器「ツラヌキ筒(づつ)」を開発しながら、いつか自分の力を発揮できる日が来るのを待ち望んでいた。


 そんなある日、前線をくぐり抜けて駿城の一つ甲鉄城(こうてつじょう)が顕金駅にやってくる。車両の清掃整備に駆りだされた生駒は、義務であるカバネ検閲を免除される不思議な少女を目撃する。その夜、生駒が無名(むめい)と名乗る昼間の少女と再会するなか、顕金駅に駿城が暴走しながら突入してきた。乗務員は全滅し、全てカバネに変わっていたのだ!顕金駅に溢れ出るカバネたち。パニックに襲われる人々の波に逆らうようにして、生駒は走る。今度こそ逃げない、俺は、俺のツラヌキ筒でカバネを倒す!


 ―――こうして、本当に輝く男になるための生駒の戦いが始まるのだった。

第1話 脅える屍 (2016年4月7日(木)放送)

あらすじ

 衣服や住居は戦国〜江戸時代風なのに、蒸気機関車が走る世界。この世界は「カバネ」という怪物が徘徊しており、カバネに噛まれたものもまたカバネと化す。人間は基本的に「駅」という要塞に立てこもって暮し、駅と駅の間を「駿城(はやじろ)」という蒸気機関車が繋いでいた。

 駅の一つ「顕金駅」(こんごうえき)の技術者・生駒は、独自にカバネを倒す武器「ツラヌキ筒」を研究していた。そんなある日、顕金駅に駿城「甲鉄城」が到着するが、その中には駅の統治者たちから特別扱いされる少女が乗っていた。やがて顕金駅に別の駿城が到着するが、城は既にカバネに乗っ取られており、駅の内部にもカバネがなだれ込んでくる。生駒はツラヌキ筒でカバネを倒すが、自分も噛まれてカバネ化しかける。しかし何か色々やってカバネ化を防ぐ。続く。


感想

 ノイタミナオリジナルアニメのゾンビ物。元々好みと合わないことが多いノイタミナ枠の上に、さらに監督が「ギルティクラウン」の荒木哲郎ということで、正直全く期待していなかったが、実際に見てみると怖れていたほどでもなく、それなりには視聴できる内容に収まっていた。



 衣服や住居は戦国〜江戸時代風なのに、蒸気機関車が走っている、という世界観だが、


 「昔の日本という世界観+ゾンビ」は

戦国ゾンビ~百鬼の乱

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 で既に使われているし、



 「蒸気機関車でゾンビだらけの世界を突っ走る」というのは

鉄龍 レール・オブ・ザ・デッド 井上いちろう|ぷら@ほ〜む
http://puratto.homesha.jp/e/p.php?tag=dtn&wx=056

 で既に見ているので、


 結果的に物凄い既視感、または二番煎じ感が否めないものが有った。設定の組み合わせでそれなりにオリジナリティは出してはいるものの、人々が要塞の中に立てこもってゾンビに怯えているとか、支配者層が一般市民を差別しているとか、「進撃の巨人」とかそのあたりでさんざん使われて手垢が付いた感が有るシチュエーションばかり。そもそも『ゾンビ物』という有名テーマを扱った時点で「またか」という飽きにも似た感覚が先に立った。今後それをどのくらいひっくり返してくれるのかが見物ではある。


 キャラクター原案は御大美樹本晴彦氏。初代マクロスの頃は時代の寵児とも言える人物だったが、さすがにあれから三十数年、絵も随分変わり、正直「今風」とは言いがたいものがある。まあ個性が有る事は間違いはないが、ヒロインに萌えるのはちと厳しいという気はする。


 初回は、およそ予想した範囲に収まった内容だった。今後どう展開していくのか、予想を超えるのか、はたまた思っていた範囲で終わってしまうのか、とりあえず注目していきたい。


KABANERI OF THE IRON FORTRESS(初回生産限定盤)(DVD付)


スタッフ情報
【監督】荒木哲郎
【シリーズ構成】大河内一楼
【脚本】大河内一楼
【キャラクター原案】美樹本晴彦
【アニメーションキャラクターデザイン】江原康之
総作画監督】江原康之、丸藤広貴、浅野恭司
【音楽】澤野弘之
【脚本】瀬古浩司
【助監督】田中洋之
【設定統括】笠岡淳平
【仮想世界調整】三輪清宗
【コンセプトアート&デザイン】森山洋
【デザインワークス】形部一平
【コンセプトボード】吉田史朗
【プロップデザイン】常木志伸
【美術デザイン】谷内優穂、曽野由大青木薫
【デザイン協力】玉川慎吾
【アクション作画監督】川野達朗、世良悠子
【メインアニメーター】手塚響平
【ビジュアルエフェクトアニメーター】松本幸子
美術監督吉原俊一郎
色彩設計】橋本賢
【撮影監督】山田和弘
【CGディレクター】薮田修平
【音響監督】三間雅文
【音響効果】倉橋静男
【編集】肥田文


音楽
【OP】EGOIST「KABANERI OF THE IRON FORTRESS
【ED】Aimer with chelly (EGOIST)「ninelie


キャスト
生駒:畠中祐
無名:千本木彩花
菖蒲:内田真礼
来栖:増田俊樹
逞生:梶裕貴
鰍:沖佳苗
侑那:伊瀬茉莉也
巣刈:逢坂良太
吉備土:佐藤健輔
美馬:宮野真守