感想:アニメ(新番組)「Re:ゼロ(リ・ゼロ)から始める異世界生活」第1話「始まりの終わりと終わりの始まり」:設定が雑なことこの上ない異世界サスペンス


Re:ゼロから始める異世界生活 1<Re:ゼロから始める異世界生活> (MF文庫J)

TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オフィシャルサイト http://re-zero-anime.jp/
放送 AT-X

【※以下ネタバレ】

コンビニからの帰り道、突如として異世界へと召喚されてしまった少年、菜月昴。頼れるものなど何一つない異世界で、無力な少年が手にした唯一の力……それは死して時間を巻き戻す《死に戻り》の力だった。大切な人たちを守るため、そして確かにあったかけがえのない時間を取り戻すため、少年は絶望に抗い、過酷な運命に立ち向かっていく。

第1話 始まりの終わりと終わりの始まり

あらすじ

 引きこもり少年・菜月昴(なつき・すばる)は、コンビニ帰りにいきなりファンタジー異世界に移動するが、あっさり状況に順応し、この先の冒険談に思いをはせてワクワクしていた。ところがナツキはチンピラ三人組にKO負けしてボコられてしまうが、そこに持ち物を盗まれたという美少女サテラが通りかかり助けてくれる。ナツキはお礼に彼女が盗まれたという徽章探しを手伝い、犯人と思われる少女フェルトを探して盗品を扱う店にたどり着くが、入ってみると店主は殺されており、さらに自分も何者かに刺されて致命傷を負い、あげくにサテラも同様に殺される。


 次の瞬間、ナツキはこの世界に来た時にいた場所に戻っている事に気がつき、盗品蔵に戻ると、死んだはずの店主・ロム爺が生きている事に驚く。ナツキは深く考えず、フェルトが戻ってくるのを出迎え、徽章買取を持ちかける。ナツキは自分の携帯電話を魔法の道具だと言いくるめて物々交換を申し出るが、もう一人徽章を買いたいという女性エルザが現われる。エルザは競りに負けると、すぐさまロム爺・フェルト・ナツキの順に殺害する。

 次の瞬間、ナツキはこの世界に来た時にいた場所に戻っている事に気がつき、サテラが歩いているのを見かけて声をかけるが、誰かは知らないがそんな魔女の名前で呼ぶなといわれる。


脚本:横谷昌宏 絵コンテ・演出:渡邊政治 作画監督坂井久太 / 小柳達也


感想

 異世界が舞台のループ系サスペンス。


 初回一時間スペシャル。力が入っているのでどれだけ凄いアニメなのかと思ったが、設定が雑なことこの上なく、私がイメージしていた「ダメな異世界移動物」そのままだった。


 例を挙げるなら

・ナツキの素性を詳しく説明することなくいきなり異世界に移行
・しかもナツキはその状況に全く戸惑わず、ウッヒャー異世界に召還された、と大喜び
・言葉が問題なく通じる
・リンゴ的な食べ物が「リンガ」とか、設定に全く頭を使っていない
・ハーフエルフとか他人の考えた種族名設定を当たり前に使っている

 とまあ、異世界に移動するという一大イベントを軽く流しすぎでしょう。「とにかく異世界を舞台にしたいが、細かいことを考えるのは嫌だし、オマエラだってそのあたりの事なんか適当でいいだろう?」という考えが見え見えですよ。あと、主人公が引きこもりのクセに「ちゃんと体は鍛えてあるから」とカッコイイ細マッチョで、絶対にぶよぶよのデブじゃないというのも都合が良すぎとしか。


 さらに、異世界に旅立ったのに、やっている事と言えば、もうおなじみのループ系サスペンスですか……、これ、わざわざ異世界にいく必要有るのですか? 主人公が殺されるたびにループして生き返って、謎めいた状況を解明していく、というストーリーなら、今ここにある現実世界でやればいいじゃん? 何故わざわざファンタジー世界に行って、屋上屋を重ねるがごとくループサスペンスをやるの?


 あとおまけ番組の中身がなさ過ぎて崩れ落ちそうだった。


 ループして謎解きするのは良いとして、異世界に行く必然性が全く感じられないし、主人公が異世界に転移したのにまるで平然としているし、陽気でコミュニケーション能力とサバイバル能力抜群のカッコイイ細マッチョだし、とか、どうも前提となる設定が引っかかりすぎて困るアニメでした。


スタッフ情報
【原作】長月達平Re:ゼロから始める異世界生活」(「MF文庫JKADOKAWA刊)
【キャラクター原案】大塚真一郎
【監督】渡邊政治
【シリーズ構成】横谷昌宏
【キャラクターデザイン・総作画監督坂井久太
【プロップデザイン】鈴木典孝、岩畑剛一
【美術設定】金城沙綾(美峰
美術監督】高峯義人(美峰
色彩設計】坂本いづみ
【撮影監督】峰岸健太郎(T2studio)

【3Dディレクター】軽部優(T2studio)
【編集】須藤瞳(REAL-T)
【音響監督】明田川仁
【音響効果】古谷友二(スワラ・プロ)
【音楽】末廣健一郎
【音楽制作】KADOKAWA



音楽
【OP】鈴木このみRedo
【ED】MYTH & ROIDSTYX HELIX


キャスト
ナツキ・スバル:小林裕介
エミリア:高橋李依
パック:内山夕実
フェルト:赤粼千夏
レム:水瀬いのり
ラム:村川梨衣
ベアトリス:新井里美
ラインハルト・ヴァン・アストレア:中村悠一
エルザ・グランヒルテ:能登麻美子
ロズワール・L・メイザース子安武人